劇場公開日 2008年6月7日

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「よき時代の最後の夫婦?」ぐるりのこと。 Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0よき時代の最後の夫婦?

2013年4月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

幸せ

いろいろ考えさせられる映画でした。

内容はすごく現実的で、リリーさんの演技がうまく、夫婦のやりとりが面白かった。

でも、今現在、こういう感じのカップルって多いのかな?

昔はいっぱいいたんだろうけど、今だったら、籍は入れない、子供は作らないということになりそうな気がする。

昔は皆同じような環境で、貧乏で兄弟姉妹が多く、お金がなかったり、不自由な思いをしても、ある程度耐えられると思うし、兄弟姉妹が多いから、親の期待もそれほどでもなく、経済も右肩上がりで、愛があればお金なくても、結婚やその後の生活もなんとかなったと思うけど、今はどうなのかな?

個人的な印象としては、今はすべてのシーンで、自分を棚に上げ、相手に対する過剰な期待ばかりで、空回りしたあげく、結局、すべて崩壊する時代のような気がする。

この映画の時代設定は、ちょうどバブル崩壊の後ぐらいで、主役の夫婦はそんなに若いというわけでもなく、お金もありそうもないところを見ると、昔のよかった時代の最後のあたりの夫婦に焦点を当てることで、現在の状況を考えさせたかったのかな?と思いました。

また、ストーリーには直接関係ないんだけど、時代の雰囲気を出すためか、笑いをとるためか、その当時の重大事件を思わせる裁判シーンが入っていて、被告人がいろいろ発言しますが、それも面白かった。

「世の中の人全員に謝罪してもらいたい、もっと殺せばよかった。」という気の狂った人の発言としか思えないようなセリフの意味が、なんとなくわかるような気がするのは、私だけなのかな?

関係ないけど、埼玉地裁で撮っているシーンが、微妙に面白かった。

Push6700