劇場公開日 2008年11月15日

「働く人々への応援歌」ハッピーフライト かみぃさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0働く人々への応援歌

2009年10月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

自ブログより抜粋で。
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 大それた事件は起こらないのに大空港にありがちな日常をさわやかな感動をもたらすハートフル・コメディに仕立てる矢口史靖監督の手腕はさすが。

 航空業界を舞台にはしているが、働いている人なら職種を問わず作中の誰かしらに共感できるのではないか。
 どこかとぼけた芝居をする田辺誠一が危機の中でにわかに頼もしくなってくるのが微笑ましい。
 『僕の彼女はサイボーグ』『ICHI』と、今年大活躍の綾瀬はるかがここでもいい味を醸して作品に潤いをもたらしてる。
 田畑智子も「働くお姉さん」を好演。
 昼行灯な岸部一徳がここぞというときに水を得た魚のように活躍するのもイイ。
 関わる人々皆が皆、出しゃばりすぎずない輝きを放ってる。

 ともすると“会社の歯車”とやゆされる普通の人々に与えられた使命。単に航空会社の裏側を面白おかしく見せているだけでなく、会社というシステムの中で与えられた職務をまっとうする人々への敬意を感じるその視点は、日々の疲れを癒しに劇場を訪れた観客への応援歌ともなっている。
 誇りをもって働くことの素晴らしさを実感させるに充分な全世代に目配せの行き届いた語り口は、働く人々だけでなく、これから職業を選ぼうとしている若者たちにもぜひ観て欲しい快作。

かみぃ