ベンジャミン・バトン 数奇な人生のレビュー・感想・評価
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いいのか・悪いのか?
私が、あまりに期待しすぎたからか・途中寝てしまったからか、分かりませんが・・・あまりいい映画ではありませんでした。
まだ、ビラピが出られてる中では、バベルやMR・Wスミスのが面白かったです。
何はともあれ、私の眼が腐れてたのでしょうか?!
観に行く価値はあまりないと思いました。
ただ一言良かった。
人の死が結構出てきていた。でも、重くないというか、ある意味軽すぎる面も。2時間47分の大作が、あっという間に感じられる程物語に引き込まれました。ブラピの20代の頃は、かっこ良かったな。
淡々と・・・
この映画を観終わった時
『とても良質なウイスキーに水を多めに入れちゃった水割り』
のようだったなぁ~と思ってしまいました。
2時間47分退屈もせず、長過ぎるとも感じず
なのになんとなく物足りないように感じてしまった・・・
映像は素晴らしく、最近の『見所はCG!SFX!』という
作品とは違い映画に静かに浸透していて好感がもてました。
ブラピはもちろん、ケイトブランシェットの20代と60近くの
身体のラインの違いはぞっとするほどリアルで
その映像を観ているだけで人の一生がしみじみと感じられて。
映画とは語らずとも悟らされるものだなあと思いました。
「どんなに頭に来たってその時が来たら人は嫌でも死んでいく」
いかに生きるかいかに死ぬかのメッセージも随所にあり
それに共感も出来ました。
生まれながらにして死が身近にある環境で育った
ベンジャミンは人の死、別れも淡々と受け止めていく。
それは判るのですが、あまりにも淡々とし過ぎています。
幼い頃もあまりに物解りが良過ぎるというか
好奇心だけはおおせいですが、どうも感情が平坦過ぎるんです。
子供らしい無謀さも我儘もない。
生命の危機を感じるだろう場面でもあまり恐れる風でもない・・・
全編で彼は怒りも恐れることも声を荒げることも
転げ笑うこともなくただ淡々と人生を生きていく・・・
障害を持って生まれても精神は健全に成長しているはず
の設定でこの喜怒哀楽の少なさ・・・平坦さ・・・
彼の日記というかメモを読むという設定で
物語が流れるせいでもあるかもしれませんが。
淡々としていたのは映画のつくりというよりも
彼自身の感情なのです。
これがどうしてもベンジャミンというキャラが立たない
というか魅力がいまひとつになってしまっているように
私は感じてしまいました。
物語は小説でも映画でもテレビでもキャラクターが
立っていて魅力的なら、多少内容がいまひとつでも
それなりに面白く観れてしまいます。
この映画はベンジャミンという彼の人生が主題、
映画を淡々と撮るのは素晴らしいと思いますが
彼のキャラクターが淡々とした不思議ちゃんで
「彼が特殊だったからみんなが忘れていたものを
思い出させるんだ」ではフォレストガンプ?って
感じです。でもあれはあのキャラだから成り立つことで
ベンジャミンはまた別のキャラクターのはず。
(いつも同じじゃね)
この映画はエピソードもそこそこ面白くて
設定も人生の逆送と画期的であり
内容もしっかりしているにもかかわらず
キャラクターが皆弱いために私には
メッセージすら心に響いてこなかったんです。
だから観終わった後感動に取り残されてしまったようで、
いくら呑んでも酔えない素晴らしいウイスキーの
薄過ぎる水割りを飲んでしまった印象だったんです。
でもこの映画はいろいろな意見を受け止められる
幅の広い許容量の大きい映画だとも思います。
良質な映画であるということは間違いありません。
長編でしたが満足です。
ケイトの美しさがCGなのか本物なのか区別出来ず、ずっと気になっていました。あんな超人的な40歳いるのでしょうか?笑
雷に打たれたとこは、わかってはいるものの毎回笑ってしまいました。
