「父さんと逃げる“卒業”のラスト」たみおのしあわせ きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
父さんと逃げる“卒業”のラスト
原田芳雄が宮沢りえの父親になったのが「父と暮らせば」(2004年)。
原田芳雄がオダギリジョーの父親になったのが本作「たみおのしあわせ」(2008年)。
僕らは大人になると、良しにつけ悪しきにつけ、ようやく父親の姿がみえてくるものだ。
「私には父親はいませんから」って?
そんな人はいませんよ。父親がいないのはイエスさまだけだ。
とにかく出演陣の顔ぶれがものすごいのに、ほとんど皆さん“素”なんだろうなぁ。芸達者でいながら こんなにゆるくていい加減なのが好み。
そしてこの俳優の全員に、忘れていてもそれぞれ実際、父親がいるわけだ。
で、珠玉は
オダギリジョーの縁談なんかそっちのけで、みんな自分勝手な生活を継続しているわけよ。
そこいらが、一番好きなシーン作りなんだけど、嗚呼・・こっちまで幸せになりそう。
岩松監督って、きっといい人だよね。
父と息子の、ほっとかれたり、構われ過ぎたりの「幸せ」って、どういうことか知ってるんだと思う。
たみお君のしあわせな様子を見ながら
父親=「のぶおのしあわせ」を、僕は目を細めて見ていたんですよ。
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