「「食べること」と「殺すこと」は同じじゃない」ブタがいた教室 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
「食べること」と「殺すこと」は同じじゃない
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映画「ブタがいた教室」(前田哲監督)から。
クラスのみんなで育てたブタを、最後はどうするか、
「食べる」「食べない」で白熱するデイベートは、
このシーン以外では、仲良しなのだろうか?といらぬ心配をしながらも、
監督はこの作品で私たちに、そして実際に行なわれた先生は子どもたちに、
なにを伝えたかったのか・・と考えながら、最後まで観てしまった。
「食」をテーマにした作品は、何作も観ているが、
90分ほど淡々と映像だけが流れる映画「いのちの食べ方」同様、
その評価は、観る側の私たちに委ねられている気がした。
彼らの主張をメモしながら、自分だったら、彼らのどの意見に近いのか、
どんな台詞に、私のアンテナは引っ掛かったのか、考えてみた。
鑑賞後、乱雑に書きなぐったメモを整理すると、
「『食べること』と『殺すこと』は同じじゃない」という台詞が、
場面を変えて、2度書かれていたことに気付く。
これは単なる偶然ではなく、明らかに私の意見と近いということだろう。
「どう違うんですか?」と問いつめる女の子に「殺すのはただ命を奪うことで、
食べるのはその殺した動物の命を受け継ぐことなんだよ」と言い切る男の子。
だからこそ、給食なども好き嫌いで残してはいけない、と気付かせられれば、
「いのち」を扱う授業としては、もっとよかったのに、とも感じた。
そう言えば、この「ブタ」を飼うという体験で、子どもたちの意識が変わり、
魚嫌いの子どもが食べるようになった、とお父さんが話すシーンがある。
その教えは「魚の身がしまっているのは、頑張って生きていたからだ。
頑張って生きたことを無駄にするな」らしい。(なるほど・・)
作品としては、評価が分かれるだろうなぁ、きっと。
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