「クリーチャー愛!!」ヘルボーイ ゴールデン・アーミー マロピさんの映画レビュー(感想・評価)
クリーチャー愛!!
「パンズ・ラビリンス」で一躍有名になったギレルモ・デル・トロ監督だけど、僕の中では「ヘルボーイ」なんだよね・・・。
パート1の頃からあったクリーチャー愛はこのパート2でさらに顕著になったと思う。
得てしてこの手のファンタジームービーはクリーチャーをしっかり魅せてくれない。
「ロード・オブ・ザ・リング」を否定する気は毛頭ないが、「2つの塔」あたりから大軍勢を鳥瞰図で見える絵が主となり、「ナルニア国物語」にしても魅力的なクリーチャーを見せることなく、大軍勢のone of themにしてしまった(スペクタクルとしての映画になり、想像を掻き立てるという、ファンタジーではなくなった)。
それが、この「ヘルボーイ2」には無い。トロール市場の隅々にまでクリーチャー愛に溢れている。
余すことなく、出てくるクリーチャーに人格(?)が垣間見え、造詣が見事だ。
これはなかなかできそうでできないことだ。
「パンズ・ラビリンス」での興行的成功、かつ名声を得たからこそできたと思う。
パート1とは圧倒的に登場するクリーチャー数が違うのがそれを物語る(1はサマエルだけだったからなあ・・・)。
映画としても、パート1に比するとテンポが格段に良くなった。
これから起きるであろうストーリーをヘルボーイの少年時代の挿話として入れるシークエンスは秀逸だ。
また、ヘルボーイの愛すべきキャラも健在。
異形の者は、マイノリティである悲哀を感じさせながらも「X-MEN」とは一味もふた味も違う見せ方をする。
今後、続編を強く希望したいシリーズだけど、日本だとアクが強すぎて賛否両論だろうな。
そこが残念。