ICHIのレビュー・感想・評価
全46件中、21~40件目を表示
圧倒的な強さがない・・・
北野たけし監督の「座頭市」をみて勝手に期待しすぎた感があるので、
ちょっと期待はずれでした。
とりあえず、「市」はすごく強い!!
と思っていたのでバッタバッタと圧倒的に勝つのかと思いきや、
案外弱かったりもして、爽快感がありませんでした。
また、市の人物設定も複雑な過去があり、訳ありの旅をしているという
とにかく弱々しさがにじみでていて、痛快アクションより人情映画の部分が大きいです。
どうしても泣ける映画にしたかったのでしょうか。
それに「市」よりも「とうま」の方が主人公っぽい感じで、
座頭市として見るとどうかと思います。
どうしても北野監督の作品と比べてしまいますが、
それがなければ人情時代劇として十分楽しめる作品だと思います。
個人的には綾瀬はるかさんのファンなので物語以外の部分で楽しかったです。
松山容子の「お市」シリーズを思い出す
綾瀬はるかの動きがいい。世を捨て自身の殻に閉じこもった鬱憤を晴らすように抜き放たれる仕込み刀の切れ味がシャープだ。
反面、刀を抜くことができないほどのトラウマに苦しむ侍・十馬を大沢たかおが、ひょうきんに演じてみせる。このふたりの対比がいい。十馬には、最後にきっちり見せ場が用意されている。
悪党の中村獅童と竹内力は常套だが、宿場町を治める親分の息子・窪塚洋介がいい。親父には頭があがらないが、いつか越えてやろうという若者の少しばかりの狂気を伴った野望と活力が滲み出ている。
スローモーションを多用していないのが好感。使い過ぎは下品だ。殺陣で市が踏み込んだ足元をアップにしたカメラがいい。効果的だ。音響も効いている。全篇を通して画面にムダな遊びがない。
シリーズ化を狙っていたのだろうか。ストーリーの主軸に十馬を据えて、市に半歩退かせた演出だ。今作限りとしても、この演出で作品に落ち着きが出た。
エンタメ系の時代劇としては、最近のものではいちばんのデキ。
松山容子の「お市」シリーズ(69〜70)を思い出す。
平成三大女剣士
稚拙自ブログより抜粋で。
--
鑑賞前は「愛が見えたら、きっと泣く」とのキャッチ・コピーにヌルい恋愛映画になってたらやだなぁと危惧していたんだが、なかなかどうして色恋成分は最小限に抑えられた至極まっとうなチャンバラ娯楽時代劇として楽しめた。
(中略)
最初に断っておくと、2003年の北野武版『座頭市』は観てますけど、世代的に間に合っていない勝新太郎の元祖座頭市シリーズはまったく観たことがありませんので、勝新版との比較はできません。
そんなわけで“座頭市”にはそれほど思い入れはないんだが、“女剣士もの”は結構好きなジャンルで、そういう意味で期待に応えてくれたのがまずはともあれ嬉しい。綾瀬はるか演じる女座頭市がなかなかかっこいいのだ。
近年の女剣士といえば上戸彩の『あずみ』シリーズ(1:2003年 北村龍平監督、2:2005年金子修介監督)が有名だろうが、これまで自分の中ではその上戸彩のあずみを含め、『さくや 妖怪伝』(200年原口智生監督)で安藤希が演じた咲夜、『修羅雪姫』(2001年佐藤信介監督)で釈由美子が演じた雪の三人を“平成三大女剣士”と呼んでいたんだけど、この綾瀬はるかの市が上戸あずみに取って代わったな。あずみは金子監督の2の印象が悪すぎた。
北野武版『座頭市』は北野監督らしいバイオレンス風味をまぶしつつもいたって正攻法な娯楽チャンバラに徹していた印象だったけれども、本作も女座頭市という新機軸こそあれど、王道をゆく娯楽チャンバラである点は踏みはずしていなくてすこぶる好印象。いつの時代にも通じる座頭市の魅力、強いてはチャンバラ時代劇の魅力がここでも健在ということか。
綾瀬はるかといえば『僕の彼女はサイボーグ』(2008年 クァク・ジェヨン監督)でのとぼけた可愛らしさが記憶に新しいのだが、本作ではそれとはまた違う可憐な力強さで魅了してくれる。
正直この二作を観るまではとりたてて興味の湧かない女優さんだったんだけど、今年のこの二本で見方が変わった。ファンには今さらかと言われそうだが、いい味持ってるわ。
ただ、殺陣シーンはそこそこ様になっているんだが、三味線の演奏は練習が足りないらしく、ほとんど顔のアップでごまかしているのが気になった。そういうシーンでもきっちり魅せてこそ殺陣シーンが際だつってものだから、手抜かり無くやって欲しい。
一方、二枚目を演じることの多い大沢たかおの茶目っ気は楽しいし、歌舞伎役者でもある中村獅童の悪役ぶりもまさに貫禄の芝居。大沢たかおの刀を抜けない芝居や中村獅童演じる万鬼の高笑いなど、いい意味でデフォルメされた芝居臭さがここでは心地いい。
