「ここから全てが始まった、MCUの完璧な序章」アイアンマン リリさんの映画レビュー(感想・評価)
ここから全てが始まった、MCUの完璧な序章
単なるマッチョな超人ではなく、自ら開発したパワードスーツで戦うというスタイルは、日本人には非常に馴染み深く、すんなりと受け入れられる。
傲慢で自己中心的な天才、トニー・スタークという男のキャラクターを表現するために、全編に渡ってユーモアが散りばめられているのが非常に見やすい。
特に、テロリストの拠点で有り合わせの材料から作り上げる「マーク1」の、あの無骨でダサいデザインが最高に格好良い。
そして、帰還後に試行錯誤を繰り返す飛行実験のシーンと、そのオチは純粋に笑ってしまった。
敵が弱いという意見もあるかもしれないが、これはヒーロー誕生の物語であり、壮大なシリーズの第一作目だ。
ここで強すぎる敵を相手に苦悩するよりも、自ら作り上げたスーツの性能を存分に発揮し、困難を乗り越える姿を見せる方が、ヒーローとしての爽快感とカタルシスをしっかりと感じられる。
キャラクター、メカニック、ユーモア、そしてヒーロー映画の新たな可能性。ラストで正体を自ら明かす「私がアイアンマンだ」というセリフも素晴らしく、エンドクレジット後でアベンジャーズへと繋げる流れも完璧。これから始まる伝説の序章として、これ以上ないほどの完成度を誇る一作です。
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