幻影師アイゼンハイム

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幻影師アイゼンハイム

解説・あらすじ

19世紀末のウィーン。天才幻影師アイゼンハイムの評判を聞きつけた皇太子は、婚約者のソフィを連れて劇場を訪れる。実はアイゼンハイムとソフィの間には、愛し合いながらも身分違いのために引き裂かれたという切ない過去があった。ほどなくしてソフィが皇太子邸で謎の死を遂げ……。ピューリッツァー賞作家スティーブン・ミルハウザーの短編をエドワード・ノートン主演で映画化。全米公開時には口コミで人気が広がり大ヒットを記録した。

2006年製作/109分/アメリカ・チェコ合作
原題または英題:The Illusionist
配給:デジタルサイト、デスペラード
劇場公開日:2008年5月24日

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映画レビュー

3.0幻影の中に見るアイゼンハイムのソフィアに寄せる想い

2025年6月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

令和の今になってしまえば、パソコンでのAI画像処理が普遍化したり、インターネットが爆発的に普及したりして、日常ではあり得ないようなフェイク画像が巷に溢れるようになったせいなのでしょうか。
いつの間にかマジック(奇術)の公演を見かけることがなくなってしまいました。

往時は、大みそかともなれば「世界のマジック・ショー」のようなタイトルで2時間もの、3時間もののテレビ特番が競うように放送されていたことを、今や懐かしくさえ、思い起こされます。

そんな「仮想世界」を描くような本作では、皇太子に追い詰められるほどに先鋭化していく幻影師アイゼンハイムこと、アブラモウィッツのトリック(奇術)が本作のミステリアスさ(幻影さ加減?)を半端なく加速していく展開に、思わず引き込まれます。

そして遂には、言ってみれば「逆恨み」ともいうべき状況で殺害されてしまったソフィアの幻影を舞台に登場させたことで、当局に介入の口実(社会かく乱罪の成立)を与えてしまう―。

その時の、消えゆくソフィアの幻影を見守るアイゼンハイムの切なそうな表情が、評論子には脳裏に焼き付いて忘れられない一本になりました。
その時の彼の脳裏には、ソフィアに寄せる真摯な想いが去来していたであろうことは、疑う余地のないこととも思われます。

佳作としての評価が適切な一本だったとも思います。

〈映画のことば〉
「すべて幻影だ。」
「幻影の中に真実がある。」

(追記)
本作は、「その世界の雰囲気を超えて、異常性すら感じられる」という映画.comレビュアーのCape Godさんのレビューに食指を動かされ、NHKのBS放送から録画してそのままになっていた媒体で鑑賞することになったものです。
まさに、的確なレビューで評論子の関心を引き、佳作に巡り合わせていただいたCape Godさんに、末尾ながらハンドルネームを記して、お礼に代えたいと思います。

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talkie

4.5まさにイリュージョニスト、見入ってしまう内容でした。きれいな映像も...

2022年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

まさにイリュージョニスト、見入ってしまう内容でした。きれいな映像も必見です。
面白かった。かなえられない愛をどのようにしてつかみ取るのか。あ~そう奪い取るのか~とビックリしました。

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ヒデコ

5.0ひきつけられた。面白かった。最後えっと思うほど何とも、時間がたつの...

2022年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ひきつけられた。面白かった。最後えっと思うほど何とも、時間がたつのが感じられなかった。本当にイリュージョンであった今まで見た映画では味わえない面白さだった。

三浦春馬さんのこの舞台を見たかった。実にそう思った。もうかなわない。悲しすぎる。

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ふくさん

5.0想像力を働かさないと、みえないんだね。

2021年1月9日
PCから投稿

『私を消えさせて』というソフィの願いから、 15年後、ウィーンに戻ってきた。
消えることができるようになって戻ってきたと後で分かったが。

私もウィーンの警察になって、 この謎を一緒に解きたいと思った。警部(ポール・エドワード・バレンタイン・ジアマッティ)が言ったように 蝶々がハンカチを持って飛ぶところを解明したい。 この謎を、警部のように、私も同じことを言いたい。

