12人の怒れる男

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12人の怒れる男

解説

シドニー・ルメット監督の名作「十二人の怒れる男」(57)を、「機械じかけのピアノのための未完成の戯曲」「太陽に灼かれて」「シベリアの理髪師」などで知られるロシア映画界の巨匠ニキータ・ミハルコフがリメイク。ロシア軍将校だった養父を殺害したチェチェン人少年の裁判を通して、現代ロシア社会が抱える問題や多民族国家ならではの偏見を浮き彫りにしていく。

2007年製作/160分/ロシア
原題または英題:12
配給:ヘキサゴン・ピクチャーズ、アニープラネット
劇場公開日:2008年8月23日

スタッフ・キャスト

監督
脚本
ニキータ・ミハルコフ
ウラジミール・モイセエンコ
アレクサンドル・ノボトツキイ=ブラソフ
製作
レオニド・ベレシュチャギン
撮影
ブラディスラフ・オペリヤンツ
音楽
エドゥアルド・アルテミエフ
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受賞歴

第80回 アカデミー賞(2008年)

ノミネート

外国語映画賞  
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(C)2007 Three T Productions

映画レビュー

4.0ストーリーを変えずにテーマを変えた

2024年1月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

有名な「十二人の怒れる男」のロシア版リメイク。オリジナルは漢数字の十二でこちらは英数字の12なので検索の時とか注意してね。
原題は「12」ロシア人は案外穏やかで怒ってなかったからね。邦題の付け方が悪いよね。

それで、三時間近い作品なんだけど、何がそんなに長くなる事があるのかと思っていたら、被告の少年のパートがあるんだよね。オリジナル版での少年はほとんど空気だった。
一見、余計なことのように思える少年の扱いが大きな比重を占めているのには理由があって、オリジナルと舞台設定とラスト以外の筋書きがほぼ同じでありながら、主題、メッセージみたいなものが変わっているからなんだよね。

オリジナル版から更に一歩踏み出して、チェチェン紛争やロシア人の国民性などの、すごくロシアの文化、風習に寄り添ったテーマになっていて、上手くロシアに落とし込んだなと感動的ですらある。

オープニングとエンディングに格言のようなテキストメッセージが出る。わざわざ出すのだから当然重要なメッセージで、どちらも法に関係のある言葉だ。
法に対する考え方についてなんだけど、これがオープニングとエンディングで変化するんだ。それがそのまま本作のストーリーの変遷になっているので、テキストの内容をよく覚えておくと面白さが増すと思う。
証拠や証言の検証をなかなか始めないのは、これに由来しているんだな。例えば日本人なら、論理的であるとかマナーとかが、法よりもとは言わないが上位にあるように、ロシア人にも上位にくるものがあるというわけで、この辺の国民性や考え方の違いが面白いよね。ついつい、早く検証を始めろよって自分が考えちゃうのは、それが国民性や民族性なんだな。作品の中では民族ごとの考え方の違いの話もしているので、もっと面白いよね。

オリジナル版はスピーディーさとスリリングさと暑苦しさで押し通したサスペンスだったけど、こちらは音楽とドラマ性と暗闇で演出した、どちらかと言えばヒューマンドラマのようなサスペンスで、個人的にはロシア版の方が好みだ。テーマなどがハッキリしていて現代的だったしね。
あまりオリジナル版との比較はしたくなかったけど、どうしてもそうなってしまうな。

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つとみ

3.5原作よりも根が深い

2024年1月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

難しい

アメリカ映画『十二人の怒れる男』のロシア版リメイク。
12人の陪審員が殺人容疑者の青年の評決のための審議を行うのは原作通りだが、本作ではロシアならではの民族や宗教の問題が絡んできて複雑になっている。
さらに原作では冤罪を覆してハッピーエンドだが、本作では暴かれた真実がその後に暗い影を落とし何とも後味の悪い感じが残った。
とは言え、様々な経歴の12人のおっさんが自分語りしたり喧嘩したりする展開は(若干不要なものもあるような気がするが)観ていて退屈せず160分という長尺もそれほど気にならなかった。
だがしかし、繰り返し挿入される紛争地帯の映像(容疑者の青年の過去体験)の意図が不明。
陪審員たちが明かした真実は間違いで、全く違う紛争がらみの真実があるような気がしないでもない。

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ジョン・ドゥ

5.0陪審員に必要な能力とは

2020年2月2日
スマートフォンから投稿

笑える

興奮

知的

十二人の陪審員のうち、無罪を訴えるのはただ一人。

無罪を訴える理由は、話し合いがしたいから。
それに反発する陪審員達。

しかし、有罪を強行に主張する人達に、果敢かつ論理的な推理でどんどん有罪となる証拠の矛盾を突いていく。

最初は、明らかに無理な逆転劇を始めようとしているようにみえたが、やる気の無い弁護士や矛盾だらけの証言など、無罪を主張するにたる根拠があることが段々と見えて来る。

証拠の矛盾が増えるたびに一人また一人と無罪派に鞍替えしていく陪審員。

固定概念に囚われること、言われたことを鵜呑みにすること、私怨に動くことなどをしては陪審員なんて務まらない。

一人の命が無くなるか否かの判断をしていることを自覚して、しっかりと考えなければならないと思わせる良作映画でした。

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tanikama

4.0本当に悪いのは

2019年9月29日
iPhoneアプリから投稿

虚偽の証言をした2人と無能な弁護士。
裁判員制度自体反対。一般人が葛藤に苦しみ責任を負わされる。12人の人たちは気の毒だ。

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kenyan