「海坂藩の少年隊。」山桜 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
海坂藩の少年隊。
藤沢周平の同名短編小説を映画化した本作。
彼の時代小説が好きなので、もちろんこれも観るつもりで^^;
いやしかし~。
予想はしていましたが、それ以上に地味な作品でした。
確かに原作がそう(セリフもほとんど同じ)なんですけどね…。
ヒロイン野江に、時代劇初挑戦となる田中麗奈を起用。
彼女がどれくらい幸薄い武士の妻役を健気に演じられるか、
…だったんですけれど、まずまずだったと思います。
初挑戦らしく初々しい感じ?かな。儚さはあまり無く^^;
それでもって、相手役の手塚弥一郎に東山紀之なんですが、
これがねぇ~カッコ良すぎるんだな。さすがジャニーズ!
っていうか、少年隊!?殺陣も見事に決まっているので、
まぁ申し分はないのですが^^;海坂藩の平侍には見えない~。
第一、当時とはいえ、あのカッコ良さ(贔屓目に見ても)で
ご縁がない。ってのは、おかしな話じゃございませんか!!
まぁ、いいんですが・・・。
題名にもあるように、山桜が綺麗です。
一本だけ、凛と咲き誇る山桜。枝を折って持ち帰ろうと、
野江が手を延ばした先に、手塚が折ってくれたのが出逢い。
もともとは、縁談があり(手塚はずっと野江が好きだった)
…ともすれば結ばれていた二人だったのに、
野江の母親が彼の家庭(母ひとり子ひとり)に気後れし、
二人を逢わせることなく縁談を断ってしまったという。。
彼ら二人を取り囲む、家族(特にそれぞれの母親)が好演、
幸せになるためには、こんな回り道も必要なのかも。。と
誰もが味わう苦しみですら、考え方一つでこんな風に
前向きに生きられるんだよ、という教科書のような作品です。
辛い、苦しい、と嘆く前に、今の自分に何が出来るのかを、
他人のために一つでいいから、なにか報いてみる必要性を、
ただただ静かに語っているだけの、そういう作品でした。
でもラストは、やたら涙が溢れました。やっぱ富司純子だ(T_T)
(村井国夫は適役ですね。篠田三郎は最初分からなかった^^;)