「イ・ジェハン監督から中山美穂さんへのLove letter」サヨナライツカ septakaさんの映画レビュー(感想・評価)
イ・ジェハン監督から中山美穂さんへのLove letter
2002年11月
中山美穂、大沢たかお。
監督、行定勲で映画化発表されるも
中山美穂・辻仁成の結婚もあり頓挫。
今回、それから約10年ぶりに
『私の頭の中の消しゴム』(04)
イ・ジェハン監督の手によって完成の陽の目をみました。
原作は随分前に既読済み。
鑑賞前は記憶になく、鑑賞後に
読後にすぐ浮かんだ感想を思い出しました。
“こんな男女像を書いてるから南果歩さん(現渡辺謙夫人)と離婚しちゃうんだよ”
と、少し話がそれましたが、
今作鑑賞前にDVDで『私の頭の中の消しゴム』確認&号泣。
どんな作品を作る監督さんか確かめておきました。
劇場は、10代後半から20代前半のカップルを中心に
大きい劇場があてがわれ半分ほどの入り。静かに上映開始を待ちました。
☆彡 ☆彡
これ韓国映画だよなぁ
私は好きだけど邦画を期待した人
怒っちゃう人いるだろうなぁ・・・
監督、絶対中山美穂さん世代だよね
『今度は愛妻家』(現在公開中)の
行定監督から薬師丸ひろ子さんへ抱いた
ファン心とリスペクトと似たものがあったんじゃないかなぁ
感涙でにじむエンドロールをみながら、
ED中島美嘉さんの歌詞・曲のよさに、
感動を倍増させながら、次から次へと
感想が湯水のように湧いて来て大変でした。
オープニング、意外なところで鳥肌立てていました。
配給会社のタイトルコールに“CJ Entertainment”のロゴ。
韓国映画好きの私にとって、シネマート六本木以外の映画館、しかも近場の
シネコンでこのタイトルロゴを見る。それだけで感慨深いものがありました。
◇ ◇
では、感想を順番に整理します。
①韓国映画だよなぁ
終盤のストーリーの進行速度。
使う音楽のレパートリー。終わりそうで
なかなか終わらず、サプライズの感動を用意する技法。
今作も、これがあてはまります。
わたし、ピアノが中心だったのに、
クライマックスでいきなり、それ以外の
楽器に変わり、ボリュームも大きくなる
独特の技法に、一気に落涙してしまいました。
でも、困ったのもふたつ。あれっ?がひとつ
1)空港で、中山さん、西島さんを撮るシーン。
レールの上を動かすカメラのスピードが速すぎて、
車酔いしたような感じで気持ち悪くなりかけました。
2)編集、一箇所。失敗したのかな?
シーン中途半端にブツッと切れて、場面展開しています
3)25年前の東京の街並みを映す場面。
25年前の東京には、恐らくまだないはずのものが映りこんでます
なんて、細かいこと書きましたが、超感動しました。
ただ『私の頭の中の消しゴム』のファミリーマートサプライズよりは弱かったですが(苦笑)
②イ・ジェハン監督、絶対中山美穂さん世代だよね
現在、39歳。私の年齢を考えても、ビンゴの年齢でしょう。
『Love letter』岩井俊二監督。中山美穂主演。
この作品、韓国で公開され、撮影地の小樽に韓国人観光客が
殺到するほどの大ブームを巻き起こしました。韓国で公開された
中山美穂さんの作品は、これ1作だけなのですが、日本だけでなく
韓国でも彼女の作品を、待ちわびている映画ファンは相当数にのぼるでしょう。
『ソフィーの復讐』(現在公開中)
同じく“CJ Entertainment”が配給している中国・韓国合作映画ですが、
こちら、中国・韓国、双方のマーケットを意識するあまり、どっちつかずになっているんです。
しかし、今作、中山美穂さんのキャスティングが決まった時点で、
韓国人スターが出演していなくても、かなりの数の動員が見込めます。
だから、①の話ではありませんが、あまり日本を意識せず韓国テイストを出したのでしょう。
話が、それましたが、今作、冒頭、扉を開けて
バーに入ってくるシーンから、中山美穂さん、メチャクチャ綺麗に映されているんです。
自然採光なのか、照明なのかはわかりませんが、まるで後光がさしているかのようです。
他にも、綺麗だけでなく、かわいさ、妖艶さ。
これまでにない姿が、リスペクトしてないと、
ここまでえ綺麗に撮れないだろうと思えるほど、芸術的に撮られています。
イ・ジェハン監督
『Love letter』セリフを諳んじられるくらい
何度も繰り返し鑑賞。中山美穂さん大好きだったそうです。
まぁ、そうじゃなきゃ、あそこまで綺麗には撮れませんよね。
どうせなら、薬師丸ひろ子さんみたいに、コンサートもしてもらいたかったです(苦笑)
☆彡 ☆彡
『外事警察』で初めて見せてくれた
Sっ気のある石田ゆり子さんを再び味わえます。
『愛のむきだし』でキネマ旬報新人賞を受賞した
AAAの西島くんも、少しだけ出てきます。思わず身を乗り出してしまいました(苦笑)
6年前上映したら、もっとヒットしたんじゃないかな
ソン・イェジン、チョン・ウソン、ペアヴァージョンも観たいな
そんな思いも頭をよぎりました。
ストーリーには賛否両論分かれそうですが、
私は、豊と沓子の思いに心が震えましたので★★★★☆をつけさせていただきます(笑顔)