万鬼の魔の手から宿場町を守ろうとするヤクザの息子・虎次を演じた窪塚洋介も、ヘタウマなのか計算された芝居なのかわからない魅力があって可笑しい。前半はひ弱なダメ息子っぽさが強調されるんだけど、クライマックスでは妙に頼もしい兄貴っぷりに惚れ惚れとする。
そう、これはリアリティより芝居小屋で観る演劇のような見せ物に徹したエンターテイメント映画なんだ。
説明的な市の独白やチャンバラシーンで多用されたスローモーション、市が十馬を想うシーンでのわかりやすいフラッシュバックなどに演出過剰を感じることもありはしたが、最初に危惧した「愛が見えたら、きっと泣く」そのままのクライマックスに嫌味は感じられず、素直に感動させてもらった。
綾瀬はるかの演じる市の今後の活躍も見たいと思わせるに充分な快作。ぜひ続編を作って欲しい。
期待してなかったけどはずれ。
なんじゃ~これ?
もったいない
勿体無い感じがしました。役者たちは凄く役にハマッていたんですよ。綾瀬はるかの座頭市も、大沢たかおの侍も、中村獅童の野党も、窪塚洋介なんて久々にハッチャけた窪塚みること出来たし。
でもね、肝心の物語の主題がぶれていると思った。
この話って『綾瀬はるかの座頭市物語』というよりは『大沢たかおの侍物語』だとボクは観てて思ったんです。市と侍が出会うことでお互い影響し合って変わっていくんだけど、侍の方の心理描写の方が作りこまれているし、こっちを主題に持ってきた方が絶対しっくりくると思う。
タイトルはインパクトあるから『ICHI』のままにしといてさ、話はもう完全に侍の話にしちゃうんですよ。『ドラえもん』が、「ドラえもん」が未来から来ることによって変わっていく「のび太」の成長物語だとしても、タイトルを『のび太』にしないことと同じにさ。
侍の心理描写を描ききって終わりにすりゃ良かったのに、どうしても主役の市で締めたくてまた上乗せしてブレちゃった感じになっていた。
なんとも勿体無いと感じてしまうのでありますよ。
リズムなんかないよ、スローモーションだからさ。
これを勝新の「座頭市」と比べるつもりもないですけど^^;
「あずみ」で上戸彩が演じたような、そんなヒロイン版の
ICHIでした。綾瀬はるかは、たどたどしくも凛としていて、
なかなかの女っぷりを魅せてくれますが、なんといっても…
時代劇にスローモーション…っていうのが合わなくてダメx
バッサバッサと人を斬り捨てていくリズム感が、まるで
映像から伝わってこないのです。すごく勿体ない気がする。
立ち回りの面白さを観たいものにとっては、かなり残酷。
まったく違う現代版、主人公を離れ瞽女として描くことで
ストーリーに奥行きを出し、人を斬れない浪人との交流を、
恋愛模様に見立てて成長、ラストは盗賊たちとの一騎打ち。。
話としてはとても面白いけれど、悪党たちの顔ぶれを見ても
どうもコメディ…?と思えてしまって仕方なく。。
竹内力!中村獅童!日本を代表する目つきの悪さですけれど
悪役ってなると、もうこの人たちしかいないのかしら…^^;
期待していた窪塚洋介。。演技派ならではの上手さはあれど、
あのがなり立て方では現代風。チーマーじゃないんだから。
当時のやくざには、もっと品位があったと思うんですが…^^;
と、まぁキリがないことを並べるのはやめにして。
音楽は良かったですねぇ。風景の撮り方もワイドというか、、
アメリカのWBが製作しただけあって、かなりそれっぽいです。
小さな町をデッカク描く!ことに長けている画作りの威力が、
日本の時代劇を改めて魅せてくれる方に繋がるといいですね♪
(最近のヒーローやヒロインは、常に生傷が絶えないな(T_T))
監督さんはよっぽど綾瀬はるかが好きなんですね
誰だって温もりがなきゃ、凍えて死んでしまうのに
映画「ICHI」(曽利文彦監督)から。
映画の冒頭で、主人公・市(いち)が言い放つ
「なに斬るかわかんないよ、見えないんだからさ」のフレーズは、
勿論インパクトあるのだが、それでは芸がない。(笑)
私が選んだのは、ある場面、先輩の瞽女が口にした台詞。
「別に色恋で男が欲しいわけじゃない」と男に抱かれる前に呟く。
なんだ、言い訳か・・と思いきや、それに続けてしんみりと語る。
「誰だって温もりがなきゃ、凍えて死んでしまうのに」
ちょっとグッときてしまった。
目が見えないというハンデを理由にしたわけではない。
いつの時代だって、どこの国に住んでいたって、
人間なんだから、ぬくもりが欲しい。
異性のあったかい人肌、というリアルなものではなく、
心の温もりでも同じ気がするこの感覚は、大切にしたいと思う。
PS.
