歩いても 歩いてものレビュー・感想・評価
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ちくちくする、家族のお話
もっと早く見ればよかった。
ずっと気になりつつ、是枝監督に対する不安があって避けてしまっていた作品。
というのも是枝監督の作品はワンダフルライフとDISTANCE以来、抵抗があって見れず。
空気人形はとっても好きだったんですが、どうしても拒否反応があって。
でも見てよかった。
ちくちくする、家族のお話でした。
わたしのすきなやつ。
皆わかってるのに、できない。いたわってあげたいのに、あげられない。
素直になりたいのに、なれない。
そんな家族のおはなし。
原田芳雄と樹木希林がすげぇ。
樹木希林が、もう演技なんだか本物なんだか本当にわからん。
そして、原田芳雄さま。
最近「大鹿村騒動記」で拝見したんですが、その時ともまたまったく違う方に見える。
本当に素晴らしい俳優さん。
心からご冥福をお祈りします。
映画とか音楽ってすごいなあ。感じ方はいつの時代も変わっていくけれど、どんな時も素晴らしい作品はずっと変わらずにそこにある。
名曲や名作は何年、何百年たっても色あせない。
昔は好きだった曲や映画を、今いまいちだと思ったら、よくもわるくもきっと自分が変わった証拠。
だってそのものは変わらずずっとそこにある。
夏川結衣もすごいよー。やっぱすごいよー。
初めての旦那の実家に泊まるの緊張してる感じとか、新しいパジャマが阿部寛の分しか用意されてない事に対する小さな怒りとか、すごくよくお酒を飲むんだけどそれに対してさりげなく樹木希林が言う「昔は女はグラスの底は見せるなって言われたもんだけど」っていうセリフに表情をこわばらせる感じとか。すげーよー
なんかすごく印象的なシーンがいっぱいあって、私自身がすべてを受け止め切れているかわからないけど、どうしてもご紹介したいシーンをひとつ。
家の中に入ってきたモンキチョウを樹木希林が長男が戻ってきているといって追いかけ回したシーンの後。
今日おばあちゃん変だったねって言うあつしに、夏川結衣が「おばあちゃんにはそう見えたのよ、きっと」って言う。
そしたらあつしが「もう居ないのに?」っていう。
それに対して、夏川結衣が、「お父さんだってちゃんと居るよ、あつしの中に」って言うの。
わたし、正直「人は死んでも心の中にいる」っていう言葉すっごい嫌いだったんです。
きれいごとっていうか、居ないし、死んでるしって私も思ってた。
でも実際に自分がそういう事を体験して今思うのは、心の中にとか記憶の中にとかじゃなくて、本当に居る。
死んだっていう事がまだ実感できてないって言うのもあるとは思うけど、本当に居る。
それに対して、うまく言葉にできなかった自分に、夏川結衣演じるゆかりさんが答えをくれた。
「あつしの半分はパパで、半分はママでできてんだから」
そっか、結局そうだよなって思った。
わたしの半分は、どうしたって彼からできてる。
だから、死んだって、なんか居るんだ。
そんで、そのあとあつしが、「じゃありょーちゃんは?」(りょーちゃん=阿部寛、再婚相手)って聞くんだ。
それに対する答えが、私がこう答えて!って思ったのと一緒で嬉しかった。
「りょーちゃんはね、これから入ってくんのよ」
あー、素敵なお母さんですね。
そう、あつしくん、これから君を形作るものの中に、りょーちゃんがいるんだよ。
じわじわ、じわじわ。
や、本当に幼少期に父親を亡くして、新しい父親とやっていかなければならない少年の気持ちは私にはわかってあげられないけれど。
でも、全部そのままで生きていってねって思いました。
あなたをはじめに作ったのはパパとママ。
これから一緒に成長していくのはりょーちゃんとママと。
だからパパも消えるわけじゃなくてずっといるさ。
はー、長くなりました。
でもとっても好きな作品。是枝ファミリー勢ぞろいですみたいな作品。寺島進とかも何気に出たり。
家族のお話が好きな方は是非見ていただきとう。
今日という日を、愛おしくてたまらない、そう思える人になりたい。
家族も、自分の周りのすべてを、愛せる人になりたい。
そう、思える人になりたいなって思った映画。
『歩いても 歩いても』
阿部寛、夏川結衣、高橋和也、原田芳雄、また樹木希林とYOUの母娘のアドリブ感溢れる掛け合いが何とも心地良い。
ブルーライトヨコハマ、Tシャツくれよ、忘れてもらっちゃ困るのよ、黄色い蝶、黒姫山、のシーンには唸った。
樹木希林と加藤治子の競演も観たかった。
何気ない家族模様
総合65点 ( ストーリー:60点|キャスト:80点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
