かいじゅうたちのいるところのレビュー・感想・評価
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思ってたかんじと違った。
絵本を映画にするのは難しいとつくづく思いました。
最後までかいじゅうが怖いところが見え隠れしていて、別れのシーンは感動しましたが、思ってたかんじと違ったというのが正直な感想です。
私にとっては試練
最近、結構、意識してスパイク・ジョーンズを観ているわけですが、それは、何も彼が好きなわけではなく、むしろ、なぜ自分は彼を好きになれないのか、それを確かめる試練みたいな感じになっています。世の中的には高評価なようだし、新作『her』も好調みたいだし、何か自分がつかめていないところがあるのではないかと毎回トライするわけですが、今回も残念なことに、あまり良いとは思えなかったですね。
たしかに私、原作のファンでもあり、その原作との違いとかが気にならなかったと言えば、そんなことはないのですが、でも、映画は映画、そこらへんの線引きはしているつもりで、他の作品でも原作との違いはあまり問題にしないでみているつもりです。
それでもやはり、今回の作品を楽しめなかったのは、純粋に映画として面白いか否かということなんだろうと思っています。
終盤のキャロルの変貌の瞬間は、ここからグッと盛り上がるのか、という映画的期待が少しあったのですが、それも尻すぼみのような感じになってしまったように思います。
耳心地の良い音楽と、夕陽の中の景色と、紗がかかった映像、このいわゆる美しさだけで、何とかしようとしているのが、どうも引っかかります。心地よいのかもしれないけれども、心に響きはしない、そんな印象です。怪獣たちとの遊びも楽しそうにしているけれども、こちらは楽しい気持ちにならない、そんな感じです。
『アイム・ヒアー』のところにも書きましたが、やっぱりスパイク・ジョーンズは映画があまり好きではないのではないかという印象は拭えなかったですね。
とりあえず、『her』は劇場でなく、DVD視聴で決定だっ!
さみしいかいじゅうたち。
お母さんがいればよかったのにね。
そうマックスファクターか言葉にする。
親がいないかいじゅうたちは王様という親を求めていたのかな。
マックスは最後、王様ではなくて家族になれたんだろうね。
だから食べずにおわかれした。
かいじゅうたちはきっとマックスがいなくなった後、ケンカしながらも家族のように距離を遠ざけたり縮めたり、生きていくんだろう。
かいじゅうたちのいるところ
家族の愛を葛藤する少年がかいじゅたちのいる島へ行って冒険する話。絵本を映画化したファンタジー物語。その絵本が好きな人はおもしろいとおもいます。
怪獣達のキャラがそれぞれ豊で多彩で いろんな怪獣がおります 素直さが足りない怪獣 大人っぽい怪獣 優しい怪獣など無邪気な子供と無邪気な怪獣 無邪気こそお互いを傷つき 喧嘩も絶えない でもその傷から貴重な経験を得て 確実に成長していく。
あんまり脳を使わずに見れるので子供向けって感じです。いろんな映画を見疲れたら気分転換にちょうどいいかも
素直になれなくて誰かを傷つけてしまう
モーリスセンダックのかいじゅうたちのいるところ、の映画化
ということで、原作が小さい頃から大好きだった私はかなりの、期待で見ました
子供の頃感じたあの気持ちが蘇るような映し方がぐっときました。
雪をなめちゃうところ、かまくらで仰向けで寝た時の冷たい空気。全部が蘇りました
いたずら好きのマックスはいつもひとりぼっち
お姉ちゃんは友達とばっかり遊ぶし
ママだって仕事が忙しくて構ってくれない
ただみんなと一緒にいたいだけなのに大切なものが一つずつ無くなってってしまう気もち。歯が一本一本抜けるように
だからいたずらをして皆に構ってもらおうとする。素直に言えないから誰かを傷つけてしまう。
そんなマックスがママと喧嘩をして、逃げ出した先にはかいじゅうたちのいるところでした。
こちら、ストーリー重視にすると中々無理矢理感があるかな、と思いますが
マックスの精神からつくられた架空の島
そこでかいじゅうたちの王になり皆と楽しく過ごします
孤立することが嫌いなキャロルはマックスそのもの。そのほかのかいじゅうもマックスの心の中にいるかいじゅうたち。
だけどみんなホントの気持ちは「重なって寝るの大好き、ずっとこうしてたい」
でもたまに「素直になれなくて誰かを傷つけてしまう」キャロルが言った言葉そのままマックスの気持ちを表しています。