主演の綾瀬はるかさん、好きな女優なんだけど、
眉の手入れ、口紅だけはつけていて、ちょっと不自然だったかな(笑)
綾瀬はるかは素敵なんだけどね・・・。
はるかちゃんは素敵なんだけどね~。
でも元からはるか好きの私の意見なのでこの映画を観てはるかが好きになるかどうかっていうとよくわかんないのです。
というのも、女座頭市をやっている!という言葉でいうほどのインパクトを映画の中で感じられるかって~とどうなのかしら?と思っちゃう。
殺陣とかはかっこよくうまくやってはいるんだけど、それってその時だけの印象で全体通して「市」という女性の感情の移り変わりの波というものが伝わってこないんだよね・・・。
彼女は“静”のキャラクターだけどクライマックスで今まで静だった彼女に強い“動”の感情が表れる、そこをもっと激しく描いたのなら「市」という女性をもっと強く印象に残せたと思うんだけどね。
そしてそれ以前にというか、ストーリーが全然面白くなかった。
目新しいのは綾瀬はるかが座頭市ってだけ後の主要三人、大沢たかお、中村獅童、窪塚洋介はなんかいつもと同じような役。
そして話の展開もまたそれか!という流れ。
正直そんな結末よりも今まで一人で人を寄せつけず生きてきた市が誰かとともに歩くことを決めると決意するまで過程を描いた方がずっと深みが出るし、面白くできたし、感動したと思う。
終わりもすっきりするしね。
時代活劇としてはいいけど座頭市を強調するなら大沢たかおのキャラクターをおさえた方がよかった
勝新太郎、ビートたけしが演じた座頭市をまさか綾瀬はるかがやるってことにまず驚きなんだけどこれはリメイクではなく座頭市をベースにはしているものの全く別ものとして描いている☆
性別を女性にすることでバッシングからも逃げられるってこともあったのかもしれないけど勝新の座頭市らしきキャラクターもチラリと登場するなど憎い演出もあってなかなか楽しめる時代活劇に仕上がっている(>_<)
綾瀬はるか主演だから余分なシーンがたくさんあるのかと思ったけど直球の時代活劇で単純に楽しむことができて映画としてそこそこ満足のいく出来になっている(>_<)
ただ綾瀬はるかファンにとっては今回かつてないほど彼女がボコボコにされるから辛いシーンはあるかもしれない(>_<)ただこの人はちゃんと女優魂を持ってる女優だということを確信させられたね☆
さすがに綺麗な顔を見せるため勝新みたく目をつぶってしいないから盲人という点ではリアリティにかける感じもするけどこの映画に関しては仕方ないしそう感じたの は勝新の演技が上手すぎたからかもしれない(>_<)
この映画を観る前にいくつか勝新の「座頭市」シリーズを観たんだけどさすがに今が旬の女優があそこまでやるっていうのは無理だろうね(@_@)
この作品実は影の主人公というか下手したらこっちのほうがメインにも思えるくらい大沢たかおが活躍していてこのキャラクターのストーリーを孤立させても十分に成立するから2つの映画が合体したような感じがするしラストもおいしい所をかっさらっていく(@_@)
個人的にはこれはこれで楽しめたけど座頭市というものを強調したいのであれば大沢たかおのキャラクター性は少し控えめにしたほうがよかったとは思うよ(>_<)
うん~
なぜ綾瀬はるか?
悪くない
綾瀬はるかちゃん、期待以上ですよ。はなれ瞽女という設定も自然です。窪塚洋介がやっと彼らしく戻ってくれて嬉しかったし、大沢たかおも素敵だったし、中村獅童も怖かったし。疑問に思ったのは、「市」が十馬のことを思い出すシーンです。彼女は目が見えないのだから、フラッシュバックは映像ではなく、音声で表現されるべきでは? 何か意図があってのこと?
感動と興奮が中途半端。
なめたらいかんぜよ
全46件中、21~40件目を表示