この自由な世界でのレビュー・感想・評価
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弱肉強食
セクハラで会社をクビになったアンジー。
かわいそうに…と思う間もなく、バイクで駆け回る日雇い派遣斡旋所の経営者に。
スキルとコネがあれば、雇われるより儲かる、はず。
誰もが簡単に気づくが、大抵コネがない。
世の中の搾取の図が明確に描かれている。
Win-Winの関係なんてない。
女を武器に(してるように見える)、みるみる仕事が増えて…イラン人家族を家に置いてあげたとろまではまだいい。
しかし酔った勢いで男(しかも労働者)を家に連れ込んだり。
どんどんエスカレートするやり方に、周りは(見てる方も)ハラハラ。
利発な共同経営者や冷静な父親の心配をよそに手段を選ばなくなるアンジーに、もはや共感はできなくなっていく。
いつだって弱いのは労働者。
でもその労働者社会にも搾取する側とされる側がある。
いつの時代にも、である。
母親が仕事優先で不貞腐れる一人息子。
部屋にはサッカー選手(赤いユニフォーム、マンU?)のポスター。
読んでいるのはサッカーマガジン。
ケン・ローチ作品、こんなところが好き。
t's a Free World...
セクハラに抗議したため勤めていた会社から解雇されてしまう主人公アンジーは33歳。
彼女はこれまでの経験を生かし、友人を誘って自ら労働派遣会社を女二人で立ち上げる。
持ち前の勝ち気と、少しの色気を使って会社を軌道に乗せていこうとするが、様々な問題が彼女たちの前に立ちはだかる。
移民問題、不法滞在、不法労働、不法雇用、給与の未払い、一人息子との関係・・
それでも、本人も気づかぬ内にみるみる欲深くなっていくアンジー。
ついには脅迫、そして命の危険にまで晒されてしまう。
現代社会、そしてこれからも永遠のテーマになっていくであろう問題を客観的に、リアリティーをもって描かれた作品。
自由な世界だからこそ、人の心としての思いやり、モラルが大切になってくる。
ここで数行にまとめられないほど重みのある一本。
結婚している男は好き?
映画「この自由な世界で」(ケン・ローチ監督)から。
幸せになるためには、法を破って何でもする主人公の
切羽詰まった焦燥感が伝わってくる作品だった。
しかし、気になる一言は、物語とは全然関係なく、
面白い一言を選んでしまった。(汗)
「どんな男性が好き?」なんて訊ね方をせず、
自分を想定しながら「映画の好きな男は好き?」とか
「ジャイアンツの好きな男は好き?」と訊ねた方が
具体的で面白い気がする。
別に男性に限らず、女性でも使って欲しい。
「どんな女性が好き?」ではなく、
「お酒の好きな女性は好き?」とか
「タバコを吸う女性は嫌い?」なんて言い方でいい。
まぁ「結婚している男は好き?」という台詞だけだと、
ちょっと危ない気がしないわけでもないが・・。
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