「ミイラとなった兵馬俑」ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
ミイラとなった兵馬俑
ブレンダン・ブレイザー主演の人気のアクション・アドベンチャーとしてシリーズ化された『ハムナプトラ』の3作目。『ハムナプトラ』と言えば、エジプトのピラミッドや古代遺跡を舞台に、嘗ての皇帝が、恨みや野望を果たすために、現世に蘇ってミイラ軍団を率いて大暴れするというもの。
しかし、今回の舞台は紀元前の中国。万里の長城の建設時の中国の悪の皇帝が甦る物語。その皇帝が率いるミイラ軍団が、あの兵馬俑と言うのだから、何でもありのシチュエーション。確かに、VFXやCGを駆使した映像のスケールやクオリティーは、かなり高くなっている。しかし、中国が舞台と言うのは、古代エジプト遺跡が醸し出す、独特なミステリアスな雰囲気が伝わらず、シリーズ1と2と比べて、アドベンチャーとしての面白さがあまり伝わらなかった。
またもう一つの原因として、悪役の皇帝をジェット・リーが演じているからなのだろう。彼の役回りのイメージは、その顔立ちからしても、やはり善。そのジェット・リーが、極悪非道な皇帝ぶりの振舞で、ドラゴンや狼男のバケモノに変身して、リックやエヴリンに刃を向くというのは、ピンとこない役所だ。これもハリウッド映画が、中国マネーに流れ始めた当初の作品と言えるのだろう。
物語としては、リックとエヴリンの息子のアレックスが、世紀の大発見となるこの皇帝の遺跡を発見する事から始まる。リック達は、ある使命で中国に渡りアレックスと再会する。その中で、この皇帝を崇拝し、現世に蘇らせて世界征服を企む闇の組織が、この遺跡を奪い取ろうとする野望に巻き込まれていく。そして、とうとう皇帝が甦り、兵馬俑軍団を率いて、リック達と激しい戦闘が繰り広げられていく。
キャストは、シリーズ1と2に続き、ブレンダン・ブレイザーが主役のリックを演じ、その妻エヴリンには、マリア・ペロ、リックの兄ジョナサンには、ジョン・ハナー。そして、悪役皇帝にはジェット・リー、皇帝の復活を阻む使命を受けた女性に『エブエブ』でアカデミー賞を受賞したミッシェル・ヨーが務め、脇を固めている。