映像もどこか寂しくて乾いていて
マックスの心理状態がよくわかりますね。
孤独で愛に飢えている
音楽も繊細な音楽が心地よかったですね。
モーリスセンダックもこの映画は素晴らしい、と。
モーリスセンダックがいうのだから素晴らしいに決まってますよね。
マックスが次第に自分を見つめ直していく様子も良く分かりますね
最後のエンディング曲でも言ってますよね
愛こそ全て
誰の心の中にもかいじゅうがいて
それが大人になっても暴れるもんだから、困りますよね。
たまに戻って、向き合ってみる。
あなたのキャロルがきっと待ってる。
素直に、向き合ってみよう。
そんな気持になる素敵な映画でした。
美しいビジュアル◎でも…
センダックの有名な絵本を映画化ということで、楽しみに鑑賞…
少年マックスは母親とケンカして家を飛び出し、気が付くとかいじゅうたちの住む島に辿り着いていた。マックスはかいじゅうたちの王となり、みんなで一緒に住みかを作り始める…。
というような流れで映画は進むけど、物語らしい起承転結などは特になく、かいじゅうたちとマックスのやりとりがとつとつと綴られる。
かいじゅうたちは本当に絵本から飛び出してきたかのように魅力的。ちょっと怖くて、愛らしい。マックス少年も寂しがりで、いたずらっ子で、でも何より母親の愛情を求めてる可愛らしさが出ていてよかった。
かいじゅうたちとマックスが森の中で踊り、泥だんごで遊び、砂漠を歩き、不思議なお城のような住みかを作る…そんなひとつひとつのことがどこか物悲しく、でも素晴らしく美しい映像で表現されていて、印象的だった。
でも物語性が薄いので観ていてどうしても中盤がだれてしまうように感じたのが残念…。
かいじゅうたちのいるところが少年マックスの深層心理のようなもので、求めてやまない母親への愛情や寂しさ、そして自分自身を見つめ直し成長していく…ようなものを感じないでもないけど、それでも映画として観ていてどうしても眠くなってしまった。
子供はいつか大人になる
私は、あのかいじゅうたちはとても好きです。
見た目も、性格も。
KWはすごく可愛い顔。
ちょっと性格の悪いジュディス(ああ、こういう人いるなあと思いました)。
KWのことが気になるキャロルは、暴力的だけど、本当はみんなとうまくやっていきたいと思っている不器用な子供のよう。
そのキャロル自作の箱庭、あれは彼が理想とする「みんなで暮らす、いいことばかりの場所」。
水を入れると、KWとキャロルがのった舟がゆっくりと流れてくる。
キャロルはKWのこと、本当に好きなんだと思いました。
だから、壊れた箱庭を見たときはすごく涙が出ました。
キャロルはどんな気持ちでこれを壊したかと思うと、泣かずにはいられませんでした。
キャロルは他のみんなより少し、中身が子供なんだと思います。だからマックスが家に帰る時、最初は見送りに行かない。でも、心の中ではそれはよくない事だと分かっているから頭を抱えて泣いてしまう。
キャロルに共感して、一緒に泣いてしまいました。
他者とのつき合いって、かいじゅうも人間も同じで、心を持つものが相手である以上、何でも自分の思い通りにはいかない。
自分のことばかり考えて、わがままを通そうとすれば、相手に見放される。
他人を理解してあげて、思いやる心がなければ本当の仲間にはなれない。
マックスは、最初かいじゅう島に来たときは、かいじゅうたちは自分の言うことを聞いてくれて、思い通りになると思っていた。
でもそれは間違いで、たとえ姿はかいじゅうでも、性格はそれぞれ違うし、それぞれの事情も違う。複雑で、中身は人間と変わりない。
それはお母さんやお姉さんも同じ。家族であってもそれぞれの事情があり、常にマックスのことだけを見てはいられない。
生きていくということは、自分の思い通りにならないことばかり。
だから、自分と、周りの人のことも考えてあげなければ。
かいじゅうたちとの暮らしの中で、マックスはそのことを学び、これから大人になっていくんだと思います。
その後のかいじゅう島は、ときどき小さいもめ事がありながらも、きっと、みんな仲良く暮らしている。そう思います。
最後のシーンがいい
途中、少し理解できないところがいくつかあり、疑問点が残りました。
しかし、最後のシーンの表現がとても上手く、冒頭の部分では典型的な子供だった主人公がとても大人っぽく見え、「かいじゅうたちのいるところ」での主人公の進歩がかいま見えて、最初から見てきたかいがあったかなと思いました。
感動!
