劇場公開日 2008年6月7日

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「生きるのも技術」ぐるりのこと。 奥嶋ひろまささんの映画レビュー(感想・評価)

4.0生きるのも技術

2016年1月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

「恋人たち」の前に予習を、と思いDVDを借りたのだけど素晴らしかった。
演出ってどこまでが演出なのか分からないけど、家族の会話とか距離感がとてもリアルでラスト近くのショウコの涙に「辛い事もあったよな、乗り越えて来たんだよな」とまるで一緒に10年を過ごしたかのような親近感が湧いた。
夫婦って幸せなら超ラッキーで辛い事を共に乗り越える覚悟を持って結婚しなきゃならないし、何年もかけて夫婦、家族って完成していく物だと監督の家族観にとても共感出来た。
ちゃらんぽらんな旦那が、共に過ごした時間や流産を経験してどんどん旦那として責任感を持って、言葉にはしないけどちゃんと妻を見てて、支えて家族になって行く様に、初めこそダメなヤツだと思ってたけど最後は理想的だなぁと思った。

前半の上手くいかないどんどんダメになって行くどうしようもない溜め息しかない展開が、後半の幸せへと向かって行く伏線になってて、この夫婦がどうか上手く行ってくれ!と願いながら観た。そして、ラストカットに幸せをお裾分けしてもらった。

生死を扱う重い裁判は、頑張らなくていい生きてるだけで良いんだ。生から逃げるなよ。ってメッセージを受け取ったのだけど、そんな単純じゃないか…

とにかく俳優さんの演技もストーリー、脚本も素晴らしかった。

奥嶋ひろまさ