劇場公開日 2008年7月19日

崖の上のポニョのレビュー・感想・評価

全122件中、121~122件目を表示

5.0アニメーションが進化した

2008年7月6日

笑える

楽しい

幸せ

試写会で観てきました。
試写会お決まりの音質の悪さはぐっとこらえ、それを差し引いても素晴らしいアニメーションでした。

ず~~~っとこういうアニメーションを観たいと思っていました。
ジブリ美術館ではこういう作品を作っていましたが、まさか劇場用長編で成立するスタイルだとは思わなかったので凄く嬉しいです。

ジブリが脱皮して、また一つ新しい場所にたどり着いたようです。
文句なく素晴らしいアニメーションです。
おそらく賛否両論で酷評されることもあるかもしれません。
しかし、この映画は間違いなく素晴らしく素敵な映画です。

整合性やダイナミズムばかりを追い求め、ロジックでつじつまを合わせるような映画ではない、本当の映画でした。

こんなに気持ちのいいアニメーションはありません。

テーマとかメッセージとかそういう低次元ではない、素晴らしく素敵な世界。
公開がとても待ち遠しい!!
何度観ても気持ちよくなれるアニメーションだと思います。

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ghibghib

2.5女は海、テーマは母、画面が鬼

2025年11月13日
iPhoneアプリから投稿

終盤の水没した介護施設のシーンで、宮崎駿とアゴのラインがそっくりなキャラが不自然にフレームに入ってくるの。あれ監督の母でしょ。つまりテーマは母。はい論破。解散〜♪

だってぇ、もうめちゃくちゃすぎて、真面目に受け取るのがアホらしいんだもん。。
ベースに神話やおとぎ話があるとはいえ、それらはモチーフやら背景であって、とりあえず予備知識なしに観に来た客を納得させるだけの表面上のストーリーがそこには…ない。なかったのよ。。

なにしろリサが酷い。序盤の無茶、ムラ、矛盾をきれいに背負わされた悲劇のヒロイン。
父は仕事で不在だからノー責任でフィニッシュ…ってオイオイこれ宮崎駿の家の話?

保護者としてはかなりのヤバ母で、おそらく作り手もその自覚があるからあえて子供っぽい「不良の母」っぽくした…としたらまた輪をかけてヒドイ。

とにかく嵐の中、海沿いの危険な道を子連れでクルマ飛ばして走り抜け、かと思ったら今度はその子供を置いて職場にトンボ帰り。その往復に必然性はとくにない。
子供さえ乗せてなければ、ああいつものきっぷのいい「おもしれー女」ね、で済んだのに。そうじゃないから脳内は大混乱ですよ。

さらに理由の説明さえ放棄したうえ、アップで「不思議なことがたくさん起こってるけど〜」とかセリフで言わす始末。えっ、それどこの観客に言ったんです?

まあ理由はおそらく、単に
「嵐とともに宗介に会いに来るポニョ」
「ポニョと宗介、子供だけの冒険」
を見せたいというストーリー上の都合であって、見せたいシーンとシーンの間をかろうじて繋ぐ、ちぎれかけのロープ程度の必然性しかないから、ロクに説明もできないんだろうな。
もしやタイトルの「崖」って作り手の良心が崖っぷちって意味?

テンション的にもポニョが来て再会するところで気がすんじゃってて、ほぼ終わってるじゃん…
あとはただただ「事後」のアンニュイな賢者モードが支配しており、自分ダルいっす。

そりゃあチキンラーメンのくだりとか最高でしたよ?
しかし考えれば考えるほど、あそことくに意味なかった。たぶん、ポニョがリサを信頼する機会がここしかないとか、その程度の意味だろう。この男、投げやりにつき。

そして基底には近年のディズニーが意識的に排除してる強固な対幻想があり、ときおり前面に浮上してくるので真顔になる。
さらに公開から年を経るごとに不快感が高まっている。

そう考えると、宮崎駿ってものすごい後ろ向きな表現者なんだな。。押井守が「この20年(うろ覚え)古典の棚の前にしかいなかった」と評したように、価値観も表現も、決して新しいことにトライしないという。
高畑勲が莫大な赤字もいとわず商業アニメの限界を拡張し、未来から来る観客のための作品を画策しつづけたように見える(たぶん)のとは対照的。
きっと、かかる後ろ向きさこそが、マスでセンチメンタルな観客の心情とばっちり共鳴できたゆえんでしょう。私もその1人なんでわかる。

ちなキャラデザインは「魔女の宅急便」でおなじみ(!)近藤勝也氏によるもので、一見するとさわやかだが、背景含めてこのやろう画面をぜんぶ人間の手で引いた線で埋め尽くしてやるからな俺は!という気迫で横溢しており、その執念には狂気を感じる。
果たしてそれがアニメによる劇映画にとって必要な条件なのか?1カット1カットが確かにすごい(手間かかってる)けど、本末転倒みが強い。
なまじ「カリオストロ」「ナウシカ」ときびしいスケジュールをTV仕込みの華麗な手抜きテクで乗りきった実績がある監督なだけに。。

破綻したストーリー、明瞭だが断片的なイメージ、目の前で見てきたかのような生活感、塗り分けによる秀逸な水の表現、そしてようじょ描写への異常な執着など、特濃の宮崎駿エキスをゴックンできる1本なのは間違いない。オエ…

ひょっとしてマイメン高畑勲のお家芸である「無茶な創作プランを課して現場に過酷な労働を強いた挙げ句、問題作が完成し莫大な赤字を出す」を自分も1回くらい決めたかった(のに結果として特大ヒットしてしまい、グヌヌしたり内心ホッとしたりして周囲に面倒がられた)のでは…とかいらん妄想ばかりがはかどる作品。

なにしろ、こっちは公開当時に劇場で浴びてるし、そもそも人生狂わされてるもんで…ヘっへ、そうですイスカリオテのユダです。

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ipxqi