「逃げ出した後に残された人々・・・」2012 よしさんの映画レビュー(感想・評価)
逃げ出した後に残された人々・・・
マヤ終末期に着想を得たパニック物。次々と起こる壊滅的な災害を避け、主人公家族は現代版ノアの箱舟がある中国を目指す・・・と言うストーリー。
VFXは流石の迫力で、次から次へと訪れるピンチは息もつかせません。2時間を大きく超える大作ですが、時間は短く感じました。
ただ、映画として見た場合は評価は低くならざるを得ない、そんな映画でもありました。
主な理由は3つ。
まず、人の死が直接的に映されていません。十数億の人々が死ぬわけですから、酷い描写を薄める為にあえて直接的な描写を避けたのだと推察するのですが、流石にやり過ぎです。人の死にリアリティを感じなければ、逃げ回る家族のピンチに感じる緊迫感も薄れてしまいます。
二つ目は同じようなシーンが連続することです。飛行機での離陸、車での脱出。流石に食傷気味になります。
最後に、主人公に共感し難いと感じます。家族を救うために必死なのはわかりますが、主人公が脱出した街には多くの市民や、その市民を守るための警官や消防士がいます。彼等を当たり前のように残しての脱出は、カタルシスよりは違和感の方を感じます。映画の主人公として見なければ当たり前ではあるのですが、どうなんでしょうか?
個人的には、地上に残った人々が生き残るストーリーを見たかったです。
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