銀幕版 スシ王子! ニューヨークへ行くのレビュー・感想・評価
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食わず嫌い
多分こういう映画は食わず嫌いされてしまうのだと思う。
主役がジャニーズだし、タイトルからして馬鹿げている。
しかし偏見を持ってこの映画を見ないなら、それは残念だ。
漫画やベストセラー小説が原作の映画に食傷気味の自分には、こういうオリジナル作品にはエールを送りたい。
オリジナル作品といってもオリジナリティーに溢れているわけではないが、それはハリウッドとて同じ事。
だから、こういう映画があっても良いと思うし、ナンセンスなギャクセンスの中にも、日本の伝統や武士道にも通じる哲学のエッセンスが仄かに匂ってくるのが小気味良いと感じた。
続編があるなら、是非見てみたいとすら思った。
格闘したいのか?寿司を握りたいのか?どっち?
TVでオンエアされてたシリーズを見なくても普通に分かるように作られてて良かったと思う。
笑えるし、ちょっとだけ泣かせるシーンもあったけど…一体いつになったらスジ王子は免許皆伝になるんだろ??
いつも思うんだけど…この映像見て、寿司を食べたくなる人いるのかねぇ?
何となく…釈ちゃんのネイルしてる指で握られた寿司とか…キモクって…(@_@;)
NGでした。
このシリーズって基本、格闘家を目指してるのか、寿司職人を目指してるのか、よく分かんなかったけど…どっちなのかしら?
お馬鹿な映画を真剣に演じている堂本光一に感心
お馬鹿な映画を真剣に演じている堂本光一に感心して見に行きました。
元々は試写会に当たっていて、オバカ映画をパスしたものです。その後圧倒的なテレビ雑誌で予告画面の露出やインタビューで彼が米寿司をいかに真剣になりきって演じているかを知りだんだん関心が募りまして、ついつい深夜で放送したテレビシリーズを見てしまったのです。テレビシリーズでもオバカなんですが、「おまえなんか握ってやる」という決めポーズが、ばっちり決まって、微塵にも馬鹿馬鹿しい役をやっているというスキを見せません。これはすごいと思いました。
同じ堤監督作品でも、「TRICK」の方は、主役の阿部寛がお気軽に演じているような気がします。
堂本自身もNYに行く設定は、「馬鹿馬鹿しい、あり得ない設定」とこき下ろしたうえで、「そんな話なんで思いっきり笑ってやってください。」と語ってます。それを読むにつけ、こいつなんて謙虚な奴なんだろうと思いましたよ。
実際この作品では、インタビューとは裏腹に、堂本はハードなアクションをスタントなしで演じています。釈由美子と絡む激しいカンフーアクションでは、彼女の鎖骨にヒビが入るほど激しさだったようです。その真剣さは、オバカ映画といえども画面を通じて伝わってきました。
銀幕版では、テレビ版と比べて、スシ対決よりもカンフー対決にポイントが置かれていましたね。
あと北大路欣也のスシ職人ぶりも、堂本に負けず劣らず真剣でしたね。第一目が笑っていません。怖いくらいです。北大路が睨みつけると、司が本当にシャリ修行しているように見えてくるし、彼が稲穂を見つめていると、本当にこだわりをもって稲作している感じがしてきました。
あと弟分河次郎は、今回大変な目にあってしまいますが、そこに行くまでの司に対する嫉妬心と、それを超えて土壇場で見せる男気は、なかなかのものを感じさせてくれましたよ。
ただある事情で河次郎が後半、司のそばにいなくなると、シリーズ上困ったことが起きました。「おまえなんか握ってやる」という決め台詞には、必ず「いよっ!スシ王子!」と河次郎が決まって相の手を入れていたのです。河次郎が不在のラスト対決で、司は自ら相の手を入れていました。それがすごく可笑しくて必見シーンです。
あと「おまえなんか握ってやる」という決め台詞は時々英語で登場していて、「You are crushed. 」と言うべきところを少々発音を間違えて、「You are clashed.」と語ってしまったところも面白かったです。敵キャラとの対決シーンだったので、潰す
という意味の「You are clashed.」という方が様になっていましたよ。
そんなわけでどんなオバカ映画でも、出演者が真剣に演じたら傑作ができるという見本みたいな映画です。同じ堤監督作品の「TRICK」と比べていただければ、一目瞭然でしょう。
ただし、石原さとみの師匠役だけは、どうにも浮いていましたね。彼女笑い転げそうなのを必死で堪えていたのかも?
最後に、NYロケでネイティブの人に堂本が呼び止められて、「Oh!My SUSIPRINCE!」と歓声を浴びたそうです。向こうでもスシ王子が話題になっているのでしょう。
この作品でも、へんてこりんなスシがたくさん出てきます。ぜひ外国でもこの作品が公開されて真っ当な江戸前寿司が認知されるよう願っています。
修行を続けていく米寿司ですが、本当のミッションは、江戸前寿司をPRすることだろうと思いますよ。
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