「ロック世代、即ち団塊の世代の締めくくり 壮大な同窓生記念写真だ」ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
ロック世代、即ち団塊の世代の締めくくり 壮大な同窓生記念写真だ
2006年NYビーコンシアターでの彼らの慈善コンサートの映画
さすがのライブパフォーマンスだ
スコセッシの映像もそんじょそこらのミュージックビデオとはクオリティが違う
だがスコセッシが本作を撮った目的と意義とはなんだったのだろうか?
頻繁に挟まれる彼らの若き日々でのインタビューの意味とは何か?
終盤にミックが60歳になってもやってる?と訊かれもちろんと笑顔で答える
そして冒頭、噛み合わない彼らとの打合せの為進まない撮影準備にカリカリと苛立つスコセッシが誰かに「ロックンロールなんだから……」となだめられて苦笑するシーン
これが対になっている
同じスコセッシ監督のラストワルツがザ・バンドの解散コンサートがヒッピー文化の終焉を活写していたように、本作はつまりローリングストーンズ、スコセッシ、冒頭リハーサル中に次々に記念写真を要求する功なり名を遂げた老人たち、このロック世代、即ち団塊の世代の締めくくりだったのだ
だから、スコセッシは自分の仕事光景まで撮らせ編集にも加えたのだ
壮大な同窓生記念写真なのだ
フィナーレシーンのように彼らは今退場しようとしているのだ
本作から10年以上経過して今それがハッキリと分かる
ラストワルツと本作は対になるロック映画であったのだ
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