すべてを受け入れざるを得ない人生って悲しい・・・
2時間47分という大作だが、不思議に長さは感じなかった。私の関心はもっぱらどのように若返っていくかだった。ブラピはどんどん美しくなっていき、一番美しかった「リバー・ランズ・スルー・イット」の頃のようだった。一人の女性を想い続けるという点で、原作者の代表作「グレート・ギャッツビー」が思い出された。考えてみれば、その映画化「華麗なるギャッツビー」はレッドフォード主演だ。レッドフォードの再来と言われたブラピとの因縁を感じてしまった。主人公は人生に流されていくだけで、それに抗おうとしなかった点が、ストーリー的に無理かもしれないが、物足りなかった。
不思議とあたたかい気持ちに。
始まりは老いたデイジーに纏わるものだけれど、
ベンジャミンの人生の始まりから描かれる訳で
老いた状態から始まるっていうのは何だか
「絶望だなぁ・・」なんて思ったりもしたのだけど。
女は「歳を取りたくない」とか言うけれど、
実際は逆行する人生なんて残酷過ぎる。
老人から始まるベンジャミンが幼少になっていくまで
よくもまぁあんなに自然に描けたものだとも思う。
その逆行していく数奇な人生の中でも
いくつかの恋愛や経験をして・・
きっとその外見や運動能力の差故の苦い経験こそあれ、
老いて死にゆくのも、若返りながら死にゆくのも
然程変わり無い様にも思えた、途中までは。
家庭を築く時、生涯の伴侶や自分の子供が出来た時、
その差はあまりにも残酷だった。
逆行する時計で生きるベンジャミンと
私達の普通である時間軸で生きるデイジーの人生が
上手く絡み合いながら終わっていく様が本当に美しかった。
逆行する時計が沈みゆくシーンがあるけれど、
愛に満たされて沈んでいく様な
ベンジャミンの人生そのものを表している様な
そんな気がした。
時計職人の悲しみから生まれた『逆行する時計』。
人間誰しもが後悔をする度に
「時が戻ればいいのに・・」と願うけれど。
もし、本当に時間が戻っていったら・・・
『大きなのっぽの古時計』ではないけれど、
そんな数奇な一生を時計を用いて上手く描いていた。
決してハッピーエンドとは言いきれないけれど、
見終えた後にほっと心が温かくなるような映画でした。
数奇ってなんだ。
やっと見れましたよぉ~
ずぅ~っと見たかったんですよ~
・・・その期待が高すぎたのかな・・・w
ちょっとCMとか、予告を見過ぎちゃったな・・・w
いやぁ~でも面白かったですねぇ~
特殊効果ってすごいなぁ~って思わずにはいられないって位、
幻想的な映像でしたね
数奇な人生を見ているのに
温かい気持ちになりました
前半は、映像のすごさに感動。
後半は、お話の深さに感動。涙
ファンタジーなので感動はないと思っていたけれど
不思議な感動に導かれた感じでした
良い意味で期待を裏切られました
若き日のブラピがかっこ良すぎる&
出てる人達みんな好きなので★一つ多めで・・・w
あっという間の2時間47分
ブラッド・ピットのファンにはたまらない一本である。
なにせ、彼の若かりし姿から老人の姿までじっくり鑑賞できるのであるから、目の保養(?)にはうってつけといえる。
老人姿のシーンの長さに比べ若者姿のシーンが若干少なめなのはちょっと残念でもあるが、「リバー・ランズ・スルー・イット」の頃のブラピをリメンバーな人には必見である。男の私も「やっぱブラピには誰もかなわないなぁ」と改めて思わされた。
劇中ケイト・ブランシェット演じる恋人が、若い姿のブラピを観て「完璧だわ」と言うシーンがあるが、まさにその通りである。
全体的には「フォレスト・ガンプ」に似た雰囲気。
老人で生まれ、年を追うごとに若返っていく男の人生を淡々と語る形で進む。
障害を持って生まれた者が、真剣に人生について考えさせてくれる。
映像美も相まってかなり良質な作品(もやに煙る公園で踊るケイトのシーンはかなりイイ)。もっとシンプルにできる気もするが、全然長いという印象は無かった。さすがデビット・フィンチャー監督。
