容疑者Xの献身のレビュー・感想・評価
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俳優冥利に尽きる映画ではなかろうか
この映画で私は一発で何ていう名前か知らないけど容疑者 X をやったあの俳優が好きになった感がある。この映画は何と言っても原作が優れていてとても面白いサスペンスになってた。サスペンス映画の脚本を考えるとき原作が複雑すぎるとちょっと映画では客がついていけないものがある。のだがこれはある程度単純なトリックで映画を見ながらでも考えれば解けるというところが面白いと思う。人間ドラマも東野圭吾か作品に非常に多い家族ネタがこの作品では抑えられていてよかった。犯人とヒロイン犯人と探偵の人間関係がとても良く描けていたと思う。
東野圭吾作品にはいいものがいっぱいあるのでうまく プロデュースをすれば日本映画が世界に通じる起爆剤きっかけにもなり得ると思うのだがな。外国の人々は日本をアニメ大国だとか漫画大国だとか言うけども、それは人気だけで面白さを伴うもんじゃない。本当の面白さを伴っているのはミステリーだ。ミステリーは世界でダントツ日本ですよ。日本はミステリー大国なのだ。とくに1980-2010は!・・映画会社はそれを武器に世界に打って出ようとする気が全くないらしいのが残念だ
究極の愛
事件の真相がわかっても誰も幸せになることはできない、それがわかっていても湯川は真実を明らかにした。
石神も事件の真相が明らかになることはないと絶対の自信を持っていた、ただ人間の感情は数学のように論理的ではない。花岡が罪の意識に耐えられなくて自供することは想定外のことであり、石神には到底理解できないことであった。人間の感情とはそれほど複雑なものである。
自分が人生に絶望していて全てを投げ出そうとしていた時に、花岡親子に救われた。花岡親子からすると身に覚えのないことであるが、石神からするととても重要なことなのだ。
自分が犠牲になってもでも、殺人を犯してでもこの親子を救いたい、まさに献身的な究極の愛が描かれている。
純愛が生んだ渾身のトリック
"ガリレオ(劇場版)" シリーズ第1作。
フジテレビでの地上波初放送を鑑賞。
原作は既読、テレビシリーズも視聴済み。
明るくポップな演出が光っていたテレビシリーズとは打って変わって、エモーショナルな静謐さが漂う重厚なミステリ映画となっているのが本作の大きなポイントであろう。
原作の持つ雰囲気がきちんと守られていて好感が持てた。テレビシリーズみたいに、謎が解けるとめったやたらに数式を書き始めるシーンが一切無いのも良い差別化だった。
天才物理学者・湯川学と、彼が唯一本物の天才だと認めた数学者・石神哲也。ふたりの天才が繰り広げる頭脳戦をスリリングに描くと共に、石神が愛する女性を守りたいが故に生み出した渾身のトリックが、止めどない涙を誘う。
映像になった途端、石神の抱く想いが画面から溢れ出して来るかのように刺さった。堤真一の演技も相まって、単なる推理物に留まらない豊潤な人間ドラマが生まれ、心揺さぶる。
理論的思考を重んじていたはずの石神が非論理的な「愛」に突き動かされ、その頭脳をトリック考案のために働かせてしまったと云う悲劇。石神の心情を理解しようとしていた湯川の姿に、推理機械ではない人間らしさを感じた。
原作を読了時は中学3年生。予想を裏切る真相に驚愕したものの、愛に関してはまだまだ理解が足りていなかった。
時が経ち、本作を何度も観る内に、石神の想いがだんだん理解出来て来たような気がする。これほどまでの純愛とは。
愛は人を強くする。良い方にも悪い方にも。そして、生きる力となる。想いが人をつくるのだと、しみじみ感じた。
ラスト、川からだんだんと遠ざかっていく画面と共に流れる「最愛」が切なくて、心に染み入って来るようである。
石神の心情に寄り添うような歌詞の重みと悲しげなメロディーが物語を補完し、最高の余韻を齎していると思った。
[以降の鑑賞記録]
2011/01/08:土曜プレミアム
2013/?/? :DVD
2013/07/06:土曜プレミアム
2019/09/09:Blu-ray
2021/07/18:Blu-ray
2022/09/24:土曜プレミアム
2024/03/23:土曜プレミアム
2025/09/13:土曜プレミアム
※修正(2025/09/13)
よくできた物語、素晴らしすぎる演技
全くトリックに気づかなかった。
松雪泰子、堤真一の演技流石すぎました。
最後の感情が溢れ出すシーンでは、二人の心の叫びに私まで胸が苦しくなった。
ガリレオで有る必要はない
実に面白い! これは原作が素晴らしいんだと感じます。流石は超人気作...
全体的に良かった
全体的には良かった。特に脚本がよく、事件発生までを短くまとめ、そのあとも飽きさせず全体の流れを運んでいく手腕はすごいと思う。原作からカットされたシーンもあり個人的にはカットしてほしくなかったところもカットされていたが致し方なしかもしれない。ただ、それを承知で苦言を呈するとするなら、石神の教師の面をもっと描いてほしかったなと思った。演出はまずまず。ただ、「技師」が殺されていつもの通勤コースにいないという伏線はともすればトリックが気づかれてしまう危険性があるように思えたのであれほど露骨にベンチを写さなくてもいいと思う。
俳優の演技は可もなく不可もなくで堤が頭ひとつ飛び抜けていた。ただ、脚本の責任でもあるが石神がただの暗い人になりがちなのが残念。もっと愛情を感じさせる演技、脚本がほしかった。最後の石神の号泣シーンは感動した。
結末の驚きと、切なくもやりきれない人生
堤真一の切なくも哀しい人生の結末。やり切ることが彼の本当の望みなのだろうか。福山雅治と追い込まれる堤真一。最期までどんな展開が待っているのか分からないところが面白かった。
広島市映像文化ライブラリーの美術監督の部谷京子さんの映画特集で見ました。
二人の天才
犯罪の謎解きと人物像の両方がちゃんと描かれていた
総合75点 ( ストーリー:75点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
この手の作品は、犯罪の謎解きと犯罪者の人物像に迫ることの2つが重要になってくると思うが、本作ではそれがいい感じで両方うまく描かれていた。ただの数学者がどうやって男一人をそれほどうまく殺すことが出来たのか、もしそこで失敗したら全体計画をどう修正するつもりだったのだろうかとか、アパートでの死体処理をどうしたのかというような、犯罪行為の描写のほうはあっさりとして具体性に欠ける部分もあって必ずしも満足出来たわけではないのだが、それほど悪いものではない。
人生に絶望していた孤独な男が勝手に唯一の希望として崇めて人生を捧げるというのは面白い。誰も聞いていない授業を一人で勝手に進めるほどの荒涼とした彼の心の、たった一つの潤いのために全てを捨て去り彼女のために一人で勝手に尽くすというのは、傍から見れば異常だとしても、とても彼らしい生き方のように思える。
福山雅治の演技を今作で初めて観たが、他の人が普通の演技をしている中で、一人でいい男を演じて普通ではない科白の言い方をしているのが浮いていた。堤真一や松雪泰子が犯罪に巻き込まれて深刻な演技をしている横で、かっこいい男を貫いているのが違和感がある。もっと真面目で現実的な演技のほうが作品に合っているのではないか。
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