「見るタイミングは選ぶ」西の魔女が死んだ Curveさんの映画レビュー(感想・評価)
見るタイミングは選ぶ
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序盤中盤とおばあちゃんの絶対な安定感に私もすっかり魅入られていた。
正直現実感に乏しいと感じてしまう生活圏内であったが「あぁ。こんなおばあちゃんの家が私にもあったなら」と思わせるに十分。
夏の八ヶ岳の美しさは疲れた心を癒すのに本当に適しているなぁと。
この映画の最大の魅力はおばあちゃんのセリフと言っても過言じゃないだろう。
誰もが大なり小なり抱えてる心のささくれの様な個所におばあちゃんの言葉は沁みてくる。
もし今、迷いを感じてる時なら心を揺さぶられることもあるだろう。
私は揺さぶられた。涙腺をやられた。
原作を読んでないのだがキャスティングには難があると思った。
ゲンジさんは勿論、パパ・ママ共に掘り下げが不足していて行動に説得力が感じられなかった。
しかしそれを補って余りあるおばあちゃんの存在感。
特に後半。
絶対的な存在であったおばあちゃんの揺らぎ。
それまで肯定的な行動しかしてこなかったおばあちゃんの否定的な行動。
喫煙で魔女が実は人間で、女性で、単におばあちゃんなのだと気付かされる。
題名とオープニングでネタバレしているエンディングが感動的なものとなったのは映像になってないその後の2年間のおばあちゃんの生き方だろう。
自分の弱さを認め、他者を常に考え、軽やかなメッセージ。
見るタイミングを選ぶ映画なのだろうとは思うが私には最高のタイミングであった。
なので物語・配役等々に不満はあれど総合評価は高い。
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