「魅力は壮大で迫力満点なスペクタクル映像だけ、脚本は…」2012 hidejiiさんの映画レビュー(感想・評価)
魅力は壮大で迫力満点なスペクタクル映像だけ、脚本は…
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あまりのお粗末さにガックリ。次から次に疑問が浮かんでしまう脚本に、かなり早い段階から登場人物たちにまったく感情移入できなくなった。ただ、壮大なスペクタクル映像がお好きな方は楽しめるかもしれません。
<以下、ネタバレあり>
主人公は、この種の映画によくある、社会に適応しきれていない変人で、その変人さゆえに隠された地球の危機にいち早く気付き、元の妻や子供たちを救うために動き出す。まあ、そこまではいいのだが、その手口が、他の人たちを救おうという気持ちは一切なく、むしろ出し抜いて、主要各国の権力者たちが秘密裏に建造した「箱舟」に忍び込むというもの(地球に迫る危機は秘匿され、各国の国民には一切知らされない)。その箱舟には、権力者や、莫大な金額を払える大金持ち、つがいの動物たち(遺伝子保全のため?)しか乗れないはずなのだが、そんなことは先刻承知のはずの米国大統領顧問が、いよいよ大津波が迫り、基地を離れようとする時、箱舟に多くの人々が殺到すると、箱舟のゲートを開けろと言い出す。主人公たちが忍び込んだおかげで浸水し、箱舟が大ピンチに陥ると、その顧問は箱舟の司令部での役目を放り出して(つまり箱舟全体への責任を放棄して)、忍び込んだ数人を救いに行く。元妻の今の夫は脱出劇のさなかに命を落とすが、エンディングでは、犠牲になった夫などいなかったかのように、主人公と元妻はよりを戻す。まったく、時間をかけて不愉快になるだけの代物だった。
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