これ観たあとあてどもなく街を歩いちゃいました(苦笑)
本当は「チェンジリング」が観たくてわざわざ時間まで合わせて映画館に行ったつもりが時間を勘違い。やむなく20分後に上映だった本作を観ることにしました。
それから2時間40分画面に釘づけ。一糸の乱れも感じさせないような映像と老いていき若返っていく主役二人の特殊効果が素晴らしいのです。本作の主役は、その二人を演じたブラット・ピット&ケイト・ブランシェットと特殊効果につきるでしょう。
内容的には脚本が弱く、いまひとつ設定との一体感を感じません。でも観ている間はそれが気にならないくらい、自然体で演技する二人がとても良いのです。(「レボリューショナリー・ロード」のレオ&ケイトWのがつがつした演技とは大違い)
総合的には傑作といえる程の作品ではありませんが、わたくし個人的には人生について考えさせられたという意味でとてもインパクトのある作品でした。映画というものは総合的にパッとしなくても、何か一つつかみのあるものがあれば心に残るものなのだと思ったものです。生き急ぐのは間違っているが、それでも人生は刻一刻と終わりに近づいている。そんな事思うと泣けてきちゃいました。
欲を言えば本作はデビッド・フィンチャーではなくフランスのパトリス・ルコントに作ってほしかったです。
でも最近観た映画の中では珍しく心に染みる良い映画でしたよ。
ブラッド・ピットは永遠の美男子である。
という定説を再確認できる作品。彼が演じる老人時代のうまさに注目が集まりがちだが、個人的には、20代(あるいは10代後半?)まで遡っていった姿の演技はまさに秀逸だと思う。
ケイト・ブランシェットも負けじと10代後半の役どころを演じきっているが、そこはさすがオスカー女優、見事である。
「生まれた時が老人で、年をとるにつれて若返っていく」主人公の「不自然さ」がテーマではあるが、主演ふたりの演技力の高さから、そこがすべて「自然」に見える。そこがこの作品の最も評価されるべきところ。
ただ、やはりタイトルに「人生」とあるだけに、全体として主人公の「人生」を淡々と追うだけになってしまった。そういった意味で、ストーリー性の凡庸さ(盛り上がりに欠ける)は否めず、正直、「つまらない」気分になる。
『ガンプ』を連想せずにはいられない
短編小説を脚色して若返る男と老いる女のラブストーリーにするというのは映画的に面白いアイデア。しかし、エリック・ロスともあろう人が自作『ガンプ』の上塗りをしちゃあいけない。あの作品を思い出すような場面が多すぎるのだ。その上、ハリケーン、机の下、といった使えそうな素材を使うこともなく、どうも密度が薄い。
フィンチャー、『ゾディアック』では熟成を感じたが、この作品では大人しすぎる。どちらかというとプロデューサーのケネディ&マーシャルの色の方が強い。古いフィルムの再現なんかカユくてつまらない小技も目立つが、所々に笑いを入れてるところや、高揚と無縁の演出に徹したところは評価はしたい。
ブラッド・ピットの演技は結構CG込みで目を惹くほどの芝居はなかった。タラジ・ヘンソンも『ハッスル&フロウ』の方が2倍良い。正直、オスカー候補としては全然物足りない。ジェイソン・フレミングは良かった。
と、色々物足りないところは多いが、撮影・美術を含めて総合的にはオスカー作品賞候補には相応しい大作と言えよう。
しかし、CG凄すぎ。でも、ケイトのしわ隠しや歩く老バトンまで丸々CGとは・・・これでほんとに良いのか複雑な気分になる。
環境を受容できる幸せ
ベンジャミンは老いた身体を纏って生まれるものの、精神は順調に成長し、皆に愛され、ある年齢で女を知り、戦争にも巻き込まれ、都会に出た女に少し傷つけられはするが、父親の遺産で自堕落な生活も送り、内面をみつめ世界各地へ旅などして、可能な限り見聞を広め、やがて老いた彼は認知症となり、愛した女の胸の中で死んでいく。
デヴィッド・フィンチャーって鬼才じゃなかったの?
