「ひどい。」ラースと、その彼女 ちかしさんの映画レビュー(感想・評価)
ひどい。
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公開当時にすごく気になっていたのですが、とてもがっかりでした。「人形に恋をする」という気持ち悪い設定ながら、あらすじはとても心温まりそうな内容。果たして観てみると後者でした。泣ける物語。自分が生み出した相手と恋愛をして、その中でひとに対する気持ちの表現の仕方を思い出してゆく、中身はとにかく「ルビー・スパークス」を思わせる。
しかし、あまりにも都合のいい話だった。冒頭の優しすぎる義理のお姉さんはいいのだけれど、小さな町とはいえ町中があまりにも好意的で、主人公には「恋人は人間ではない」という声は全くもって聞こえない。
それまでは目をつむったとしても、「ルビー」では恋人を傷付けながら本当の愛を知る青年を描いていたのに対し、こちらはひたすら自分の好き勝手をしていた男だった。初めから無理のある勘違いをしていたにも関わらず、最後に恋人を死んだことにして捨てて葬式の日には次に乗り換えるところに明らかにやらしさがある。だから手放しで感動できない。
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