「自信満々で皮肉たっぷりのプレゼント」ファニーゲームU.S.A. いきいきさんの映画レビュー(感想・評価)
自信満々で皮肉たっぷりのプレゼント
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☆
音楽のギャップで冒頭から鑑賞者の神経を逆撫でし、
不条理さで恐怖を与え、暴力シーンを見せないことで更に増幅させ、
描いた暴力シーンを否定することで、
抱いたであろう爽快感を否定することで、
エンターテイメントとして暴力を消費してしまうことに疑問を投げかけ、
長回しで鑑賞者をイライラさせ、張った伏線の回収でも、
あっさりと投げ捨てられ、ゴミのように捨てられ、
気持ち悪い2人組みはゲームを続ける。
全くファニーではない巧妙に計算されたファニーゲームU.S.A.は、
ミヒャエル・ハネケ監督がハリウッドでセルフ・リメイクした作品で、
役者が違い、英語であること以外は
オリジナルとストーリーや演出もほぼ変わらないらしい。
それは監督の自信の現れであり、
全く変えない事もそれもまたハリウッドへの皮肉でもあり、
暴力をエンターテイメントとして消費してしまっている鑑賞者へ届けた
自信満々で皮肉たっぷりのプレゼント。
この作品を観ると苛立つ人、不快な気持ちになる人ばかりでしょう。
監督が作品を通してやろうとしていることはそれで成功なんだろうな。
★
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