「消える訳がない」歩いても 歩いても たかはしさんの映画レビュー(感想・評価)
消える訳がない
久しぶりに集まる親戚たちの、距離感とか、小気味良い会話とか、なんだかどこかで本当にありそうで朗らかに見ていた。それだけに樹木希林が台所でタバコを吸う阿部寛に吐き出す冷たい深い恨みが異様に光って見えて、ウワッとなった。彼女は息子が命を懸けて救った彼を、理屈なんて百も承知で恨んでいた。正解なんかないけど悲しみだけがそこにあるというか、失われたという事実だけが重く鎮座してる、表面上はただの夏休みなのに、今落ち着いて考えると底なしの穴を見てるような気持ちになってしまう。そこだけ描いた話ではないけど…
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