「見終わるとこちらの心がロンリーに」ミスター・ロンリー johnny5814さんの映画レビュー(感想・評価)
見終わるとこちらの心がロンリーに
なんだかな。あんまり面白くなかったです。
アイデンティティーを"マイケル"に頼る男が自らのアイデンティティーを取り戻すまでのお話なんです。テーマは分かった。確かに映画ってのはテーマやテーゼを伝えるためには最高のツールですが、やっぱり何より面白くなくちゃね。
映画の方程式ってのは導入部が悲劇、結末が活劇なんです。ショーシャンクだってジョーズだってそう。ターミネーターしかり。なぜならそうするとカタルシスが生まれるから。だけどなぜかこの映画は逆!導入部が活劇(恋?をしたりモノマネ芸人の国に行けて幸せな主人公)で結末が悲劇。あれじゃん!カタルシスってか観客さらに落ち込むじゃん!"主人公は自己を取り戻したからハッピーじゃないの?"って言う人もいるかもしれない。けど映画のラストでフランス人の友人に「お前は失敗するパターンだよ。」なんて言われてる。マイケルは笑顔すら見せない。
あと奇跡を起こす修道女の皆さんのくだり。あれは何らかのメタファーなんだろうけど本編と全く関係無い上、何を示したいのか不明瞭だったのでいただけません。
でもまあ面白かったところも。
スカイダイビングをする修道女(背中にパラシュート隠してるの丸見えなんて言わないであげて)、ファッキング・リンカーン、体が臭い法王、タバコ吸いまくるエリザベス女王、顔が変で本人に似ていないマイケル・ジャクソンが見られるのは「ミスター・ロンリー」だけ! あ、顔が変で本人に似ていないのはマイケル・ジャクソン本人もか(笑)
あと撮影もよかった。この撮影監督さんはすごいな。
なぜか音楽のチョイスは秀逸だった。この映画に1800円払うくらいならそのお金でサントラCD買った方がかなりお得ですよ。