劇場公開日 2008年12月20日

「コメディータッチのミステリーに大満足」K-20 怪人二十面相・伝 septakaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0コメディータッチのミステリーに大満足

2010年1月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

原作が、名古屋演劇界のカリスマ、北村想さん。
演劇評論家からの評価は非常に高い。だから、舞台に
なんどか行きましたが、なにがなんだか、なにがいいのか、毎回ちんぷんかんぷん。

高尚な演劇は、わたしゃみたいな庶民にはわからんわい。

いつも、ぼやいていました。
だから、北村想さんの作品が映画化されると知ってビックリ仰天。
ストーリー、わかるかな?? 期待半分、不安半分で上映を待ったのです。

☆彡     ☆彡

いやぁ、あまりに面白くて、不安は吹き飛んじゃいました(笑顔)。

帰って、確認をしてみると、かなり原作いじったみたいです。
北村さんが、よくOKを出したな、とその器量の大きさに感心しましたし、
また、修正を加えたからこそ、この面白さにつながったのだと思います。

製作はROBOT&日テレ。
松たか子さんが、フジでやたらに宣伝をしていたので、
てっきり、ROBOT&フジテレビ作品とばかり思っていました。

『エコエコアザラク』の佐藤さんが監督。
無駄なシーンが一切ない、テンポのよさに脱帽です。
大なるものに挑む、人物描写は爽快で、ストーリーの繋がりも、設定も整然としてました。

キャスティングも抜群!
また、その俳優のいじり方も抜群!!

金城武さんは「ロープにぶら下がって、笑いながら去っていけるのは彼しかいない」
と決定。その通り、とてもサマになっていてGood!白鳩を可愛がるのは原作にも
あるのかな。私は『レッドクリフ』きっかけの遊び心と捉えクスクス笑ってしまいました。

松たか子さんは、相変わらずコメディエンヌ役が、お上手です。
『お見合い結婚』ユースケ・サンタマリアさんと、共演されたコメディ。
清楚な役しかできない、と当時決めつけていた私にとって、ビックサプライズ。
あまりの、面白さに、大笑い。いや、本当のすごさは、再放送をされるたびに、
毎回、観ているのですが、何回観ても、大笑いをさせられること。次のシーンの
オチがわかっているのに、わかっていても、大笑いしてしまう。こんなお芝居、
こんな作品には、なかなか巡りあえるものではありません。

仲村トオルさんは、こちらも相変わらず渋い役が、ステキ。
でも、同作で私が、一番うれしかったのは『あぶない刑事』を彷彿させる気弱な演技。

これは、お二人に共通しているんですが、突然、声を裏返らせ、同時に眼を躍らせて、
驚きを表現するのがすごく、上手いんです。笑わしに来ているって、わかるけれども、
ついつい笑ってしまう。これは、もうテクニック以外のなにものでもないでしょう。

このお二人のシーンには、劇場もざわついていましたが、
実は、私だけが、我慢したので小さい声でしたが、笑ってしまったシーンがあります。

松たか子さんの、お爺ちゃんが登場するシーン。
お爺ちゃんを演ずるのは、大滝秀治さん。
わたし、ツボなんですね。キンチョールのCMでも、
そうでしたが、大滝さんを見ただけで、笑ってしまうんですよ。
それも、大滝さんが、まじめにやれば、やるほど笑ってしまう。
今作、それに輪をかけるかのように、その大滝さんの話を、松さんが、
ものすごく真剣なまなざしで聞いてるんですよ。もう、笑いをこらえるのに必死でした。

ラストのまとめ方も、好きです。
タネあかしも、大満足です!!
気がつけなかったのは、ものすごく悔しいですが(苦笑)

☆彡     ☆彡

いやぁ、掘り出し物、
ってこういう作品のことを言うんでしょうね。
時がたつのを、すっかり忘れてしまいました。

ドキドキ、ワクワク、ハラハラの2時間をありがとうございました(笑顔)。

septaka