19世期のウィーン(プラハでの撮影らしい。こんな古い劇場が残っているんだね。)の街の雰囲気、まだ手がつけられていない自然、そして、科学やコンピューターの世界ではない、神秘的な世界がある。
イルージョンの世界。どこに本当の答えがあるんだろう? 果たして、本当のことは存在するのか?不思議な、自分を幻想の世界に持っていってくれる映画。

社会正義の映画やドキュメンタリーが好きな私は、この映画をみて、目が覚めた。 インタビューでエドワードノートンがこういう幻影師のいい映画がないと言っていたが、まさにこれが、いい映画なんだと思った。現実を離れて、私に夢を見せてくれるから。

また映画に戻るが、見えるところにないから、トリック(イルージョン)を見逃しちゃいそうな映画。ちょっとヒントをくれないかと何度も思った。でも、想像力を働かさないと、みえないんだね。見えるところにないからね。困っちゃった。

この映画でいくつか気になった言葉や動きがある。それに、それらがその後のストーリーの中で重要な意味や関連性をもたらしていることに気づいた。

前述した『私を消えさせて』というソフィの願いも消してあげたし。
それに、ソフィアが死んだと聞いたときのアイゼンハイムの驚愕の少なさ。 顔の表情に悲しみが十分でていないと思った。(ノートンがインタビューで当時の人々は感情を今のように直接出さなかったから、これに努力したと。そうか???)
アイゼンハイムがステージで 『一緒にいたいだけto be with her.』と 警部にいうときに警部は同情心を心からから表しているようにみえた。これも、警部がアイゼンハイムを理解してあげていると思った。実際は反体制派なんだとも思った。

これらで、ストーリーの動きを掴むことができるんだが、警部が子供から渡された『オレンジの木』の本が本物のトリックの本でトリックがを理解できたとなっているが?
みえないところを見ることができなかったから、このトリックにまんまと私ははまってしまった。Faker is plaintiff, (orange tree) 見たものはトリックで幻想だと。見たもの以外に真実があるということ。

アイゼンハイムがソフィーに暖炉のそばで、『本当に僕といっしょに行きたい?』と聞いてかれは、頷きながら考えているようだった。ここで二人は生きて一緒になる答えを出している。
薬をボストンバックに入れて、ソフィーに渡すが私はこのシーンを見逃していた。
スーツケースの中はなにと警部は聞いているが、私も分からなかった。
結婚をキャンセル!愛のための計画にまっしぐら。
アイゼンハイムは懐中時計をみて時間を気にしているらしいし。きっとなにかが?ここにもヒントがある。
医者が絡んでいたし、医者が警部にソフィーを検死させなかったところにもヒントがあるが気づかなかった。

好きなシーン:
ある市民がプリンスを調べよと警部に言うところは力強い。当時の市民のパワーが見られる箇所だと思う。

警部の役割はこの話を美談にしたし、彼は戸惑いながらも仕事をまっとうして権力に負けなかったのが良かった。

『I will make you disappear』 という言葉で、ソフィーはアイゼンハイムがかっての恋人だったことを確信する。この時振り返るシーンが好き。

ちょっとロミオとジュリエットのようだけど、この二人は幻影の世界では死んだようだが、人々はこのトリックにひっかかった。警部は鋭くて心のあるシャーロックホームズ。最後、問題解決した彼はそれで自己満足した。

蛇足
個人的に、この音楽に惚れた。どうでもいいと思っていたが、音楽に引き込まれた。幻想的な音楽に。
https://www.youtube.com/watch?v=f2LvFBlQi5U

ポール・エドワード・バレンタイン・ジアマッティはエドワードノートンの大学での先輩だと書いてあった。

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