「世界観が全く描けていないので、途中で帰りたくなるほど退屈な作品でした。90分の長さが2時間に感じたほどです。」ラスト・ブラッド 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
世界観が全く描けていないので、途中で帰りたくなるほど退屈な作品でした。90分の長さが2時間に感じたほどです。
世界観が全く描けていないので、途中で帰りたくなるほど退屈な作品でした。90分の長さが2時間に感じたほどです。
セーラー服をきた女の子がいかにチャンバラするかが先に決まって、後からとってつけたようにストーリーが決まっていったような感じなのです。
まずオニ族という存在。応仁の乱の戦乱で流された血と怨嗟の心がオニを生んだことになっています。当時の村人が語るには、オニは神が作ったのだというのです。それ故に神様とて不完全な存在なのだと。オニに関する説明は、これだけ。そして、オニの起源に当たるオニゲンについては、説明らしいものすらありません。
それで画面に登場する現代のオニたちは、ゾンビみたいな存在でした。室町時代に、そしてそのオニたちを退治していたのが主人公サヤの父親だったのです。けれどもその父親はどこかでオニとメイクラブしてしまい、人間とオニ族のハーフとしてサヤは生まれてきたようです。
父親をオニゲンに殺されて以来、サヤは室町自体からずっと、復讐の機会をうかがってきたようなのです。すでに室町時代に家来の加藤から剣術を習い、充分にオニゲンを倒す力を磨いてきたはずですが、ストーリーの都合に合わせて、現代まで復讐する機会をとっておいたようなのですね(^^ゞ
だから歳格好も、室町時代に時代には小娘から成長していたのに、ある年齢でぴたりと止まって、600年間ずっと女子高生の年齢でいたようなのです。
さらにサヤは自分の母親の存在をわかっていたはず。それが誰かとわかったとき、何で戦う必要があるのか、サヤも食事は生き血をすすうオニ族のハーフなのだから、戦う理由自体が疑問ですよね。
そして、サヤをサポートする謎の組織もいったい何なのか不明でした。
本作の売りのシーンであるバトルシーンも、CGを使いすぎています。明らかにそれとわかるアクションに加えて、サヤのスーパーマン並の人間離れした能力にも幻滅しました。強すぎて、何でもありのアクションシーンなのです。あれならヤングスーパーマンでもサヤに負けてしまうでしょう。
オニゲンとの最後の対決にも意味を感じませんでしたね。ラストバトルでのオニゲンの妖しい様式美を描きたかったのでしょう。小雪の美しさは際だってはおりました。ただ、それに勝ったらどうなのよと思うまもなくエンディングでした(^^ゞ
倉田保昭のカトウ役はひとり気を吐いて、刺客との戦いで見せ場を作っておりましたが、全体の筋からは浮いてしまっていて、そこだけ見てもねというのが正直なところ。
チョン・ジヒョンし何でこんな作品に出てしまったのでしょう。全然彼女の持ち味が出ていません。その分完璧にサヤ役に変身できている点では、すごい役者であるとは思いました。でも設定の六百数十歳には見えなかったですね。