凄く心温まる作品でした。
かいじゅうたちも人間と全く一緒で色んな問題や悩みを抱えながら生きてるんですね!!主人公のマックスがハマり役でとても良かった。終わり方がもう少しちゃんとしたハッピーエンドになっても良かったのかなぁと思いました。かいじゅうたちもあの後どうなったのか気になってしまった…。
不気味なはずのかいじゅうたちが最後の方では、可愛らしくみえてしまいました。
とても良かったです!!
傑作です。小学生の低学年の子供とみると尚可。
色々な品評がされているのでありきたりのやつは置いといて。素直に童心に戻って楽しめばいいと思う。砦とか基地とか怪獣とか王様とか、誰でも小さい頃に想像したり、遊んだりしていたはずです(男の子はね)その頃の想いがあればこの作品は私と同じ評価だと思います。かいじゅう(Wild Beast)って翻訳微妙ですね。英語圏の子供ならすぐに理解できても日本の子はどうなんでしょう。野生の獣、怪物、化け物、怪獣は怪獣でもミニだし。どうしてもウルトラマンシリーズの怪獣をイメージしてしまうのです。でも随所ににスパイクリーの作風がでていて彼のエネルギーがどれほどつぎこまれているのかよくわかります。私にとって昔を思い出せる大事な作品。
“かいじゅう”たちの質感がたまらない
とにかく“かいじゅう”たちの質感がたまらない。あのフサフサ感…CGじゃなくて着ぐるみってところが最高です。かといってチープでもなく、表情はうまくCGを利用していまふうにリアル。きっといまのCGならあれくらいできてしまうんだろうけど、マックスとのふれあいに温もりは感じられなかっただろうなと思う。
暗い森、太陽の日射し具合など光の演出も非常に印象的で息をのみました。話はちょっと眠たいけれど…。
幼い頃の【はかなさ】【孤独感】【切なさ】
この作品は意外と【小さい世界の話】で好きっすね~
スパイク・ジョ-ンズっぽいインディーズテイストな仕上がりだった
数少ない人間の出演者の中にスパイク・ジョーンズ作品常連の
キャサリン・キーナーとマーク・ラファロが出てる
【かいじゅうたち】の声が ジェームズ・ガンドルフィーニとか
クリス・クーパーとか フォレスト・ウィッテカーとか・・・
みんな現実も【ワル顔】ばっかりで(笑)
原作の絵本も良い感じだったけど 映画は
幼い頃の【はかなさ】とか【孤独感】とか【切なさ】が
子供の立場からしっかり描かれている
スパイク・ジョ-ンズ監督は 子供がいるからか 自分が子供だからか
子供の目線とか気持ちを分かってるなぁ~って思った
なんとなく現代版『ネバーエンディングストーリー』のような
欲を言えばこの作品を主人公の少年くらいの幼少の頃に観てたら
もっと怖くて切なくてハッピーな体験だったかも
絵本が原作とはいえ ちょっとだけビターでほろ苦く
そしてちょっとブラックな世界観
子供が【大人の世界】を垣間見た様な
【現実の社会】の中に紛れ込んでしまった様な
ちょっと背伸びして大人の世界に飛び込んだ様な
そんな感覚
【父親不在】のなんだか寂しい気持ちや
言葉にできない不満なんかがファンタジー世界を呼び寄せた
っていう雰囲気があって ちょっとスピルバーグ作品っぽい
そういう意味でも かいじゅうの【フカフカ感】とか【展開】が
最高に良い意味で【リアル版 トトロ】と断言しよう
家族って難しい
なんら問題を解決するわけでもなく、
放置したまま終わった。
マックスが成長したのかすら、観てるほうには明らかではない。
でも、それでよい。
マックスは、個性豊かな怪獣たちと過ごして、
ちょっと成長してると思う。
最後、寝てしまったお母さんを見つめる目は、温かくて、大人びていた。
けんかして、寄り添って、離れられないのが家族。
もう一緒にいるのは無理って思っても、大切だから、離れられない。
そんなことをマックスは、思ったんじゃないかなー。
スパイクジョーンズ監督!!児童文学絵本の待望の映画化!!