『ベンジャミン・バトン 幸福な人生』。
この作品すごく哲学的なテーマを感じました。 それは無常と永遠。でも全然深刻にならないは、人と人との出会いに喜びを描いているからでしょう。
この作品すごく哲学的なテーマを感じました。
それは無常と永遠。
監督は、登場人物に永遠という言葉を何度も語らせ、「8」という数字の意味とかハチドリの舞に腐朽・普遍を暗示させていました。
だけれど、物語はベンジャミンの若返りしていく加齢と周りの老人たちの死や恋人のデイジーが老けていくところを見せていき、人生は無常なんだということを際立たさせていきます。
ベンジャミンがデイジーとの時間のズレに耐えられなくなったとき、彼女は永遠ってあるのよと励ました言葉が印象的です。
デイジーは永遠って、具体的には答えなかったけれど、彼女が語る「みんな人と違う人生を送っていると思うけれど、たどる道が違うだけ。結局同じなの」というセリフには、いのちとは「大河の一滴」、大きないのちの大海に注がれてひとつに結ばれるという意味も込められているように思えました。
また養老施設で育つ幼少時代の死期の迫った老人たちに囲また生活。「幼い」ベンジャミンは、自らの外見と同じ周囲の人の死と間近に接することで、やがてくる自分の運命も悟ることができたのではないかと思います。その達観したことが、やがて自身の家族との別離する決断に繋がっていったのでしょう。
ベンジャミンが味わう不条理は、結局彼を孤独と絶望に追い込んでいくことになります。普通の人なら老いていくと、やがて死を迎えることになります。しかしそれはいつのことか決まっていないことが、わずかな救いとなっているのですね。けれども、ベンジャミンの場合、80代相当の年齢で生まれて、日々若返っていくなら、あと何年生きられるか、その変化のスピードから、察しがついてしまいます。
自分があと何年生きられるか、予想がついてしまう「無常じゃあない人生」なんて、どれだけ当人にとって、「苦」であったでしょうか。
でも画面から全然ベンジャミンの深刻さは伝わってきません。それは演出において、彼の内面に踏み込んでなく淡々と描いていることも関係しているかもしれません。
また彼が人生の途次で出会う素晴らしい人との一期一会に喜びと充実感を漲らせているところを多く描いているからだとも思えます。
ラストにワンカットずつ再登場する、ベンジャミンに関わり死んでいった人たち。それら人々のショットに監督の深い哀惜の思いを感じずにいられませんでした。無常という言葉の響きは、悲しいものがあります。しかし、こんな素晴らしい出会いももたらすものなら、喜びでもありますよね。
あとデイジーとひさびさに出会う場面が、印象的でした。『少年』時代から、憧れていいて、海の仕事に就いてからも、寄港時に欠かさずハガキを送り続けていたデイジーがいきなり大人の女に化けていた衝撃。しかも淫売のようにいきなり激しく求められたら「若い」ベンジャミンが引いてしまうのも無理からぬもの。
二人の時間のズレというのが、際だったシーンでした。
それにしても、ふたりがやっと同じ時間を刻める40代になって、本格的ラブストーリーが始まるまでが、長~い伏線と言えます。ここまでくるまでになんと1時間半もかかります。その間、こんな事もあんなこともありましたよとエピソードは繋がっていくのです。でも2時間47分は長い。もっと前半は短縮してもよかったのではないでしょうか。
ただ前半のエピソードは、ブラビの老け役のリアルさ見せつけるところだから、仕方がないのかもしれません。
加えてデイジーのバレーを踊るシーンは、きれいでしたね。演じているケイト・ブランシェットは、幼いころバレエを習っていたそうです。だから『エリザベス』でも華麗なダンスを披露できたわけなんですね
最後に皆さん、この物語の本当の主人公は、何だと思います?
小地蔵は、冒頭に登場した駅に付けられた大きな時計だと思うのです。その時計を作った時計職人は、第一次世界大戦で息子を失いました。息子を蘇らせて、元の平和な時代を取り戻したいという思いから時計は、逆回転していきました。
この時計が逆回転を始めた1918年に、ベンジャミンは誕生し、彼が亡くなる年に時計もまたデジタルに付け替えられました。
この時計の生涯をベンジャミンに託して描いた作品なんだと思うのです。
この時計がリタイアして倉庫にしまわれ、台風による浸水で、水没しかけたとき、何故か止まっていた時計は、突如右回りに動き始めます。
そのエンディングシーンにどんな意味を監督は込めたのでしょうか。意味深ですね。
ベンジャミン・バトン
特殊メイクは凄いと思ったけど、話は坦々としていて感動しませんでした。主人公は彼女と別れる必要があったんですか。本当に愛しているのなら、二人でどんな困難でも立ち向かう姿を描いてほしかった。結局最後には、彼女に面倒を見てもらって、自分勝手な男にしか見えんかった。
すべての言葉はさようなら
ある人物の一生を描く作品だけに、やたら人の死がでてくる映画だった。印象的だったのは、自らをアーティストだと称する船長の死。元々の出会いは、ベンジャミンが日雇いでその船に乗り込んだだけで、まさかその人物が自分の死を看取ることになろうとは、夢にも思わなかったに違いない。彼はベンジャミンに様々な体験をさせ、様々なことを話した。それは、最期の瞬間まで。