何かと話題の是枝裕和監督だが、実は私にとって今回が初めての彼の作品の鑑賞となる。これ一作だけでの判断になるが、系統としては小津安二郎監督に似ていて、何気ない日常の家族模様の中にあるそれぞれのちょっとしたわだかまりや心の棘や思惑がさりげなく描かれる。そしてその演出の質感は良いし、出演者の演技もそれをしっかりと表現していた。「10年くらいで忘れてもらっては困る」場面は良かった。
だが物語は長男の死以外はほんとにどこにでもある日常生活にすぎなくてあまりに平凡。里帰りなんて面倒だし、そんな状態で帰っても理解しあったり話が合うわけもなく表面的なことばかりでお茶が濁され、本音と建前を使い分けて時間が過ぎるのを待つ。こんなありふれた他人の家族模様を二時間にわたって見せられても正直時間の過ぎるのが長く感じた。観終って少しだけしんみりとするのはあるが、でもそれだけ。湖のさざ波を見続けただけの様な印象。同じ演出でもっと動きのある違う脚本ならば楽しめるように思える。
日常にひそむ家族のタブー
夏の終わりの海の近くの祖父母の家。
お盆は終わり、どうやら一家の長男の命日に集まった様子の長女一家と次男の一家。
ありふれたやりとりに中に家族の事情が浮き上がる。
長女は両親との同居を考えており、次男は嫁は子連れの再婚。長男は溺れた子どもを助けるために命を落としたこと。
家族には近いからこそ普段はあえて触れないタブーがある。
そうして日常の、家族の平和を保っている。
でも今日は長男の命日。
母親はあえてそのタブーを侵す。
しかし、一瞬凍りついた空気を再び元へ戻すことも彼女には出来る。
そうして平和を取り戻す。
ああ、これが家族だなぁとしみじみ思う。
「忘れてもらっちゃ困るのよ」
この一言のセリフの重さ、凄さ。
つくづく樹木希林という俳優の凄さを思い知りました。
家族の肖像
絵に描いたような、家族の記録。
輪の中に入る本人たちは、いつも和やかで暖かい表情を見せなくてはいけない。
似すぎた親子ほど、情けないくらい喧嘩してしまう。
家族ほど、厄介な関係はないのだ。
お互いが期待し、お互いが裏切り、いつも自分が正しいと思う。
それでも、いつも平和であるかのようにつくろう。
家族という重たい十字架は、時に、溺れた誰か救い出そうとする。
息子を早くになくした母の憎しみ。
目が不自由になり病院を閉めて隠居になった父の悲しみ。
悔しいけど、家族というのは、自分が飾らずにいられる唯一の場所なのだ。
温かい家族の団欒の狭間で、それぞれの痛みが余計際立ってみえる。
見た人は家族について考えざるおえない、切ない魂のこもった映画。
家族のリアル
15年前に亡くなった長男の命日に、良多は再婚相手と連れ子と共に実家に帰郷する。
集まった家族の1日の出来事…。
是枝裕和監督の演出が素晴らしい。
何か大事件が起こる訳でもない家族の姿をじっくり見つめ、見る者はスッとこの家族の中に入り込んでしまう。
俳優陣のアンサンブル演技が絶品。
夫婦役の阿部寛と夏川結衣は、TVドラマ「結婚できない男」での共演もあり、息ぴったり。
とりわけ、樹木希林とYOUのやり取りは演技すら感じないナチュラルさ。
この映画、単なる家族愛の物語と思ったら、肩透かしを食らう。
至る所に家族の本音がチクチク見え隠れする。(勿論、その根底には“家族”というものを感じるが)
特に印象に残ったシーンがあり…
15年前亡くなった長男は海で溺れた少年を助けて命を落とした。
その少年は毎年毎年、命日に拝みに来る。
父・原田芳雄は何年経っても不愉快。「何であんな奴の代わりに息子が死んだんだ?」
母・樹木希林は「来年も必ず来てね」と温かく接する。
息子・阿部寛は「もう来て貰わなくてもいいんじゃないか?彼だって辛いだろう」と諭す。
すると母は静かに「だから来て貰ってんのよ。10年やそこらで忘れて貰っちゃ困るのよ」…。
何年経っても息子を失った哀しみと怒りを忘れない母の本音に、樹木希林の名演も相まって、ヒヤリとさせられるものがあった。
家族または親戚が集まると、綺麗事だけじゃない感情がじわじわと滲み出る。
細かい事が気になったり、いがみ合ったり、ヒソヒソ声で陰口叩いたり…。
それでも家族は愛しく尊い。
あの時ああしてやれば良かった…と、後悔の無いように。
誰もが身に覚えある、家族のリアル。
何が起こるワケでもない…けど、濃い。
「起承!転転転結ーッ!」みたいな感じの、ハラハラドキドキして後味スッキリの映画が好きなオイラ。
そういえば、こういう地味な日本映画を観たのは初めてかも。
親の期待を一身に受けながら、15年前に事故で亡くなってしまった長男。
その命日に実家に集まった家族の、1泊2日を淡々と綴った映画なんだけど、これまたとっても良かったんですわ。
まず冒頭、母(樹木希林)と長女(YOU)の忙しないほどのテンポの日常会話が、小気味好く温かいながら、シビアな険を含んでいて、リアリティに一瞬ニヤリ&ビクッとした。
そのシーンの手料理も、それはそれは丁寧な田舎料理で、思わずじるる〜ッ!