鬼才スパイクジョーンズが監督した、大人なら誰でも小さい頃に読んだ絵本があると思うけど。
その中で絶対に一度は読んだ事のある絵本!!かいじゅうたちのいるところ。
とてもほんわかな気持ちになって、子供も大人も楽しめる映画です。
スパイクジョーンズ監督はこういった映画も好きなんだな~と映画愛も感じる作品になってます。
子供~大人になっても何度でも見れる映画です!!満点です。!!!
違和感が残る仕上がり・・・
絵本の映画化といえば、「ジュマンジ」「ポーラー・エクスプレス」などのオールズバーグの専売特許かと思いきや、センダック。メチャクチャ有名な絵本なので、もちろん知っていた。こんな内容だったかなぁと思って、映画を観てから、見直した。言葉もほとんどない、短い絵本をよく1時間41分の映画に仕立てたと思った。でも、私が違和感を覚えたのは、かいじゅうたちを描きこんだせいかもしれない。かいじゅうたちに名前を与え、かいじゅうたちの葛藤まで描いているせいだ。あくまでマックスが主人公の作品。マックスが狂言回しのように見えてくるのがマイナス点。でも雰囲気は充分映像化できていると思う。わざと着ぐるみにした点や、マックスを演じた子役も評価したい。
冷たい、暖かい
絵本は第一反抗期のちびっ子だけど、映画はもう少し大きい設定で、心の動きも絵本より複雑です。どのかいじゅうもマックスなんたろうな。
カマクラで押し潰された冷たくてびちゃびちゃな感覚と、かいじゅうと重なり合った暖かくて息づいている感覚が気持ちとリンクしていて、印象に残りました。
子供と一緒に行きたい
かいじゅうたちの恐カワイイ感じにキュンとします。
小さい頃心細くて、眠れない夜に
あんな怪獣たちに抱きしめられて
眠りたかったぁ★★
原作と少し内容がオリジナルになっていたので
評価はBです。
遠ざかってゆく、かいじゅうたちの島
1ヶ月以上前に観た映画を今更レビュー……遅筆&面倒くさがりでスイマセン。
思うにこの物語は、世界が思ったほど自分の為に回っていないと気付き始めた子どもが、その世界と折り合いを付ける方法を探す話。
『太陽が死んだらどうしよう』と不安がる主人公マックスを見て、自分がまだ小さかった頃の心配事を思い出した。
隕石が落ちて地球が滅んだらどうしようだとか、ブラックホールに地球が呑み込まれたらどうしようだとか、昔は笑ってしまうほど壮大なレベルの心配をしていたものだ。
思えば小さな頃は、宇宙やらかいじゅうやら得体の知れないものが存在する世界と現実世界の境目は今よりずっと曖昧で、世の中は不思議で怖くて興味深くて、間違いなく今よりも素敵な場所だった。
映画で確か二度だけ、シーンがフェードで切り替わる場面がある。家を飛び出したマックスが、かいじゅうたちのいる世界へと旅立つ場面と、再び家へ戻る場面がそれだ。
現実と幻想の境目を飛び越える瞬間を、『穴に落ちる』とか『光に包まれる』といった大袈裟な演出を用いず、フェードひとつで表現する。まさしく子どもの現実と幻想は隣り合わせ。
構ってもらえない寂しさから癇癪を起こして暴れたり、真剣な場の空気を濁したりするマックスには正直イライラさせられる。だけど、小さな子どもってこんなもの。僕も年の離れた弟の世話にイライラした覚えがあるし、僕自身もそうだったはずだし。
むしろ子どもの心を繊細に切り取ってみせる監督の手腕と、主演のマックス・レコーズのナチュラルな演技に驚かされた。
(例の店長さんは果たして子どもの凶暴で利己的な一面を声だけで演じ切る事が出来たんだろうか?)
ファンタジーな見た目と現実的な言動が同居するかいじゅうたちは、ワガママなマックスをすぐに受け入れてくれるが、少しずつ少しずつ、現実的な問題を提示し始める。かいじゅうたちは、マックスが現実を——『太陽が死ぬ』ことよりもっとずっと身近で深刻な問題に満ちた現実を受け入れるための一種のクッションだったのかもしれない。
幻想の世界はだんだんと子どもから遠ざかっていく。いつかは自分から小舟に乗って、島を出ていかなきゃならない。それは堪らなく寂しいことだけど、マックスの母親が最後に見せる穏やかな寝顔は、現実世界にだって温かくて素敵なものがある事を思い出させてくれる気がするんだ。
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