カンフー・パンダ : インタビュー
3人の養子に加え、ブラッド・ピットとの間に2女1男をもうけて、すっかり母親としての顔も定着したアンジェリーナ・ジョリー。子供も楽しめるアニメに出演することの喜びを語った。(取材・文:立田敦子)
アンジェリーナ・ジョリー インタビュー
「私の子供たちもこの映画を見て、きっと自分に自信を持ってくれると思う」
「マイティ・ハート/愛と絆」のような社会派ドラマからこの秋公開になる「ウォンテッド」のようなスーパー・アクション映画まで。アンジェリーナ・ジョリーの女優としての可能性はますます広がりつつあるようだ。が、個人的に最も楽しんでいる作品といえば、子供たちと一緒に観ることができるアニメーションの声優、というのも真実。「シャーク・テイル」に続き、同じドリームワークスのアニメ「カンフー・パンダ」では、マスター・タイガーというカンフーの達人のトラを演じた。
「プロデューサーのジェフリー・カッツェンバーグから、またアニメの声優をやってくれないかといわれたときは、とにかく嬉しかったわ。役者がみんな呼ばれて全キャラクターを見せられたのだけど、みんなそれぞれお気に入りのキャラがあったはず。私は、マスター・タイガーをやりたいと心の中で思っていたから、私の役がそれだと聞いて大喜びしたわ。実は背中にトラのタトゥーを入れているの。ウチにはアジア人の子もいるから、トラで、しかもカンフーといったら、ちょっとした騒ぎになったわ。ママがトラになることはスゴイことなのよ」
選ばれたカンフー・マスター“ドラゴンの戦士”となっていくちょっとおとぼけのパンダ、ポーを演じるのはジャック・ブラック。アンジーが演じるマスター・タイガーは、そんなポーの仲間であり、5人の戦士のうちのひとりだ。
「5人の戦士は、それぞれ違う動物で扱うカンフーも違う。マスター・タイガーのカンフーはすべて攻撃なの。守りじゃない。とにかく攻撃するろいうところに胸がときめいたわ。彼女は、ドラゴン戦士に選ばれる可能性が高いと思っているのに、パンダのポーにチャンスをぶち壊しにされるから、たいてい怒っているのだけれど。でも、最後には彼女も少し成長するのよ」
ポーを演じたジャック・ブラックとは、「シャーク・テイル」に続き2度目の共演になる。やはり子供が生まれたばかりのジャックとは家族ぐるみの付き合いだ、という。
「ジャックは、ポーにハマり役よね。彼はとても可愛らしくて、面白い。つい応援したくなるの。ジャックは、人生でポーと同じ思いをしたことがあるっていっていたわ。成功とは、本来の自分であることに満足できる素晴らしい機会を得られたような感じだって。私たちは彼のあるがままの姿が好き。彼はそのことを教えてくれているのよ」
ヒーローとは自分の中にいる……というのが、この映画が提示しているひとつのメッセージだ。
「世間が考えているヒーロー像では判断しないことが大事よね。誰もが自分自身の個性を最高のものに伸ばすことができるの。子供をもつ親としては、そこが気に入っているわ。私の子供たちもこの映画を見て、そのメッセージを受け取って、きっと自分に自信を持ってくれると思うの」