それからの展開といえば…
能天気な娘婿(高橋和也)、腕白し放題の孫たち、
その賑やかさから微妙に距離をとろうとする次男(阿部寛)、
馴染もうと努力する嫁(夏川結衣)と、その連れ子、
長男の死を胸の奥で握り締め続けることを止められないでいる両親(原田芳雄)…
そんな彼等のその2日間には何か事件が起こるワケでもない。
ほんっとに何気ない会話から、それぞれの心情の機微や確執が浮き彫りになっていくんだよね。
それは「兄弟との比較」や「仕事や結婚」、「親の老い」だとか「救われる為に持ち続けてしまう歪んだ思い」だったり、
「口には出さない思いを抱えている、子供なりの気遣いとか美学」だったり…
痛いトコを突かれるような、胸を張れないような、きっと誰もが知ってる想いなんだよなぁ…。
それなりに平和で明るい家庭にも、「家族だからこその小さな厄介」がある。
この映画を観る人それぞれが違った環境を持っているワケだけれども、自分も含めその人達のそれぞれ違う胸の奥底にそっと触れてくるような、温かさと暗さがある…
その「暗さ」をも共有するからかどうか、何故かホッとする映画だったな。
夏の日の急な坂道と、何気ない会話と、ゴンチチの音楽って、どうしてあんなに合うんだろう?
盆の窪あたりからスッと入り込んできて全身に染み渡るような、堪らなく優しい響きでございました。
この監督らしい映画。
是枝監督らしい、メローなストーリー展開。
取り立てる程珍しくもない、家族とその周りの人達の普通な日々の話。
皮肉でちょっと嫌みな言葉のやりとりが、このメローさにチクチク刺激を与えてくれる。
どこの家にも、こういうのあるんだ。って、ちょっと笑える。
樹木希林とYOUの会話は、どこまでが台詞かアドリブなのか、ほんとに分からないくらい自然。
この自然さが、とっても心地よい。
内容なんて全然無い会話なのに、ずーーーーっと聞いていたい。
これが、この映画の大きな魅力の一つです。
自分が子供の時って、おばあちゃんの家に行くのが、とっても楽しかったな。
親戚みんなで集まって、同い年のいとこと遊んで、疲れて寝て。
自分の知らないところで、親はこんな会話してたんだぁ〜ww
おばあちゃん家
ものすっごい自然な“おばあちゃん家”が繰り広げられてる。
にこにこおしゃべりしつつ、しかし、その人が帰ったあと家族でホンネを言いあい笑う。。裏でヒソヒソ。よそ様の噂話。リアルだ!
