「現実を思い出して・・・」252 生存者あり kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
現実を思い出して・・・
まずはTVMの『252 生存者あり episode.ZERO』。阪神淡路大震災の生々しい記憶。今回は東日本大震災が起こったため、TVでも放映を自粛したようだった。消防隊員の一人がバックドラフトにより殉職する。その息子早川勇作(市原隼人)は消防隊員になって1年という異例の速さでレスキュー隊員の試験に合格する。研修はチームワークが肝心、一人でも脱落すると連帯責任によって辞めさせられることになる。早川の班には上越地震で救助されたという経験を持つ西村(阿部力)や、初の女性レスキュー隊員の期待がかかる水城マナ(上原多香子)がいた。火災の訓練で命を粗末にしたとして早川は降りろと言われ、恋人にも悲しい顔をされる。そんな折、地震が発生し、ビル7階の劇場に閉じ込められた少年と早川。仲間たちが訓練生にもかかわらずレスキュー隊としてかけつける・・・といった展開だ。
このエピソードゼロでは主役だった市原、上原、阿部の3人は本映画には出てこない。ここで脇役だったハイパーレスキューの教官たちが主役なんだな。作る意味あったのか?★★
本編
台風が来る前に突然降ってきた雹と高潮。高潮は湾岸に面している首都を容赦なく襲う。これは凄まじいパニック映画。しかし、東日本大震災を経験した後に観ると、見るに耐えないものがあった。都心で起こってたらどうなるんだ?地下鉄でのパニックはまさしく恐怖のシミュレーションだ。崩落も激しく、新橋地下1階は壊滅。難を逃れた篠原(伊藤英明)は聾者の娘しおりを見つけ、娘を助けてくれた韓国人女性と研修医重村(山田孝之)とキム兄いが地下深くの廃駅部分に閉じ込められてしまった。救出に向かうレスキュー隊の隊長は篠原の兄静馬(内野)。しかし、気象庁より大型台風が接近しているため救助活動を中止しろとお達しが・・・
ギャーギャー騒いでいる重村がいい演技。見ててむかつくヤローだったけど、韓国女性を助けたことによっておとなしくなった。人間関係が面白いし、輸血の方法も水槽の酸素交換機という間に合わせのものだった。5人がなんとか助かりたいと願うことで、252の合図が届いた!救出方法は台風の目が頭上にある間、爆破によって穴を開け、ヘリによって救うという作戦。
18分のタイムリミット・・・結局、篠原兄弟と一人の隊員が残された。ああ、伊藤英明は死んだんだなと涙にくれると、しおりちゃんの「パパ~」の叫び声。喋ることが出来るようになった?と、待っていると、結局全員無事。なんだか泣かされちゃった。