光州5・18

劇場公開日:2008年5月10日

光州5・18

解説・あらすじ

80年5月に韓国で多くの死傷者を出した“光州事件”を題材とする衝撃の人間ドラマ。両親を早くに亡くして以来、高校生の弟ジヌの親代わりを務めてきた心優しい青年ミヌ。ある日彼は、想いを寄せる女性シネとジヌとの3人で映画を観に行くことに。ところが、映画館の外で民主化を求める学生たちと軍との衝突が起こり……。主人公ミヌを「殺人の追憶」のキム・サンギョン、その弟を「王の男」のイ・ジュンギが熱演する。

2007年製作/121分/韓国
原題または英題:May 18
配給:角川映画
劇場公開日:2008年5月10日

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映画レビュー

4.0これが史実、それは理解し難いが事実。

2025年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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Yohi

5.0カムバック放映されている映画館は少ないが是非。

2025年5月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年134本目(合計1,675本目/今月(2025年5月度)19本目)。

 カムバック上映されていたので見に行ってきました。
この光州事件を扱う映画といえば「タクシー運転手」が有名であることは周知の事実で、他の方も書かれている通りですが、作成としてはこちらのほうがそれより数年早かった点は評価できるところです。また、事件の流れ的に、今はVODにいっているのだと思いますが「ソウルの春」や「南山の部長たち」などを見ていると理解が早いかな、という印象です(歴史的な説明は映画内で少ない)。

 ただ、個人的には、韓国において、統治時代の終了から、民主化された1990年までのいくつかの事件においては全体的なつながりがあるという認識をしており、その意味において、ことさら強く取り上げる意味が少ない済州島蜂起事件や、麗水順天事件、朝鮮戦争ほかについての言及もあっても良かったのでは…といったところです(これらを知らずに部分的に韓国現代史の理解は難しい。もちろん、韓国では自国史にあたる韓国史ではこれらはちゃんと取り扱う)。

 ややフィルム切れ?と思われるシーンがありましたが、作品の趣旨的に仕方がなく(18年前…)、光州事件といえばこれを扱う映画としては実質「タクシー運転手~」しかなかったわけで、カムバック上映とはいえこうした作品を見ることに意義は大きかったです。

 採点上特に考慮する要素はないですが、最低限「ソウルの春」「南山の部長たち」、さらにいえば済州島蜂起事件(←「スープとイデオロギー」)、麗水順天事件(日本では取り扱いの作品なし。韓国では複数ある模様)等についてアンテナを張っているかいないかで理解度がまるで変わるので、そこを理解してからの視聴がおススメです。

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yukispica

3.5戒厳軍と銃器武装の民間人

2025年5月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

 1980年韓国光州。タクシー運転手のミヌは、高校生の弟ジヌと二人暮らし。そんな彼は、弟の知り合いの看護師シネに想いを寄せていた。ある日三人は学生による民主化要のデモと、鎮圧しようとする戒厳軍との衝突に巻き込まれる。
 独裁者が暗殺されたのもつかの間、再び独裁者が生まれた韓国の悲劇。1980年5月に、民間人が軍により虐殺された光州事件を描いた作品。事件は知っていたけど、これほど酷いことがされていたのは映画「タクシー運転手」で知りました。その詳細が描かれています。一瞬、デモ隊と兵士が和むところがあり、直後の悲劇が余計に辛い。驚いたのは、一般市民が銃器で武装していたことでした。
 ユン大統領が非常戒厳を発表したことに、世界中の人が驚きましたが、特に韓国の人が強烈に反応するのは当たり前だとわかります。

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sironabe

4.0【”俺たちは暴徒じゃない!”1980年に韓国・全羅道・光州市で起きた光州事件を正面から取り上げた作品。コミカルな冒頭から一気にシリアスになって行く流れが恐ろしくも哀しき作品。】

2024年9月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

知的

■1980年、光州市。両親を早くに亡くしたタクシー運転手の青年・ミヌ(キム・サンギョン)は、高校生の弟・ジヌ(イ・ジュンギ)の親代わりとなって懸命に面倒を見てきた。
 そんなミヌは、ジヌと同じ教会に通う看護師・シネ(イ・ヨウォン)に想いを寄せていた。ある日、ミヌは、ジヌを交えた3人で映画を観にいくが、韓国軍空挺隊が民衆に暴力を加えている現場に遭遇してしまう。

◆感想

・今作を観ると、この10年後に公開され大ヒットした「タクシー運転手 約束は海を越えて」は、この作品に可なり影響を受けているのではないかな、と思ってしまった。

・この映画が公開されるまでは、軍部を掌握した全斗煥の指示による”光州事件”はタブー視されていたので、今作は大変に意義がある作品であると思う。

■そもそも、韓国軍空挺隊は上部からの指示とは言え、何故に民衆に実弾を発砲したのであろうかと思うが、個人的には韓国内での全羅道に対する歴史的な差別思想があるのではないか、と思っている。
 実際にこの事件も、当初は全羅道出身の民主的政治家、金大中氏によるものとされ彼は死刑判決を受けている。(その後、無罪判決。そして、全羅道悲願の大統領になっている。だが、全羅道出身の大統領は、金大中氏だけである。)

・明らかに市民を標的にした韓国軍空挺隊の発砲シーンは実に恐ろしいし、ニュースで流れる”市民は全員無事です。”というアナウンスの中、対比的に描かれる銃弾に斃れていく一般市民たち。

・シネの元軍人である父を演じた韓国の名優であるアン・ソンギの存在は際立っている。市民軍の隊長として、死を覚悟しながら軍に対抗し、市民軍たちを鼓舞する言葉は、聞いていて涙が出そうになる。

<当然の如く、後年この事件や、つい最近公開された「ソウルの春」で描かれた12.12軍事反乱を起こした罪で、大統領になった全斗煥は死刑宣告を受け(その後、特赦)、死後も韓国大統領経験者としては、只一人国葬が行われなかった事も、当たり前だろうと思う。
 日本の自衛隊は、近年の激甚化する気象災害の際に現地に出向いて、献身的に救助活動をしてくれている。
 故に、私は憲法九条の改定には反対なのである。
 相手国に銃を向ける軍隊は、場合によっては自国民に銃を向ける可能性があるのであるから。それは、第二次世界大戦の沖縄戦の歴史が物語っている。
 故に私は、右傾化する日本の政治状況を、カントリージェントルマンの如く注視し、選挙には必ず投票し、民意を示す必要があると思っているのである。
 韓国の光州事件を将来の日本で引き起こさないためにも・・。>

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NOBU