でもYOUさん演じる、明るい朗らかな姉役がいるお陰で、嫌な雰囲気にならず、ニヤニヤして観てられる。
そして、この人が出てこなくなってしまうと、途端、今度はもっと奥の方に隠してあるゾッとするような怖い本音が明らかに。
坂道をひいひい登っている場面が印象的。
ゴンチチの音楽も素敵でした。
そして何より、樹木希林さんの演技がすごい。
人生は、いつもちょっとだけ間にあわない
住まいから離れたところで上映されていたために劇場公開では行けなかった気になる邦画。
DVD発売してすぐに購入。初回生産仕様には、劇中に作られていた手料理のレシピや監督の謝辞が付いている。
「人生は、いつもちょっとだけ間にあわない」がこの作品を一言で言い表している。
単調にすすむストーリーであるが、あとからジーンとやってくる。
この作品を見た人が家族を思い、間に合わないようなことにならなければと思う。
隠れて聴く曲ぐらい誰でもありますよ
映画「歩いても 歩いても」(是枝裕和監督)から。
義兄の命日に、家族3人で夫の実家へ泊まり、
一晩過ごすだけの、どこの家にもあるような出来事が、
なぜか、とても自然に映像化されている気がした。
その中で、私が選んだ一言は、妻役の夏川結衣さんの台詞。
場面を説明すると長くなるので省くが、
「あのレコード、きっと隠れて聴いていたな」と、
ややバカにしたような口調で話し掛けた夫に、
「隠れて聴く曲ぐらい誰でもありますよ」と返した。
「へぇ〜、君にもあるの?」「ありますよ」
「どんな曲?」「ひ・み・つ」、予想通りの会話であったが、
妙に新鮮に私の心に残った。
辛い時、悲しい時、寂しい時、家族にも、親友にも隠れて、
じっくりゆっくり、噛み締めながら聴き入る曲があると、
人間は強くなれる気がした。
映画のタイトル、何かの曲の一部だったんだぁ(笑)
あっぱれ!母娘漫才。
名画座にて。
公開時からず~っと待ちに待っていたこの作品。
なんでこんな傑作が全国公開されなかったんでしょうか。
今でも不思議に思います。
これ…まぁとにかく!樹木希林が演じる「おばあちゃん」の
ための映画…といえるくらい彼女ワールドがゼン快なのだけど、
加えて私達が、子供から大人になり、結婚して子供が出来て、
舅姑とのしがらみやらローンやらを抱え、歳をとり、やがて…。
といった時期を迎えつつあるすべての人に当てはまる作品。
どこをとっても頷けるシーンが満載で。まぁそれが…(爆)
笑えるの笑えないのって、憎々しいほどスパイスが効いている。
そりゃ~希林さんの口から出てくる台詞に敵う人はいない…?
だろうと思っていたら!まぁなんと!あのYOUが…!!
この母娘の絶妙なやりとりは、絶対に見逃してはいけません。
まさかあのYOUが(爆)希林さんを食ってしまうとは?ねぇ^^;
皮肉めいた笑いに彩られた家族像を観ながら、
だんだんとこの家族が抱えてきたものが見え始め…まぁそれも
結局は出来の良い長男が不慮の事故で亡くなってしまった、と
いう家族全員が抱えるトラウマが原因となっている。
父親とソリが合わない次男(阿部ちゃん)は失業中…なんだけど
子持ち女性(夏川結衣)を娶った手前、親の前では虚勢を張る。
そんな夫を気遣いつつも、再婚の後ろめたさが拭えない妻は、
義母に気を遣っては嫌味で反される始末。
唯一のほほんと振る舞う姉(YOU)は虎視眈々と財産目当ての
同居を目論み、夫(高橋和也)は人がイイだけのボンクラ亭主。
あぁ~使えない奴らだ。なんておそらく思っているお爺ちゃん
(原田芳雄)こそ最も使えない男で^^;自分の後継ぎのことばかり
考えている始末。あーそうだよね。どこをとっても。誰を見ても。
やれ、どこそこ、のお家事情とまったく違わないのだ。
是枝監督、よくぞここまで並べ立ててくれました。怖いです^^;
いちばん印象に残ったのは、子供たちの笑顔と風呂場のタイル。
笑わなかった王子(爆)までもが楽しそうに笑って、子供が
子供らしさを失わないでいることの大切さをしみじみと感じる。
我が家でもああだったな。。子供たちが小さい頃はみんなで
集まって「おばあちゃんち」(この言い方ってホント不思議^^;)
でワイワイやったものなのに、物心がつくと挙って来なくなる。
皆を見送った後の二人の背中を見ながら、あぁだったのかな…
と思ってみたり。でも、孫がいて、一番可愛い盛りを見られる。
そんな祖父母だって今じゃ幸せなんだぞ~。少子化なんだから。
大きな事件が起こるわけでもなく(過去にあったけれど)
突然、そこから何年後かの次男家の様子が映し出される。。
母親が心配した将来?通りだったかどうかは見てのお楽しみ。
悪いけど、親が思うほど子供は弱くない。心配ご無用なのだ。
(しかし「レコード」と「よしおくん」のシーンには凍りついた(・・;))
女って怖い
歩いても歩いてもって題はブルーライトヨコハマの歌詞なのか?
