「恐くて、笑っちゃう。」REC レック いきいきさんの映画レビュー(感想・評価)
恐くて、笑っちゃう。
お気楽な体験レポートのつもりがアパートは封鎖され、感染、感染で、
上へ下への大騒ぎ。カメラに映し出されたのは、地獄のような修羅場。
テレビレポーターのアンヘラ(マニュエラ・ヴェラスコ)と
カメラマンのパブロが、番組で消防隊員への密着取材中に
あるアパートへ訪れて、暴れているというお婆ちゃんを消防士や
警官が取り押さえようとすると、逆に襲われ噛みつかれ、
なんとか助け出し、手当ての為に外に出ようとすると、
いつのまにかアパートは封鎖されていた。そのアパートの住人たちは、
謎の菌に感染して次々と凶暴化。
そんな中でもアンヘラは決死の取材を続ける。
適当そうなノリだと思っていたレポーターもカメラマンも、
凄まじい、鬱陶しい?ジャーナリスト魂を見せ、
訳の分からない状態でも、恐怖に直面しながらも映像を撮り続ける。
ブレア・ウィッチ・プロジェクト や クローバーフィールドでは、
素人がそこまで頑張るかというツッコミがあるけども、
それなりに説得力を持たせる設定のドキュメンタリータッチで、
いわゆるP.O.V.=ポイント・オブ・ビューでの体験は
かなりの恐さを味わえて、
同じ様に恐怖を共有できるアトラクションムービー。
その設定によって確定しちゃうこともありますけど・・・。
何がいいってレポーター役の無名なのかな?マニュエラ・ヴェラスコが
元本物のTVレポーターらしく適度にガイドしてくれて、
恐がっている姿がちょっと好みなので楽しい。
外の様子などはショボさを感じさせてしまっているけども、
低予算ということと、即興性を重視したという演じてる本人たちも
この先どうなるか分からない、普通の人々という感じが、当然なんだけど、
その普通な人々が格好なんか気にしない感じがリアルで、
体験してるような恐さが伝わってくる。
あの子の豹変にはビックリ。
狭い空間でカメラに何を映して、何を映さないかという選択や、
最近は結構あるけどカメラの特性を活かした演出も楽しく、
感染モノのお約束もある程度踏まえ、
音楽で恐がらせるということもせず、極限の緊迫感と本物の臨場感が
作品を笑いながら楽しめる作品にしてくれている。
僕にとって笑えるということはそれだけ恐いということです。