劇場公開日 2008年10月25日

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「【今作は、稀代の悪女と言われたアン・ブーリンと妹メアリーと二人と通じたヘンリー8世の関係性とその結末を、別視点から描いた英国歴史絵巻である。豪華俳優陣総出演作でもある。】」ブーリン家の姉妹 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 【今作は、稀代の悪女と言われたアン・ブーリンと妹メアリーと二人と通じたヘンリー8世の関係性とその結末を、別視点から描いた英国歴史絵巻である。豪華俳優陣総出演作でもある。】

2025年9月28日
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ー アン・ブーリンと言えば、エリザベス一世の母であり、稀代の権謀術数に長けた女性だと思っていたが、今作での描かれ方は可なり違う。ー

■16世紀の英国。国王ヘンリー8世(エリック・バナ)は、王妃キャサリン(アナ・トレント)との間に世継ぎが産まれず、焦りを感じていた。
 そこに取り入ろうと、貴族のトーマス・ブーリン(マーク・ライランス)はノーフォーク公爵(デヴィッド・モリッシー)の入れ知恵もあり、次女の心優しいメアリー(スカーレット・ヨハンソン)を商家のウィリアム・ケアリー(ベネディクト・カンバーバッチ)と結婚させ、才気煥発の長女のアン(ナタリー・ポートマン)を王の愛人に仕立てようと画策する。
 だが、ヘンリー8世はアンが流産した事もあり、心優しき次女・メアリーに恋心を抱くのであった。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・時代がそうさせたのであろうが、娘の結婚を自分の家を王家に近づけるために、貴族のトーマス・ブーリンが行う、アンの政略結婚は、今観るとどうかと思うが、アンも最終的には承諾しているので、何とも言えない。

・アンが王妃の座を狙い、一度は心が離れた王の心を掴む宴会のシーンでの機知に富んだ振る舞いや、王妃キャサリンを追放する様と、彼女の人生の結末は、王妃キャサリンの恨みの様にも見えるのである。

・アンと対照的なのは、次女の心優しいメアリーである。彼女とアンは時に王を巡り憎しみ会いながら、冒頭に描かれるように仲が良い姉妹であったのである。
 父や叔父が、家の隆盛を求めなければ・・。

・アンが子を成すために密通したとされる弟ジョージは、気の毒極まりないが、アンも又、それまでの所業と併せ、姦通罪を問われ、有罪を言い渡され、断頭台の露と消えるのである。

■豪華出演俳優陣
 ・ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソンの若手トップ女優二人を筆頭として、エリック・バナ、クリスティン・スコット・トーマス、マーク・ライランス、ベネディクト・カンバーバッチ、オリヴァー・コールマン、エディ・レッドメインと、マア凄い布陣である。キャスティングした方は、若きベネディクト・カンバーバッチ、エディ・レッドメインを起用するなど、目利きであったのだなあ。

<皮肉なのは、アン・ブーリンがヘンリー8世との間に設けたエリザベスが、アンの聡明さを引き継ぎ、英国の黄金時代を築いたエリザベス一世として、世に名を残した事であろう。
 今作は、稀代の悪女と言われたアン・ブーリンと妹と二人と通じたヘンリー8世の関係性とその結末を、別視点から描いた作品であり、豪華俳優総出演作でもある。>

NOBU
talismanさんのコメント
2025年9月28日

いい映画でした!でもカンバーバッチが出ていたのをもう忘れていました・・・。NOBUさんのレビューで、そうだっけ~と情けない自分にがっかりです

talisman