この歌が2人の思い出の歌と言ってのけた、あのお母さん…怖いよね。
絶対浮気を許してないのだわぁ~(=_=)
まぁ確かに長男をおぶって女の家まで旦那を迎えに行くなんて…
あたしには出来ない。
行った家から旦那がこの歌を歌ってる声が聞こえてたんだって。。。
で、思い出の歌って(>_<)
相当、凄い女なんだわぁ~(@_@;)
あと…長男が死んでまで助けた子が大きくなって
法事には必ず呼んでるんだけど…
この子が…なんとも太っていてあんまり魅力無い男なもので…
一年に一回くらいココに来て死んでいった長男のことを思い出してもらわないと…
っていうお母さん。。。
本当に怖いです。
次男の嫁も再婚で連れ子有りなもんだから
気に入らないくせに…
猫なで声出して…
マジウザイわ。
娘にしたって…自分が両親の世話をするとか言ってるけど…
親のお金をアテにして二世帯住宅を建てて欲しいだけみたいに思えるし…
母は母で…娘の旦那は調子良いだけだし孫にしたってうるさいって…((+_+))
本当に人に遠慮するとかしたことなく生きてきた人なのかなぁって
気分悪くなっちゃいました。
しかし…法事や何かで親戚一同が集まったりしたら
こんな風景って本当にありますよね。
だから…私も旦那ん家に行くの嫌なのよね(爆)
あるあるネタ満載
他の方もレビューで書かれていましたが、親戚で集まる場面でよくある風景が満載でした。
小さいころ、親の田舎に行った時に必ず見る風景ですね。
俳優陣もすごく演技がしっかりしている人ばかりではないでしょうか?
特にYOUさんはハマリ役だな~って感じました。
もちろん他の方もすごく自然で。
見ていて懐かしい気分になれたのもそのせいでしょう。
監督さんの意向に沿っているかは分かりませんが
「親孝行せなあかんな」「じっちゃんばっちゃんに長い間会ってないな」
としみじみ思いました。
あと「お腹すいたな~」とも思ってしまいました。
日本の夏
この映画、期待していませんでしたが良かったです
何が良かったかというと表現が難しいですが、
なんか懐かしい、夏休みにおばあちゃの家に行った
時を思い出しながら映画を見ていました
子供の時は気が付かなかったけど段々と成長して
周りの大人の考えている事が理解できてくると
客観的に見て、あーなるほどと思う場面も多々ある
「いらっしゃい」「ゆっくりしていって」などの
言葉の裏側は・・・実に面白い
樹木希林とYOUのクロストークも面白いね
久しぶりに実家に来た娘と母の雰囲気が出ている
阿部寛も実にイイ
子連れの再婚相手を連れて帰るのだが、ここにも
おばあちゃんの言葉と行動が一見歓迎しているようで
実は・・・みたいな感じが良かった
原田芳雄はさすが演技派
タモリ倶楽部で電車に乗ってハシャいでいるのとは
ガラリ一変、融通の利かない頑固オヤジ役がピッタリ
この映画は派手さは無いものの、今ではあまり見られない
日本の夏が見られると思います
劇場を出た後も余韻を引く良作
「誰も知らない」の是枝裕和監督が、自分の母親の死をきっかけに作ったという本作は、温かく、それでいてほろ苦い良質のドラマ。最近、劇場を出た瞬間に何も印象に残らない映画が増えてきているが、我々が必ず直面せざるを得ない両親の加齢と、そしてその先にある別れを描いた本作は、見る者の心をざわつかせ、いつまでも心に残るだろう。
……と、これだけだと、見ていて辛くなる重い映画のように思う方もいるかもしれないが、そんなことはない。大切な人たちと過ごす時間を、非常に丁寧に、そして温かく描いているため、見ていてついついニヤニヤしてしまうことだろう。「あー、こういう人いるわー」と、頷かざるを得ないリアルな人物描写も楽しいし、「美味しそー!」と、腹が鳴りかねない食卓のシーンだけでも、劇場で見る価値はある。
なお、役者陣では何と言っても母親役の樹木希林が素晴らしい。「東京タワー」の彼女も素晴らしかったが、本作の彼女も必見だ。
家族だからこそのいたわりと反目が、ユーモラスに温かく、ときにほろ苦いせつなさをもって描き出されます。
5年前是枝監督の実母を失った悲しみから、この企画はスタートしました。
小地蔵もそうですが、実際に母と死別してみると、「何もしてやれなかったなぁ」という後悔は隠しようもありません。
