「一切の迷いを捨て、突き進め。」アイアンマン リサリサさんの映画レビュー(感想・評価)
一切の迷いを捨て、突き進め。
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自らが作った兵器によって殺されそうになったこと、そして、自らが作った兵器によって自国の仲間たちが殺されてゆく現実を見ることによって、「そうだ。悪い兵器は破壊してしまおう」と決意します。
とても動機はシンプルです。ですが、わたしにとって、このシンプルな動機こそが、現代に突きつけられた強烈なアンチテーゼに思えてなりませんでした。
単純な、そして純粋な思いこそが、この世界を変えることのできる真理なはず。現代の、さまざまな"しがらみ”に翻弄され、成すべきことも、成せない──そんな世界を。悪がはびこる世界を。トニー・スタークは、"アイアンマン”となって爽快に破壊するのです。
遠い遠い場所から、幼い子供の悲痛な叫びが聞こえてくる。テロリストの笑い声が聞こえてくる。そこは、戦時下の中東。ここは、アメリカだ。とても遠い場所……。
遠い……? だから、なんだというのだ? トニー・スタークの目の色が変わる。
彼の体に、最先端のマシンが装着されてゆく。そして、深紅と黄金の最強のパワードスーツが、暗闇の空に飛び立つ。空をも切り裂く、マッハの速度で!
彼には、複雑な思いなどない。翻弄される要素もない。目的はただひとつ。世界のどこかの誰かの命を救うことだ。トニー・スタークは、それが最高にカッコイイことなのだと、信じる。
一切の迷いを捨て、突き進め。
そうだ、世界を救うヤツはカッコイイ。
だから、アイアンマンは、カッコイイ。
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