「惜しい・・・あともう少し・・・。」クライマーズ・ハイ モウリさんの映画レビュー(感想・評価)
惜しい・・・あともう少し・・・。
日航機墜落からはや23年・・・ようやくこの題材が映画で出来る日がきたようです。遺族の方には辛いシーンもあるかもしれませんが、墜落現場のシーンは非常にリアルに映像化されており、当時の壮絶さや救助の困難さが映画からよく伝わります。しかし、残念なのは脚本と編集です。幹だけでも十分に骨太の映画になれたのに、枝葉のエピソードを盛り込みすぎて、145分は途中、いくらか間延びしたように感じられます。あと20分は無駄な逸話を削れるでしょう。「なんで、ここで現代に飛ぶんだ?」というような、せっかくの余韻を吹き飛ばすような挿入が目立ち残念です。堤真一も40歳と63歳を演じているわけですが、63歳のシーンは老けたのではなく、ただの病人のような暗いメークにすぎず、この役にかけるならば前頭部を剃るくらいの役作りに徹して欲しかった。また、別の方も指摘していますが、音響も下手糞で、前半の高嶋の役のセリフがまったく何を話しているのか聞き取れません。さらに、最後のエンドロールも字が小さすぎて読めない・・・と、なんだか、悪口ばかりになった気がしますが、修整をかければまだまだいい作品になります。東映よ、今からでも遅くはない、頑張れ!!
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