「昨日の後に今日があり、輝ける未来へと道は続く!」トイ・ストーリー3 Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
昨日の後に今日があり、輝ける未来へと道は続く!
「トイ・ストーリー2」制作公開から10年の時を経て本作は、2010年夏にアメリカで公開された作品だが、良い映画である事は知ってはいるが、子供でもあるまいし、公開時に観るチャンスを逃してしまうとつい後廻しになって観る気がそのうちに失せてしまい、結果見なくなる作品が、この手のシリーズものだ。
確か1995年に制作された「TOYSTORY」が日本で公開されたのは、翌年の春休み公開だった様に思う。この作品は日本でもアメリカ同様ヒットを記録した映画だったと記憶している。
この1話が完成した当時は、完全なるCG長編アニメと言う映画の新しいCG技術で全編を制作した作品がこの「TOYSTORY」が初めてと言う事で、映画の新しい歴史を産み出した瞬間でもあったので、当時は皆この作品に目を見張って観たものだ。その後CG技術がハイスピードで進化した為に、これら全編がCGのアニメがトイ・ストーリー以降大量に生産される事になるのだが、今丁度、3D撮影の映画が軒並み立ち並ぶ中で必ずしも3Dで制作する必要性を感じない作品もあるのと全く同様の現象のCG版の幕開けと言う事にでもなったと考えると解り易いと思うのだ。
そしてシリーズ化される作品の大方は、第1作目は良いが段々とつまらなくなると言うのが定番、或いは2作目がコケテ、少し持ち直すのが3作目と言う程度で、余り気乗りしないでいたのが本作の「トイシリーズ3」と言うわけだ。
しかし、遅ればせながら観て驚き、やっぱり面白い展開で、安心出来る良い作品である事には間違いないのだが、果たして子供は何処まで楽しめるのだろうか?と言う疑問が生れる???
昨年話題の「ランゴ」が公開され、アカデミー賞を受賞したものの、この話も奥深くて、子供が何処までこの話を理解出来るのかと言うと、心配が残る作品でもあった。
そう言えば「ランゴ」はそのCG技術を更に進化させた作品として此処まで、トイ・ストーリーから始まるこの17,8年でCG映画の進化の旅は続いて来ているのだ。
映像技術の進化を得た事で、今迄には無い新しい表現が出来る様に成った事で、更に斬新な発想で、想像出来なかった話も容易に作品化する事が可能となって、ここ数年来の映画は多様に進化し、変幻自在の表現が出来る様になり、更にヒートアップしているのは、映画フリークとして、喜ばしい事だ。映画の世界は更に日々進化する。
すると、「トイ・ストーリー3」で、アンディーがかつては喜んで遊んだおもちゃを必要としなくなり、ウッディー以外の、バズ、レックス、豚の貯金箱もポテトも皆を屋根裏へと押し込んでしまうのと同様に、私達は、昔の映画作品を亡き物にしてしまう様になるのだろうか?
過去に作られた作品は劣化し、忘れられてしまうのだろうか?それは自由資本経済の宿命として生産を継続し続けなければ成らない世界では、常に生産された物は、消費、消耗する過去の遺物と化して遠い過去の残骸へと成らざるを得ないのか?そんな事は決して無い事を信じたい!「アーティスト」でサイレントの素晴らしさを見直す目を持った様に、私達も今迄の通って来た道程を大切に護り保護し、その上で新たな創造、想像を果たしていける様になれると良いだろうなと、この「トイ・ストーリー3」を観ながら映画界の未来へと私の心は勝手に空想の旅へと向かって行ったのだ。アンディーの新しい大学での生活が夢と未来を拓く素晴らしい新たなる1歩であるように、今後の映画界も、どんどん豊かな輝ける未来を創造出来たらと願うのだ!思わぬ方向へと話が勝手に展開したが、この先品を観ながら私の映画に対する期待も更に、広がったのだ!
総ての創造された物にも、愛と心が宿る事を私達は忘れては成らないのだ!そっとそんな心を思い起こさせてくれる作品だった。