「これぞ、2009年の映画賞候補!」重力ピエロ yakkoさんの映画レビュー(感想・評価)
これぞ、2009年の映画賞候補!
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冒頭の、春が二階から落ちてきた
小説で鮮烈な印象を受けたシーンが、映画で見事に表現されていた。
最初の5分間の空気感と映像で、これは、いい映画に違いない!という確信を得たがその直感どおりの映画だった。
長編小説を映像に変換させるにあたり、あらゆる工夫がされていると感じた、これなら伊坂さんが気に入る訳だ!小説と映画で形は違えど、魂は同じだからだ。
エンタテインメントとアーティスティックな部分のバランスが実に見事。映画好きにも、娯楽作好きにも、両方受け入れられる作品だ。
技術陣が見事なまでに、演出を支えている。
加瀬亮は、見事なまでに一番難しい普通の人を演じており、これで主演男優賞を受賞するに違いないと思えたし、何といっても、春を演じた岡田将生は、これまでの作品とは桁違いの存在感と演技力を発揮している。彼は2009年、この作品でブレーク必至だろう。
そして、その驚きと同じくらい、今までに見せたことがない演技を発揮しているのが、小日向文世と鈴木京香だ。
この二人、前から演技達者とは思っていたが、こんなにナチュラルでこんないい表情を魅せる役者だったのかと改めて感心した。助演男優賞・助演女優賞に値する。
撮影・照明・録音・美術・音楽、どれをとってもいい。
満足度がとても高い映画だった。
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