「.」落下の王国 瀬雨伊府 琴さんの映画レビュー(感想・評価)
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自宅にて鑑賞。ターセム脚本・製作・監督。錚々たる面子がスタッフに並ぶ。圧倒的な映像の力。ブルーバック等、技術的なハメコミを使わず、全て実際に現地で撮ったと主張する画面のロケは18箇国以上に上り、26箇所にも及んだと云う(ただしロケーション以外でのCG的なエフェクトは使用している)。出演者陣の演技も邪魔にならず壮大で綿密な画面が全てを包み込んでいる。息絶えた“ウォレス”が握っていたアメリカーナ・エキゾティカのシーンと映画界の先人達へのリスペクトに満ち溢れたラストは、不覚にも泣きそうになった。80/100点。
・ラスト近く病院関係者での試写会の席上で、L.ペイス演じる“ロイ・ウォーカー”が大怪我の元となったシーンがカットされてるのを観て、一瞬表情が強張るが、周りの人々の愉しむ様子に自暴自棄であったとは云え、この為に命を張ったと悟るシーンが秀逸で、『ニュー・シネマ・パラダイス('89)』を彷彿させる。また主要な登場人物が複数の役をこなしているのと、閉鎖された環境下での口物語が現実世界にも波及して来ると云うプロットは、大好きな『蜘蛛女のキス('85)』を想起した。
・鑑賞日:2011年12月1日(木)
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