だから監督は、逆に明るい映画にしたいと強く思ったそうです。母が死へ向っていくプロセスではなく、生の一瞬を切り取ろうと。その一瞬の中に家族の記憶の陰影を織りたたんでみようと。そうして出来たのがこの作品だそうです。
物語はフィクションではあるけれど、確かに映画が始まった時に監督の心の中で「あぁ、あそこに母が生きている」と思える、ドキュメンタリーみたいな作品に仕上がっています。
そういう背景から生まれた作品なので、監督の少年時代からの想い出が実はシーンの中にぎっしり詰まっています。
まずタイトルからして、「歩いても 歩いても」は、監督の少年時代に家でよく聞かされていた「ブルーライトヨコハマ」の歌詞からとってきたようです。
そして冒頭から描かれるのは、家族が集まる日の昼食の献立作り。ここにも監督のお袋の味の数々が紹介されていました。大嫌いだったミョウガを切り刻むところ、きんぴら、五目寿司、そして傑作なのはトウモロコシの天ぷら。(撮影では温度を上げすぎトウモロコシが爆発したとか)
それと年老いた母親がまるで子供扱いして、虫歯を治せとかしつこく注意するところなんぞ、ああどこでもあるねと微笑んでしまうシーンばかりです。
おまえが車を運転して、私を連れて行ってくれるのが夢なのよと劇中の母は語り、息子は今度ねと言って、別れましたが、ついにその約束は果たされませんでした。
是枝監督のレクイエムのような作品だけに、この作品を見終わるとき、もしご両親が健在なら、何か親孝行したくなる気持ちになってしまうことは請け合いです。
作品自体は、監督はあまり家族というテーマを考えず本作りに入ったようです。
最初に浮かんだのは、ラストの高台の墓地から遠く鉄道や海岸を見渡すシーン。そこに暮らす家族とはどんな人たちかイメージを膨らませてて、本を作っていったそうです。
何十年も同じ屋根の下で暮らし続ける老夫婦の元に、15年前に亡くなった長男の命日ということてで、ひさしぶりに家族を連れて実家にやって来た息子と娘やってきて、過ごす24時間のホームドラマなのです。わずか24時間の平凡な家族の会話に、長男が死んで以来の15年間のエピソードを再現するばかりでなく、家族だからこそのいたわりと反目が、ユーモラスに温かく、ときにほろ苦いせつなさをもって描き出されところは、是枝監督の職人技が光ります。
何せ出演しているのが阿部寛、樹木希林、夏川結衣、YOUの役達者な面々なので、撮影の合間でも阿部寛をボケ役にいじって、スタッフを仕事に集中させないくらい爆笑させていたとか。
希林さんが、劇中でも人生経験に裏打ちされた辛辣な言葉をぽんぽん口にするので、爆笑に次ぐ爆笑でした。この作品で監督はあえて家族の傍観者に徹して、感情を入れずに演出しています。その分家族というものの愛しさ、厄介さ、人の心の奥底に横たわる残酷さが、浮かび上っていくのです。けれども出演者の軽妙な台詞回しで、嫌みなところも笑い飛ばして、気軽に見れるところがこの作品のいいところと思います。
また連れ子で再婚したばかりなのに、夫の実家に引っ張り出されてぎこちなさを夏川結衣もうまく演じていましたね。
同じような作品と言える『ぐるりのこと。』との比較では、夫役は余りにいい人過ぎました。こちらの家族関係の方がよりリアルティを感じることでしょう。
あと『ぐるりのこと。』では音の取り方がライブな取り方をしていて、台詞が聞き取りにくいところが多々ありました。この作品では、監督は録音にもこだわりを見せて、画面で出ていない登場人物も、音で何を今やっているか想像させたり、野菜を切る音まで演出しているいるそうです。実際劇中の音の臨場感がとてもリアルに感じ、台詞も聞きやすかったです。
あとバックで流れるゴンチチのギターはとてもよくあっていました。家族が外に出るとまるで穏やかな風のように、画面を吹き抜けていくのです。その心地よさもぜひ味わっていただきたいですね。
淡々としたホームドラマですが、よく見ていくと、台詞の合間に家族の関係や歴史が刻みこまれ、思わず自分の家族のことを考えててしまう、そんな記憶にずっと残る1本となる作品となることでしょう。なかなかの秀作です。
全80件中、61~80件目を表示