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松竹の封印されし伝説の大怪獣が蘇る…。
その名は…
ギララ!
…何でギララ?
ゴジラやガメラ、大魔神なら分かるけど…。
ギララ復活じゃあ~!…と、思い至った人はかなりの変人。
ドンピシャ! だって、河崎実だもの。
河崎実とギララ…ある意味、最強のコラボ!
つまりは、真面目に見ちゃいけないおバカ映画である。
G8洞爺湖サミット。日本の“伊部総理”はザ・ニュースペーパーが演じ、集った首脳たちもパロディと風刺たっぷり。
怪獣を倒せば支持率が上がる!…のアメリカ、ロシアの尻拭いのドイツ、浮気癖のフランス、我が日本は開催国でありながらリーダーシップを発揮出来ず。
ミサイル発射ボタンもアメリカに譲り、情けないと言うか、超皮肉と言うか…。
すぐ下痢を起こす伊部総理。モデルの本人は病気から来るもので、『空母いぶき』で某名優が揶揄した時大批判になったが、それを笑いにした本作は当時、問題にならなかったのかなぁ…?
突如、宇宙からやって来た謎の大怪獣!
サミット会場に突然入ってきたこれまた謎の少年により(科学特捜隊基地にふらふら入ってくる星野クンのパロディ…?)、何故か“ギララ”と命名。
大怪獣ギララは大暴れ! 前作映像を流用して。
チクチクネチネチ嫌みばかり言い合ってたサミットは、怪獣退治に力を合わせる!
…のだが、
定番の自衛隊攻撃!
が、全く効果ナシ! 各国が自慢の作戦で挑む。
落とし穴作戦!
毒ガス作戦!
誘導電波作戦!
が、いずれも効果ナシ…。
ギララにとっちゃあ眠り薬だったり笑い薬だったり、呑気に夕陽をバックに踊り出す始末。
強いぞ、ギララ! 凄いぞ、ギララ!
前作より脅威を感じるぞ!
伊部総理に変わって、“大泉総理”が復帰。対ギララに核ミサイルを使用すると、被曝国日本とは思えない爆弾発言!
実は、大泉総理は…
びっくり仰天! もう何でもあり!
東京スポーツの記者・すみれとカメラマン・三平は、洞爺湖近くの集落で奇妙なものを目撃。村人たちがへんちくりんな踊りを。
この地に眠る神様へ捧げる踊り。
その神様ならギララだって倒せる。
最初は半信半疑だったすみれだが、村の少年の純粋さや伝説に触れ、その神様を信じ始める。
村人と共に踊りを捧げる。ネチコマ!ネチコマ!
加藤夏希、女優人生を捨てたかのような衝撃の踊り! やらせた河崎実はある意味、スゲェ…。
加藤夏希と加藤和樹の美男美女の“W加藤”を配しておきながら、全く恋愛色はナシ。前作のつまらない三角関係メロドラマを見てるよりかは全然いい。
怪獣大暴れ、対抗作戦、守護神を目覚めさせる踊りや歌…。
おバカパロディコメディながら、意外と怪獣映画のあるあるを抑えている。
他にも通ネタ、マニアックネタ、オマージュがいっぱい。
自衛隊高官に、夏木陽介、黒部進、古谷徹! 特撮ファンには堪らん顔触れ。
ギララのスーツアクターは破李拳竜。
博士役に前作主人公の和崎俊也が同じ“佐野”の名で出演。
メインタイトルバックは昭和怪獣映画風。音楽も伊福部音楽を意識。
怪獣映画を撮るのが夢だったという河崎実。
お馬鹿C級レベルであっても、ちゃんと愛あるこだわりがあって、本当に前作より面白い。
北の大陰謀によって発射された核ミサイル!
一瞬にしてギララを駆逐…などではない。
ギララの細胞や肉片が世界中に散らばり、それによって再生&無限増殖したギララが世界中を…!
絶体絶命大ピンチ! 世界の終わり…。
そこへ、光が降臨。
すみれや村人たちの祈りが届き、遂に現れた守護神!
その名は…
タケ魔人!
モデルはおそらく大魔神なのだろう。だから言わば、“ギララ対大魔神”! 夢の決戦!
だけど、どうしてもそう見えない。だってネーミングから分かる通り、扮したのはアノ人!
日本芸能界の大御所によくぞこんな役をオファーしたと思うくらいの、超サプライズゲスト出演!
本人もよく出たもんだ。
河崎実のおバカアイデアは何処から来るのか…?
“ギララ対大魔神”ならまだしも、“ギララ対ビートたけし”をやろうなんて…!
ぼやきや毒づきながらギララと闘うビート…じゃなくて、タケ魔人!
ところで、声やポージングは本人だろうけど、実際の格闘は本人がやってるのかなぁ…?
“世界のキタノ”にあんなコスプレさせて、プロレスごっこまでさせたなら、河崎実はマジでスゲェ…!
決着は言わずもがな。
最初は苦戦してたのに、アイスラッガーみたいな必殺武器であっさり退治。最初からそれ使えや!…なんて言うのは野暮。特撮モノの絶対禁句。最後は必殺技でキメてこそ!
神の国、ニッポン!
怪獣&特撮の国、ニッポン!
キング・オブ・おバカ、カワサキ!
※でも映画としてのレベルは低く、特撮や怪獣映画好きならまだしも、おバカ映画と割り切って見ないと損する恐れあります。悪しからず(>_<)