「花粉症・・・? 見えない脅威」ハプニング bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
花粉症・・・? 見えない脅威
『シックスセンス』や『サイン』といったスリラー・ミステリーの名作を世に送り出したナイト・シャマラン監督の2008年の作品。残念ながら、当時の近所では公開されてないし、知らなかった作品であるが、ナイト・シャマランの名を掲げても、劇場でお金を払って観るには、物足りない内容だった。
なかなか正体がわからなく、謎を抱えたまま、ラストのどんでん返しのサプライズで魅了するシャマラン作品であるが、本作は、早々にその正体も判明。それが植物から発せられる、見えない毒素という事で、「花粉症か…?」と突っ込みを入れたくなった。その毒素によって、脳の自衛神経が破壊されて、自殺が続出するという、奇想天外な設定。そういう点では、シャマランらしいスリラーとも言える。
ある日、蜜蜂が都会から居なくなった。それを機に、大都会を中心に、工事現場のビルから多くの人々が飛び降りたり、警官が拳銃自殺したりして、自殺が次々と波紋のように広がっていく。人々は、都会から離れ、田舎へと大移動を始める。主人公の高校教師エリオットも妻と友人の子供を預かって、疎開を始める。しかし、その脅威は次第に、田舎にまで及び、人々を呑み込んでいくという物語。
しかし、脅威と言っても目に見えない植物からの毒素のわけで、その毒素を風や木々の揺らぎで表そうとしても、正直、怖さと言う点では、あまり感じない。人々が風の中を、只々逃げ惑うシーンばかりで、映像においても、低予算の中でシャマラン監督が、必死に足掻いている様子が伺えるB級作品。ラストも、大したサプライズも無く、予想通りの展開だった。
主役のエリオット役は、『トランスフォーマー』や『テッド』等のヒット作品でも主役を演じたマーク・ウォールバーグ。コメディーやハートフルドラマ、そしてアクション映画まで、何でもこなすオールマイティーな役者だ。また、妻役にはどちらかというとミュージカル俳優として名前を聞くズーイ・デシャネルが演じている。