「ピクサー最高傑作(今のところ)」ウォーリー The Dudeさんの映画レビュー(感想・評価)
ピクサー最高傑作(今のところ)
(今のところ)ってのは更に飛躍するかもしれない期待を込めて。ピクサーは虫と車の話を除いて、全ての作品が傑作のコテゴリーに入れて良いと思うが、本作は更に一歩超えている。
感嘆する箇所はたくさんある。
・ロボットたちの擬人化を極力抑え、メカニカルな動きを重視している。だからサイレントにもなる。でも、そこから魅力的なキャラクターが浮き出てくる。うまい。EVEも目だけの表現であそこまでキャラが出来るのだから凄い。
・アナログなWALL-Eと未来的高性能なEVEの動きの対比の面白さ。アナログ故に消火器で飛ぶWALL-Eと青の弧を描き飛ぶEVEの交流の絵的美しさ。見とれてしまう。
・人間がデブばかりというのは凄い皮肉だけど、重い皮肉にせず、まさかの『2001年』立ちにつなげる。ほんと独創的で暖かい脚本だ。
・必要最小限シンプルなデザインの母船内の機械たち。
・トーマス・ニューマンの美しい音楽。ピーター・ガブリエルの唄に合わせて語られる「その後」の画のタッチがいい。
・眼(スコープ?)に写るハロー・ドーリー…これだけで胸を打つツボだが、これが導く奇跡…もうあかん、涙腺が。。。ラブストーリーとしても一級。
・(追加)米国のアニメでは必ず居る道化(おしゃべり)がゴキブリ!で、話せない!で、置き去りに!ブラッド・バード作品では既に「道化なし」でも物語を構成できているが、スタントンもやってくれた。(ピクサーの傑作『ニモ』や『モンスターズInc』でも切り離せてなかった)