「元祖3D作品として、飛び出す映像シーン満載の」センター・オブ・ジ・アース 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
元祖3D作品として、飛び出す映像シーン満載の
まだ字幕がついていない段階の試写を見ました。英語が分からないまでも、何とか楽しめました。
デジタル3Dとあって、専用のめがねをつけます。これをつけないと画面が薄い青や赤のゴーストかかった感じに見えました。
そしてめがねを着けてみると・・・。おおっ!タイトル文字が背景の画面よりも浮き上がって、ホントに立体的に見えます。
映像は、なめらかで長時間めがねをかけていても疲れませんでした。
3Dの遠近感で印象的だったのは、妖精みたいな小鳥が飛び回るところやタンポポの花粉が舞い上がるシーンで効果的でした。地底世界の奥行き感も、2D作品より広く感じらりれました。人喰い魚が大きな口を開けて、飛びかかってくるところでは、思わずのけぞりましたね(^^ゞ
3Dもさることながら、地底世界の描写が素晴らしく美しい世界として描かれています。地底だから真っ暗でなく、マグマの燃える炎で一面オレンジ色に照らされいていました。初めてトレバーたちが、広大な地底世界の平原を見下ろしたときの眺めは、地上とは違った色彩感覚ながら、雄大で感動しました。
地底世界をデザインした美術スタッフのイマジネーションの豊かさには脱帽です。
ストーリー面としては、いかにデジタル3Dとして観客が期待するような映像を用意するか考え抜かれています。
アドベンチャーにはお約束の鉱山列車シーン。まさにディズニーでアトラクションのライドに乗っているかのようなアップダウンの激しいスリルあるシーンの連続でした。
ショーンが浮遊する石に飛び移っていくところもハラハラさせられました。石がくるりと360度回転して、ショーンが必死に石にしがみつくところは、3Dならでは迫力でしょうね。
ただラストの脱出のところは、ちょっとチープでしたね。苦労してたどり着いた割にはあっと言う幕切れ。時間配分で仕方なかったのでしょうか。
ドラマのところでも、あまり感動するところはなかったです。父親が行方不明になったショーンがこの冒険で手がかりをつかむのですが、進展なし。危機を乗り越えたときショーンとトレバーが抱き合って、心を通わせるところぐらいでショーンの悲しみがいえたわけではなさそうでした。トレバーとハンナの関係もあまり進展せず。純粋にアドベチャーとして見るべき作品なのかもしれません。
演技面では、ショーンを演じた天才子役ジョシュ・ハッチヤーソンがまたまたいい演技しています。父親が行方不明で心を閉ざしていた少年が冒険を通じて、快活かつたくましく成長する様を好演しています。「テラビシア」で彼を気に入った人なら、見に行く価値はあるでしょう。
本作は、主人公たちと驚くべき冒険旅行をともに体験し、手に汗握る興奮と達成感をいっぱいに感じることができる本格アトラクション映画というべきものでしょう。映画性は弱いけれど、映像的に一見の価値はありますよ。