劇場公開日 2008年6月14日

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「恐くて、笑っちゃう。」REC レック いきいきさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5恐くて、笑っちゃう。

2008年7月12日

楽しい

怖い

興奮

 お気楽な体験レポートのつもりがアパートは封鎖され、感染、感染で、
 上へ下への大騒ぎ。カメラに映し出されたのは、地獄のような修羅場。

 テレビレポーターのアンヘラ(マニュエラ・ヴェラスコ)と
 カメラマンのパブロが、番組で消防隊員への密着取材中に
 あるアパートへ訪れて、暴れているというお婆ちゃんを消防士や
 警官が取り押さえようとすると、逆に襲われ噛みつかれ、
 なんとか助け出し、手当ての為に外に出ようとすると、
 いつのまにかアパートは封鎖されていた。そのアパートの住人たちは、
 謎の菌に感染して次々と凶暴化。
 そんな中でもアンヘラは決死の取材を続ける。

 適当そうなノリだと思っていたレポーターもカメラマンも、
 凄まじい、鬱陶しい?ジャーナリスト魂を見せ、
 訳の分からない状態でも、恐怖に直面しながらも映像を撮り続ける。
 ブレア・ウィッチ・プロジェクト や クローバーフィールドでは、
 素人がそこまで頑張るかというツッコミがあるけども、
 それなりに説得力を持たせる設定のドキュメンタリータッチで、
 いわゆるP.O.V.=ポイント・オブ・ビューでの体験は
 かなりの恐さを味わえて、
 同じ様に恐怖を共有できるアトラクションムービー。
 その設定によって確定しちゃうこともありますけど・・・。

 何がいいってレポーター役の無名なのかな?マニュエラ・ヴェラスコが
 元本物のTVレポーターらしく適度にガイドしてくれて、
 恐がっている姿がちょっと好みなので楽しい。

 外の様子などはショボさを感じさせてしまっているけども、
 低予算ということと、即興性を重視したという演じてる本人たちも
 この先どうなるか分からない、普通の人々という感じが、当然なんだけど、
 その普通な人々が格好なんか気にしない感じがリアルで、
 体験してるような恐さが伝わってくる。

 あの子の豹変にはビックリ。

 狭い空間でカメラに何を映して、何を映さないかという選択や、
 最近は結構あるけどカメラの特性を活かした演出も楽しく、
 感染モノのお約束もある程度踏まえ、
 音楽で恐がらせるということもせず、極限の緊迫感と本物の臨場感が
 作品を笑いながら楽しめる作品にしてくれている。
 僕にとって笑えるということはそれだけ恐いということです。

いきいき