「心の奥底に潜むそれぞれの思い。」歩いても 歩いても ノビさんの映画レビュー(感想・評価)
心の奥底に潜むそれぞれの思い。
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平凡な親族が実家に集まる1泊2日を描いた作品。
この映画の裏の主人公は完全に樹木希林演じるとし子で、とし子を中心に物語は進んで行く。
主人公である良多の母・とし子と父・恭平には闇があった。
15年前に亡くした長男・順平の事をいつまでも思い続けている。
思い続ける事は当然の事、だけど少しひねくれた方向で思い続けてる。
順平が自らの正義感で溺れる少年を助け
、順平はその犠牲となってしまった。
少年は今や青年となり毎年仏様に手を合わせに来る。
責める相手がいないから、その青年にいつまでも責任感を与え続け苦しめるという曲がった考えが、とても虚しい。
でもこれが本音。批判も出来ない。
建前や常識、一般的な考えではどうしようもない心の奥底。
まさに「人間」を見せられた。
亡くなった長男にはいつまでも自身の理想を乗せて語り、現実に生きる長女夫婦と次男夫婦に世話を焼く。
人間は様々な思いがあり、例え家族であっても共感出来る事と出来ない事がある。
でも、家族だからこそ気に入らない部分があっても許しあえる。
多少の事では関係は壊れない。
特に親側は子を想う。
父の「次は正月か」という言葉が代弁している。
子は後悔しない様に生活していかなければいけない。
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