「大切にされる幸せ。」トイ・ストーリー3 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
大切にされる幸せ。
第1作からすでに15年経ったんだそうだ。(早!)
ということは、当時赤ちゃんだった子供も15歳。
ちょうど今作で描かれる内容とダブりそうな^^;
そんな気配が感じ取れるだけでも感無量な作品。
オモチャが子供に可愛がられ遊ばれて月日が経ち、
いよいよ彼らが岐路に立たされる、というのが冒頭。
そうだよねぇ、オモチャにしてみれば捨てられるか、
しまわれるか、あとはよそへあげられるか、なのだ。
あんなに可愛がられたオモチャとはいえ、其々に
対象年齢というのがある。もちろん生涯大切にされ、
やがてはその子孫にもまた…(これが本望だろうな)
自分を大切にしてくれた持ち主を忘れない、という
基本的なオモチャ精神が活きているのに泣けてくる。
主人公だったアンディもいよいよ大学生に。
カウボーイ人形のウッディだけを連れて大学に行き、
残りのメンバーは屋根裏にしまわれるはずだったが、
手違いと勘違いで保育園へと寄付された彼らを待って
いたのは、前述の対象年齢(低↓)の子供たち。恐怖!
クタクタになった彼らに追い打ちをかけるのが、そこを
牛耳っている熊のぬいぐるみ。持ち主に捨てられたと
思い込む彼は、保育園で彼らに酷労を強いる独裁者
となっていた。アンディの元へ帰るために脱出した
ウッディは、仲間たちを救いに保育園に戻るのだが…。
物語の面白さに加えてリズムもテンポもダレることなく、
彼らの作戦遂行のあとで待ち受けるのが意外な結末!?
よくぞそこへ持っていった!と(爆)褒めちぎりたい思いを
抱えつつ、やはりここでは本当にオモチャ好きでないと
描けない世界観を深く表現できたことに感心させられる。
もしも自分がオモチャの立場だったら?を地でいくような
繊細なタッチだ。私たちもここでふと、昔自分が大切に
していたオモチャに想いを馳せてしまう。あのオモチャ、
どうしたっけ…しまったっけ…捨てちゃったんだっけ…?
今手元にないことを凄く悔いてしまうような瞬間である。
ペットなりオモチャなり(同列にするわけじゃないけど^^;)
人間に可愛がられて、大切にされて、ナンボの存在だ。
彼らの想いを裏切っちゃあならないのだ!(汗)と同時に、
もし自分になにかがあって面倒がみられなくなったら…
を真摯に考えておくべきだということにも気付かされる。
アンディの選択に涙してしまうのはつまり、自分の心に
まだまだ少年なり少女なりが息衝いている証拠なのだ。
私はアンディがウッディをグッと握りしめて自分の方に
引き寄せた仕草がすごく好きだ。
渡したくない!子供相手に大人気ない^^;と思える仕草
こそ、ウッディが彼を慕った最大の理由だったのだから。
(さて我が家のガンダムたちはいつまでいるんだろう^^;)