「感動しました これこそ映画が果たすべき仕事です」百万円と苦虫女 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
感動しました これこそ映画が果たすべき仕事です
中盤までははすに構えて観ていたのに、終盤には心を鷲掴みにされていました
蒼井優という稀代の女優の為に当て書きされたような脚本のなかで彼女は物語と強烈にシンクロしています
心が震えました
名作中の名作中です
主人公は21歳
1987年生まれです
彼女もリンダリンダリンダの女子高生と同じゆとり世代です
その女子高生達のその後を描いているといって良いと思います
短大に進学したものの就職先はなくイタリアンレストランのホールのアルバイトをしています
それから色々あっての物語です
ゆとり世代へのエールです
彼女達はこのような暮らしを全国の各地でしているのです
ひとり暮らし
それも非正規の仕事で100万円貯めるなんて、並み大抵のことでは出来ません
やってみたら分かると思います
それがどれだけ大変な事か
やってみた事が無ければ分からない事かも知れません
だからファンタジーです
海の家、桃のの農家、ホームセンターでのバイト
それぞれ別々の人物のエピソードと思えば良いと思います
いろんな非正規の仕事をして、このように何とかして、暮らしている彼女達がいることに思いを巡らせて下さい
100万円を貯めて別の土地にいく
それは彼女達の現実を誇張した姿なのです
彼女達は今日もまたくたくたになってはたらいて眠るだけなのです
大学生の隠された真意は甘く 痺れました
しかし現実はシビアなのです
そんなに簡単には再会すらできはしないのです
そうです
これが21世紀の現実なのです
こうして彼女達は今もなおこのような生活をおくりつつ30代の前半にあるのです
1987年生まれの彼女は、ゆとり世代の先頭ランナーなのです
彼女の背中をみて、ゆとり世代の後輩である弟は強く生きることを学んだのです
ラスト近くでの彼はおそらく1996年生まれの12歳
2020年の今彼は24歳です
どんな青年になっているのでしょうか?
感動しました
これこそ映画が果たすべき仕事です