劇場公開日 1998年3月14日

「初劇場鑑賞の007」007 トゥモロー・ネバー・ダイ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0初劇場鑑賞の007

2020年9月17日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD、映画館

楽しい

興奮

シリーズ18作目。1997年の作品。

初めて劇場で観た007。
その後もレンタルやWOWOW放送や録画などで何度も見ており、多分シリーズで最も見ていると思う。
とは言え、最後に見てから随分経つので、ちょいちょい忘れている所も。が、見ている内に思い出してきた。シェリル・クロウの主題歌も耳馴染み~。
以来、シリーズは全て劇場で観ている。

中国領海で英国戦艦と中国ミグ機が交戦。両国間に戦争の危機が迫る。
それを第一報でスクープした“トゥモロー紙”。
不審に感じたボンドは社長でメディア王と呼ばれるカーヴァーに接近。掴んだカーヴァーの陰謀とは…
先の交戦もカーヴァーのステルス艦の攻撃によるもの。さらに、イギリスと中国を戦争に突入させ、第3次世界大戦を勃発させ、そのニュースでメディア界を独占しようとしていた…!

大ヒット&大評判となったピアース・ボンド初任務『ゴールデンアイ』。
完全にピアース・ブロスナン=ジェームズ・ボンド。
その勢いに乗り作られた同第2弾は、前作以上の…いや、シリーズで最もというくらいアクション満載。
とにかく、見せ場見せ場の連続!

プレ・シークエンスは、ロシア国境の武器マーケット。英ロ軍共闘でミサイルでそこを殲滅しようとするが、核弾頭が…! ミサイル迫る中、ボンドは核弾頭搭載の機で脱出を図る…!
先述の英中の緊迫の攻防。
カーヴァーに接近した後、カーヴァービル本社に潜入。銃撃戦からの、Q特製のびっくりどっきりカーが大活躍! 携帯の画面で操作。ミスター・ボンドは“撫でる”のは得意なんです。
ボンド同様、この事件を調査する中国国防保安隊のリン大佐と出会い、共闘。敵に捕まるも、高層カーヴァービルから垂れ幕を破って飛び降り脱出。それも束の間、追っ手ヘリから逃走バイク・チェイス。しかもこれら、手錠で繋がれたまま!
遂にステルス艦の居場所を突き止め、潜入。カーヴァーの野望を阻止するクライマックス戦は、ドンパチドンパチ!爆破爆破!迫るカウントダウン…!

そのアクションを盛り上げているのが、今回のボンドガール。
言わずと知れたアジアのアクション女優、ミシェル・ヨー。
華麗なるアクションはピアース以上。垂れ幕ジャンプやミシェル単独のアクション・シーンはまるでアジアのアクション映画を見ているよう。
アジアン・ビューティーな魅力も言うまでもなく。
カーヴァーの妻役、テリー・ハッチャーももう一人のボンドガール。
人妻の色気たっぷり。実はボンドのかつての恋人。それ故…。悲劇的な面も。
カーヴァー役は名優ジョナサン・プライス。突然降板したオスカー名優の急遽の代役だが、そうとは思えない巧演。演じたメディア王、何人かモデルらしき人物が思い浮かぶ。

メディア王の犯罪は現代的。
新しいヴィラン像だが、作品はアクション推し故、荒唐無稽で強引な部分も。ドラマ的にはちと弱い。
その分、アクションで魅せる!
初登板のロジャー・スポティスウッドのテンポのいい快演出。
音楽もいい。担当したのはかつてのローランド・エメリッヒ作品で知られるデヴィッド・アーノルド。元々007シリーズのファンで、メインテーマもここぞという所で用い、音楽面での盛り上げ方は往年のジョン・バリーを彷彿。以後、『慰めの報酬』まで5作連続担当。
往年のショーン・ボンドやロジャー・ボンドのような抜群のエンタメ性。
その007シリーズの生みの親であるプロデューサー、アルバート・R・ブロッコリが前年に死去。本作は彼に捧げられている。

何者かが陰謀企み、我らのボンドがそれを阻止する限り、
“明日は決して死なない”。

近大