「看守の妻が‥」マンデラの名もなき看守 みっくさんの映画レビュー(感想・評価)
看守の妻が‥
看守の妻は、当初は黒人を「テロリスト」「白人を追い出そうとしている」と、心底嫌い、いや憎んでいる。
実際、この妻がそうした感情を持っていたワケでなく、映画として、当時の市民感情を「代弁」させたのだろう。
そうした彼女がマンデラの話を聞くうちに、だんだんと黒人よりになっていく姿が描かれていく。
最近ニュースで「ブラック・ライズ・マター」(黒人の生命も大事だ)について聞くことが多い。
米国事情は詳しくないが、本作が描いているのも、実は南アフリカではなく、米国だと思えてきた。
米国の白人(白人至上主義者ほど極端でなくても、黒人に多少なりとも差別感情のあるヒト)は、この作品の看守の妻のような感情を持っているのでは。
「白人を追い出そうとしてる」と。
だからこそ、人種差別感情を隠そうともせず、むしろ煽るトランプ氏が支持されるのだろう。
「白人の国を取り戻してくれるのは、トランプだけだ!」と。
この作品は10年以上前だが、米大統領選挙前の差別問題を見るにつけ、作品の描いた「差別」は普遍的なモノだと思う。
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