劇場公開日 2008年5月10日

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「努力や忍耐の先に本当の幸せがある」最高の人生の見つけ方(2007) 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0努力や忍耐の先に本当の幸せがある

2025年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 エドワード(ジャック・ニコルソン)とカーター(モーガン・フリーマン)は、人並みに恋愛をしたり所帯を持ったりしながらも、その人生の多くを仕事に捧げた。そのため自分の時間をあまり持てなかった点で共通していた。酸いも甘いも噛み分けた二人ゆえに、無性に馬が合ったのだろう。だからこそ、二人は共に旅へ出て、やりたいことをやり尽くした。

 しかし、カーターは旅の中で本当の幸せとは何かを悟った。それは、家族の絆によって得られるものなのだと。思慮深い彼がそのことについて今まで考えなかったはずは無い。だが、今回の旅を通じて身に沁みて理解することができた。エドワードに絶縁状態の娘と向き合うように勧めたのも、本当の幸せについて考えてもらいたかったからだ。

 幸せとは、ただ楽しいとか嬉しいというものじゃない。自分勝手に振る舞って得られるものでもない。努力や忍耐が必要な部分もあったり、嫌なことも含まれていたりする。その先に本当の幸せがある。彼らの旅の最大の収穫は、人生で本当に大切なのは何かを学んだことにあるだろう。

 今作も、『スタンド・バイ・ミー』のロブ・ライナー監督らしく、観て良かったと思える素敵な映画だった。ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンも、味のある良い演技をしていた。

根岸 圭一
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