つまり、そういう映画なんだと感じた。人間が必ず死ぬ生き物である以上、交わす「すべての言葉はさようなら」だ。その長いさようならの中で、人は色々なことを思い、互いに浅かったり深かったりする痕跡を残していく。数奇な人生をたどったベンジャミンを媒介とすることで、それが明確に浮かび上がっていたように思う。そういう意味で、この映画はベンジャミン・バトンが口にし続けていた「さようなら」だ。
個人的には、雷に七回打たれた男性のさようならや、ベンジャミンにピアノを残したさようなら、若い頃に心折られた夢を叶えるさようならなんかが、すごく素敵なものに映った。
数奇な人生に悔いなし。
今年のアカデミー賞で作品賞を含む最多13部門にノミネート
されている本作だが、なるほどそれも頷ける素晴らしい作品だ。
ほとんどが解説されているとおり、80歳で生まれ0歳で死ぬ運命
を背負った男の人生を描いているのだが、こんなあり得ない話を
まったく違和感なく最後まで観られるということにも驚かされる。
観終えて思うのは、何歳でどう生まれようが、人間は歳をとって、
最後には死を迎えるということだ。時計を逆回りさせたところで
月日や老いを止めることなど出来はしない。それを悲しいと思い、
ビクビクして生きるのが人の常かというと実はそうではなくて、
数奇な人生だろうと伸び伸びと生きることができる証明でもある。
ここに描かれるベンジャミンという男の一生は、ささやかながら
皆の愛に育まれ、幸せで充実していたんじゃないかと私は思う。
それは、彼が常に自分で「生きよう」としたからだ。
子供らしく何にでも首を突っ込み、興味を持ち、外に出ては学び、
「ためになった」「楽しかった」とそれを振り返ることの満足感が
彼を成長させ、恋をすることも(若くなってからは)実践することも
出来るようになった。育ての親たちの愛し方も素晴らしかったが、
彼がもともと前向きな男だったと、私は思いたい(爆)
見た目老人の子供が、少女に恋をするのだ。そう言いながらのちに
人妻と不倫もするわけだ。このバイタリティをあの時代に持つ男だ。
スゴイじゃないか、ベンジャミン!
この作品の素晴らしさは、ほぼ全編にわたって「死」を見つめる
まっすぐな眼差しに溢れていることだ。人の死は悲しいことだが、
避けることのできない運命のひとつなのである。若い頃からそれを
見つめてきた男が、自分の人生を深く考え出すきっかけをつかみ、
ラストの選択をするところなど(これをどう思うかは人それぞれだが)
がむしゃらに生きてきました。的な発想では決してできないことだ。
泣いても笑っても人生は一度きり。ならば今が常に決断の時である。
撮影技術と相まって、ブラピの美しさが心底堪能できた!(喜)
どうだろうか、あの10代の頃の映像なんて…リック再び!?そして
リバーランズ~でレッドフォードの再来と騒がれたあの、笑顔!!
もちろんシワくちゃ顔なんて、今のレッドフォード(すいません)
そのものじゃないか。。あぁ。。老いてもブラピ。ハゲてもブラピだ。
(その数奇な美貌でさらに頑張ってください。アンジーによろしく(^^)v)
人は、人生の最後にオムツをする
映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
(デビッド・フィンチャー監督)から。
当然のように、この映画「人生に関するフレーズ」が溢れた。
「最後はみんな同じ。だけど、たどる道が違うだけ」も
この映画をはピッタリの台詞だけど、ちょっと月並みかな。
「変わるのも自由、変わらないのも自由、誇りをもって生きろ」
「見失ったら、自分の力でやり直せばいい」
「人生は複雑とは限らない、求めるものを知っていれば」は、
何年経っても、この作品を思い出せるだろうか、と疑問になった。
迷ったのは「またまた若くなった?」「外見だけさ」。
観た人にしかわからないフレーズなので、断念した。(笑)
そこで選んだのは「人は、人生の最後にオムツをする」。
知ったかぶりで、哲学者のような
「人は、独りで生まれて、独りで死んでいく」を口にするより、
ちょっとニャって感じの人生論を知った気がする。
PS.
「秘密を教えごっこしよう」と誘われ、しわくちゃの顔で
「僕は、子どもなんだよ」と告白したら「だと思った。」と言われ、
とても嬉しそうだった主人公の顔が、印象に残ってます。
生きて死んで
老いて若返る事と若く誕生し、老いていく事と
自分ならどちらが良いだろうと考えさせられた。
劇中、逆に動く時計がゆっくりと針をを進めて行く様に
この作品も静かに物語りを展開していく。
だからこそ、『ベンジャミン・バトン』という人の一生を
ゆっくり感じながら見る事が出来たのだろうと思う。
作中に漂う静粛な雰囲気は、人の一生を描くには良いトーンだったように感じる。
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